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不自由な僕らのアナザーライフ  作者: たてみん


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146/179

146.プレゼント交換

<フォニー視点>


 冬イベントも残り2日。

 公式の発表では今日は雪像の品評会+雪まつりが行われ、明日が表彰式という予定です。

 なので無事に雪像をが完成した私達はラキア君やフェルトさん達と一緒に雪像を見て回ったり屋台を楽しむことにしました。

 あ、雪像の事はラキア君には内緒です。

 今日の最後にお披露目してびっくりさせようってコロンちゃんと話して決めました。

 それなのに。


「それでラキア君たちが作った雪像はどこにあるの?」

「あぁ、それなら実はあまり人が来ない場所に安置してあるんです」

「「え!?」」


 途中で会ったミッチャーさんの質問にラキア君のまさかの回答。

 いったいいつの間に気付かれてたんでしょうか。

 驚く私達に、だけどラキア君も驚いてます。

 だけどこれは「え、もしかして秘密だったの?」という意味の驚きではないような気がします。


「あの、ラキア君の言ってる雪像って何のことですか?」


 知らないふりで尋ねてみればなるほどと言う回答が返ってきました。


「そっか2人にもまだ伝えてなかったね。

 実はここ数日、時間が空いてたから『灯の勇者』の雪像を作ってたんだよ。

 この前渡したマッチにまつわるイベントでその勇者のクリスマス人形を貰ったからそれを参考にね」

「あぁそう言う事だったんですね」


 やっぱり私達の雪像に気付いた訳では無かったようです。

 あ、でも、今のやり取りでミッチャーさんには勘づかれたっぽいですけど。


「ラキア君の作った雪像はどこにあるんですか?」

「ギルドに聞いたらその勇者のお墓の場所を教えて貰えたから甘酒と一緒にお供えして来た」


 なるほどお墓。

 そういえば勇者って基本的に故人で各地の遺跡やダンジョンにその痕跡が残っているって話ですけどお墓についてはあまり聞いたことが無かったです。

 周囲を見れば沢山の異なる勇者の雪像があるので、それだけ過去に多くの勇者が存在していた筈なんですけど。


「フェルトさん。昔の大戦の時に活躍した勇者達のお墓ってどこにあるんですか?」

「一部は教会裏の墓地にあります。

 ただ、大戦に直接参加された方の多くは遺体どころか形見1つ残らなかったと聞いています。

 その方々のための慰霊碑がありますので時間のある時に観に行かれるのがよろしいかと思います」


 そういうものがあったんですね。

 今の所SNSなどでは聞いた覚えがないのでまたダンジョンの奥か、相当分かりづらい場所にありそう。


「まぁそれは追々ね」

「あ、ですね」


 お墓とか慰霊碑とか、お祭りにはそぐわない話題でした。

 反省です。

 ミッチャーさん達と別れた私達が次に向かったのは今日の大本命である、王都西のラキア君の花畑。

 そこは現在、雪に覆われていて花は咲いてません。

 春になって雪が融けたらまた咲いてくれるのでしょう。

 その中央に立つ雪の壁の前にやってきました。


「いつの間にこんなものが出来たんだろう」

「昨夜私達が設置しました」

「はいラキア。この紐を持って。合図したら3人で一斉に引っ張るわよ」


 壁に繋がれた紐を持たされたラキア君が不思議そうな顔をしてます。

 この様子ならちゃんとサプライズになりそうですね。


「じゃあ行くわよ。せぇのっ!」


 コロンちゃんの合図で一斉にひもを引っ張ると雪の壁がサラサラと崩れ、中にあった雪像が姿を現しました。

 それを見てラキア君が目を丸くしてます。


「え、これって僕?」

「はい!」

「私達からのクリスマスプレゼントよ」


 台座の上に作られてるから若干見上げる形になりますが1/1スケールのラキア君の雪像です。

 いつもの冒険スタイルに左手にボウガンを提げ持ち右手をそっと差し出した姿は、戦いに行くというよりも今から遊びに行こうという雰囲気。

 表情も柔らかく笑っていて勇ましさとは無縁な感じなのがラキア君らしいと思います。

 肩に乗ってるフランちゃんもとっても良い味を出してます。


「凄くよく出来てるね。ありがとう」

「でしょう。結構苦労したんだからね!」


 どや顔をするコロンちゃんですが、その気持ちは分かります。

 ここ数日頑張りましたからね。

 ラキア君は像の周りをぐるりと回りながら感心したように頷いたり、フランちゃんを見て目を細めたりと凄く気に入ってくれたみたいです。


「ちなみにこれ、動きだしたりしないよね?」

「ただの雪像だから大丈夫ですよ」

「まぁ気持ちは分かるけどね」


 それだけよく出来てますから。

 さて、これで後はクリスマス人形を交換したら今日の予定は終了です。

 そう思ってたらラキア君がアイテムボックスから何やらお洒落なケースを取り出しました。


「お返しって訳じゃないんだけど、これは僕から皆に。

 【十六夜】メンバーお揃いのアクセサリーを職人に頼んで作ってもらったんだ」


 ケースの中には同じ意匠のブレスレットが人数分。

 受け取って左手に着けながら確認してみれば中々に凄いものでした。


【従魔結晶(無印)のブレスレット。

埋め込まれた従魔結晶により従魔との連携スキルの効果が微増し、魔法に対する耐性が向上する。

ベルトに刻まれた魔術文様により状態異常への耐性が向上する。

また従魔の寝床としても利用可能】


 どれくらいの効果かは分かりませんが耐性が付くのは助かります。

 それでこの、獣魔の寝床って何でしょう。

 と思ったら早速と言わんばかりにコロンちゃんの従魔が服の中から出てきてブレスレットの石の部分に頭を乗せました。

 すると吸い込まれるように石の中に消えてしまいました。


「カガミ?」

(シャ~)


 コロンちゃんが声を掛ければ石の中から返事があったので声は聞こえてるっぽいです。

 ヘビ型の従魔だから寒さに弱そうですし、石の中は暖かいんでしょうか。


「カートは入らなくて大丈夫?」

(チチッ)


 全然平気っぽい。やっぱり従魔によって居心地の良い場所は違うみたいです。

 ただこれ、水棲の従魔とかを連れてる人に凄く重宝される機能ですよね。

 さらっと出すのがラキア君らしいです。


「じゃあ後はクリスマス人形(これ)を。

 フェルトさん達にはもう渡したからフォニーとコロンに」

「では私達も」

「はい」


 クリスマス人形を交換し合う私達。

 なおクリスマス人形は手のひらサイズなのでこの雪像に比べるとかなりデフォルメされています。

 これはこれで可愛いですよね。

 ちなみにラキア君がくれた私の人形は、私服で胸に手を当てて歌っている姿です。

 てっきりモンスターと戦ってる姿かなと思ってたんですが、ラキア君にとって私の印象はこちらという事なんですね。

 それは、なんというかちょっと嬉しいですね。

 素の私が良いって事ですから。

 コロンちゃんも私の隣でにこにこと嬉しそう。

 そしてラキア君も。

 どうやら私達のプレゼント交換会は大成功のようです。



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