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魔法執事の変態日記でございます。  作者: あうすれーぜ
お嬢様の小学生時代でございます
3/150

第3回 よいお天気でございます


 朝食のあとは、お嬢様のお呼びがあるまで下がっております。

 お呼びとあらば、いつでも参じます。


 とは申しましても、待機中なにもしないわけではございません。

 わたくし、本日は他のお仕事がございまして……

 いま、屋根の上におります。

 正確には、尖塔のてっぺんでございます。


 本来、ここには避雷針があります。

 が、なにぶん、避雷針はいま、お抱え風水士のハイキング用ステッキとして貸し出しております。

 そのため、落雷を防ぐことができるのは、わたくしだけでございます。


 ついでに風見鶏の役割も兼ねております。

 両手を鳥の翼のように広げ、背すじを伸ばして片足で華麗に直立いたします。

 屋根の上でポーズを決める不審……勤務中の執事でございます。


 すると、周囲の風向き、湿度、気温などがよく分かります。


 お屋敷の中からもかすかに流れてくる空気……

 聞こえてくる音…… 目に入る光の加減……

 それらが一体となって、わたくしに五感ではっきりと教えてくれます。

 これぞ執事魔法――


執事しつじ触角サーチ≫!!


 どうやら、お嬢様が紅茶をご所望でいらっしゃいます。

 呼び鈴に、その白磁のお手を伸ばされようとしておられるのが、見えずとも伝わって参ります。


 回転しながら塔から飛び降り、外壁を伝い最短距離でお部屋へ向かいます。

 黒いタキシードをまとい壁をカサカサと這い回るその姿。

 さながらゴキブ……勤務中の執事でございます。



「お待たせいたしました、お嬢様。ルクレティレ産オレンジペコーでございます。

 お茶請けはエクレア、こちらがバニラたっぷりカスタードでこちらが辛子明太子となっております」

ちなみに、逆立ちして身体を反らせる

『しゃちほこスタイル』もございます。

お嬢様のご希望に応じて、つつがなく。

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