第一章 — 目覚め
その年のシカゴの冬は、慈悲なんてものはなかった。死刑執行人だった。
空は重く垂れ込め、朝から灰色の雲が街全体に息苦しい毛布みたいに広がってた。雨じゃない...染み出してるんだ。冷たくて意味のない霧雨。雨でも雪でもない、あの名もない中間。人を狂わせるやつ。
道路は濡れてた。生々しくガラスみたいな濡れ方で、冬が全部を塩まみれの薄氷の下に隠してた。
街灯がその濡れの中で砕けてた。明るくもなく、はっきりもなく...粉々に。もう思い出したくない人の記憶みたいに。店の明かりも、この古い地区でまだ生き残ってるやつらは、曲がった歩道に黄色くて死にかけの光を落としてた。
人々...厚手のコートに閉じこもり、帽子を耳まで下ろして...歩いてた。早足、あてもない足。顔は襟に埋もれ、目は地面に固定。誰も挨拶しない。誰も見ない。
大通りでは車が列を作ってた。時々クラクションが空気を裂く。短く一度は苛立ち、長く一度は警告、たまに三連続は絶望の奥から。
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そんな中を、十六歳の少年が歩いてた。
ロイド・スミス。
短い黒髪はジャケットのフードに隠れてる。大きな茶色い目、奥に不安みたいなものが住み着いてて、それが起き上がって出ていくことは一度もなかった。シンプルな黒いジャケット、灰色のズボン、普通の靴。見た目に人目を引くものは何もない...それこそ彼が望んでたことだ。
一歩ごとに、右膝から鋭い痛みが上がってきた。
病的な人混み恐怖症。吃音。そして、足元から地面が引き抜かれた記憶。
でも今は、もっと静かな通りで、人混みはまばらになってた。
ロイドは足元の濡れた紙切れに目を落とした。新聞。古すぎて日付は消えてた。たった一つの見出しだけが読めた。
「黙示録の準備はできてるか?」
ロイドは通り過ぎた。でも言葉は残った。
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店「ジョン・ロックス」は、狭くて古い路地の奥深くに隠れてた。
ショーウィンドウは過去の来客の吐息と何年もの埃で曇ってた。ガラスには黒く、消えかけた文字で「ジョン・ロックス — レア本とコミック」と書いてあった。
ロイドは冷たい息を吐いた。右手の手袋を外した。むき出しの冷たい手を金属の取っ手にかけた。
引いた。
ドアがキィッと音を立てて開いた。そして、小さな錆びたベルが「チリンチリン」と頼りなげに彼の入店を告げた。
中は暖かかった。気持ちのいい暖かさじゃない...電気ヒーターの弱い熱。でもロイドにとってこの「ほぼ暖かい」は天国だった。
古い紙の匂い、年を経た革の匂い、かつて新しかったものが今は記憶の中にだけ生きてる匂い。黒ずんだ木の本棚は床から天井まで本の重みでたわんでた。コミック、ペーパーバックの小説、古い雑誌。全部一緒くた、秩序もなく、ルールもなく。掃除する余裕のない店主の骨董品屋みたいに。
古いデスクランプの暖かい黄色い光がカウンター周りだけを照らしてた。
カウンターの後ろにジョンが座ってた。
短く整った白髪の老人。瓶底みたいに厚い眼鏡の奥の茶色い目。でもロイドを見ると、一日中この瞬間を待ってましたと言わんばかりに微笑んだ。
「やあロイド。この天気じゃ来ないと思ってたよ。君のコミック、待ってるよ」
ロイドは色あせた古い映画のポスターから視線を外した。「こ、こんにちは、ジョンさん...来させてくれてありがとう...コミック、できてますか?」
ジョンは頷いた。カウンターの下から、光沢のあるカバーと鮮やかな色のコミックを四冊取り出した。この薄暗い店内で、そいつらは輝いてた。
「あ、ありがとう...すみません、いくらですか?」
ジョンは椅子に寄りかかった。「坊や、君は私にとって孫みたいなものだ。君には別のツケがある。持って行きなさい」
ロイドはきっぱりと首を振った。「いやです。払わせてください。お願いです」
ジョンはため息をついた。「もう一回金の話をしたら、数ヶ月コミックはお預けだ」
ロイドは間を置いて、それから笑って言った。「あ、ありがとう、おじいちゃん」
ジョンは目を閉じ、温かい笑顔を浮かべた。
「ロイド、また一人で来たのか?ボディーガードは?外の世界を見ようとしてるのは分かるけど、父さんのトーマスが許さないぞ」
ロイドは本を胸に抱きしめた。「ぼ、ぼくは...人混み...嫌だけど...自由になりたいんです」
ジョンは彼をじっと見た。「まあ、その話は置いとこう。ニュース聞いたか?不愉快なことばかりだ」
ロイドは眉を上げた。「ど、どんなことです?」
ジョンは一瞬沈黙した。それから声を潜めた。
「ところでロイド、アリスさんのことは何か聞いたか?有名な予言者だ」
「し、死んだって言われてる人ですか?」
「そうだ。メディアは死んだと言った。三週間前にね」ジョンは眼鏡を外し、縁を白いシャツの袖で拭き、かけ直した。「でも噂話は別のことを言ってる。最後の予言のせいで死んだらしいってな。あまりに恐ろしい予言で、彼女は殺されたか、身を隠さざるを得なくなったんだと。世界の終わりについての何か。みんな違うことを言ってる。でも全員が一点だけは一致してる。恐ろしいものだったってな」
ロイドは本を見つめた。何も言わなかった。
それから静かに言った。「でも、ぼ、ぼくの父さん、ある晩書斎で誰かと電話してて...」
息継ぎ。
「ア、アリスは生きてるって言ってました。ただその予言のせいで怖くて身を隠してるだけだって...誰にも言うなって言われました」
声は囁きに落ちた。まるで自分が今言ったことを自分でも信じられないみたいに。
ジョンは一瞬固まった。視線が真剣になった。眼鏡がまたずり落ちた。
「父さんの心配はもっともだよ、坊や。トーマス・スミスはただの大企業のトップじゃない。彼の耳に入ることは...他の多くの人には入らない。アリスのような...これまで予言が全部当たってきた...人が、何かに対してあまりに怖がって身を隠さざるを得なくなった時...まあロイド、私には何か分からない。でも誰もが怖がるべきだってことは分かる」
ロイドは何も言わなかった。本を強く抱きしめた。
「行かなくちゃ、ジョンさん。あ、ありがとう」
ジョンはドアまで見送った。ロイドの肩に手を置いた。重く。温かく。
「気をつけて、ロイド」
ロイドはドアを開けた。
ベルの音。
「来週来ます、ジョンさん」
そして去った。
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外は、冷たさが顔をぶった。
ロイドはジャケットのフードを頭にかぶった。本をジャケットの下に入れて、胸に押し付けた。右膝がまた痛みだした。足元の石畳はでこぼこだった。氷は滑った。転ばないように小股で歩いた。
大通りから遠ざかるにつれ、路地は暗く寂しくなっていった。安い地元食堂の匂い。露店商たちがビニールシートに商品を広げ、中古の冷蔵庫の陰に避難してる。
ロイドは小さな市場の端に着いた。
立ち止まった。
テント。青。古い。布は擦り切れて何箇所も破れてる。金属のポールに緩いロープが結びつけられてる。割れた木箱があちこちに散らばってる。
ロープでテントに結びつけられた濡れそぼったボール紙に、黒いマジックで下手くそに書かれてた。
「自分の未来が知りたいか?中に入る勇気はあるか?」
ロイドは腕時計をちらっと見た。3時47分。
時間はあった。
ちょっと見るだけ。
慎重に、入り口の布を押しのけて中に入った。
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内部は小さかった。暗い。寒い。
唯一の光源は冷たい青い光の小さなランプで、テントの布に奇妙で長い影を投げかけてた。空気は古びた線香と湿った埃の匂いがした。
中央に、表面に傷のある小さな古いテーブル。テーブルの上には、奇妙なデザインの擦り切れたトランプ一組、黄ばんだ紙切れ数枚、そして小さな曇った水晶玉。
テーブルの両側に二脚のシンプルな木の椅子。
片方の椅子に女が座ってた。
ソフィア・コッポラ。
長い黒髪、ストレート、カーテンのように肩の上に落ちてる。傷一つない白い肌。そして名付けようのない色の目...金と深い茶色が混ざって、青い光の中でちらちら輝いてる。不自然な輝き。誰も見たくない何かがその下にある輝き。
ロイドが入ると、彼女は視線を上げた。微笑まなかった。でも顔には何かがあった...好奇心か、あるいは認識か。見分けはつかなかった。
「こんにちは、若者。未来を見に来たの?」
ロイドは慌てた。本を強く抱きしめた。口を開いた。言葉が詰まった。ようやく転がり出た。「は、はい」
ソフィアはわずかに首を傾げた。まるで何かの匂いを嗅ぐように。
「社会不安障害ね。ボディランゲージに出てる。いつも誰かが自分に答えられないことを言うのを待ってる。最後に食べたのはマカロニね」
ロイドは衝撃を受けた。
「あ、あなた...なんでそれが分かるんです?」
ソフィアは微笑んだ。小さな微笑み...冷たくもなく温かくもない。「自分で考えて」みたいな微笑み。
「だって、私の仕事は他人が知らないことを知ることだもの。私は予言者よ、ロイド」
ロイド。彼女は彼の名前を言った。彼が自己紹介する前に。
ロイドの両手が震えだした。紙のカバーが指の下で音を立てるほど強く本を押し付けた。
ソフィアは向かいの椅子に手を振った。
「ここに座って。心配しないで。私はただの普通の人と同じだから」
ロイドは椅子を引き戻して座った。右膝がテーブルの下で痛みを爆発させた...でもそれを表に出すのを拒んだ。
ソフィアは身を乗り出した。青い光が彼女の顔の半分を照らし、残り半分は影に飲み込まれた。白い肌の下の細い血管が見えた。
「さあて、あなた、未来を知りたいの、それとも過去?それとも両方?」
ロイドは苦労しながら言った。「未来を」
「右手を出して」
ロイドは本をテーブルに置き、右手を差し出した。指は震えてた。爪は短くて噛みちぎられてた。
ソフィアは見た。手は取らなかった。ただ見た。開かれた手のひら、絡み合った線、人差し指の古い傷跡。
彼女は目を閉じた。
沈黙。
あまりの沈黙に、ロイドは自分の心臓の鼓動を聞いた。そして...何か別のもの。もう一つの脈。まるで自分の心臓の後ろのどこかで、第二の心臓が鼓動を始めたみたいに。
ソフィアが目を開けた。
ロイドの目をまっすぐに見つめた。金色の虹彩に光があって、テントの青い光を押し戻してた。彼女の目はもはや光を反射してなかった。彼女の目が光だった。
「あなたは二枚の鏡の間を歩いてる、ロイド・スミス。片方には、世界がまだ見たことのない光、傷を癒す温かさがある。でももう片方には...」間。彼女の目の光が風に歩かれた炎のように揺らいだ。「...影がある。すべての目を永遠に閉じる影。両方の道はあなたの心を通る」
息継ぎ。
「でもあなたの過去...見えるのは悲しみだけ。苦しみだけ。そして深い孤独。あなたとは無関係なこと、でもあなたを作ったこと。選んでないのに、背負ってる傷」
思わずロイドの目に涙が溜まった。
ロイドは素早く手を引っ込めて頬を拭った。答えようとしたけど、言葉が詰まった。吃音...いや、もっと悪い。虚無。言うべきことが何もなかった。
詰まってかすれた声で言った。「お、おばさん、いくらですか?行かないと」
ソフィアは椅子に寄りかかった。視線はロイドから外れた。彼の後ろのどこか...闇へ、テントの布へ、どこでもないところへ。
「払わなくていい。これから未来であんなに世界に仕える人から...どうして私がお金を取るの?行って、お父さんが怒る前に」
ロイドは本を拾い上げて立ち上がった。膝がポキッと鳴った。
「じ、じゃあ行きます。さようなら」
ソフィアは座ったままだった。両手をテーブルに置き、手のひらを開いてた。まるで何かを受け止めてるか...あるいは何かを手放してるか。
「無事に行ってね、ロイド。それと...気をつけて」
ロイドはテントの布を押しのけて急いで出て行った。
ソフィアは息の下で呟いた。「あの子、本当に誰に似てるんだろう?リアナか...いや、違うかも。まあ、どうでもいいわ」
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空気は霧雨を降らせてた。
ロイドは数歩歩いて、止まった。息は速かった。両手は震えてた。左手に本を持った。右手をジャケットのポケットに入れた。携帯を取り出した。
あの女は一体何者なんだ?なんで俺の名前を?どうやって...手に触れてもいないのに...
電話をかけようとした。
重い手が彼の肩に降りた。
「あっ!」
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続く...




