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めでたし…めでたし…じゃない…。

どうして…こうになった…。

ポロニス様…たすけ…て…。


異国情緒溢れる庭でうすいいろの翼をもった庭師たちが見たこともない花を世話しているのが見えた。


上を見上げると水晶でできた透明な天井が見えた。

透けて見えるのは薄い色の翼を広げて巡回する、衛兵…。


何で…こんなことに…なった…。


水晶の結晶のような檻の中で泣きそうだった。

ふかふかのクッションに身を沈めで気持ちを落ち着ける。

泣いて…なんて…いられない…。


「なんて麗しい、私の闇の光。」

色白の長身の長い銀の髪と青みがかった白い翼、青銀の目の綺麗な男性がやって来た。

そう白い男が…私をたぶんさらった…。


綺麗でも…いや…ポロニス様…。


どうしてこう…なった…だろ。



昨日までは闇の魔神族の自分の離れでポロニス様と…結婚式…準備してたのに…。


「こちらがお似合いでございますね。」

ウサギ工房の黒ウサギがふわりと漆黒に銀が入った布を広げた。

「ルコの白い肌に映えるね。」

ポロニス様が私を後ろから抱き締めて言った。

「あ、あの…。」

暖かさを背中に感じてドキドキする。

「殿下は色白でございますから。」

完全日除けサングラスを着けた乳母ノワシレータが微笑んだ。

「そうよ、色白なのよね。」

光の魔神族のお母様はさすがに裸眼対応のはずだけど…目が悪いので近視眼鏡だ。

「ポロニス殿下はこちらがよろしいかと存じます。」

黒ウサギがニコニコと白地に白銀の綺麗な生地を広げた。

ポロニス様に…似合いそう…。

「僕もルコと同じ感じの生地がいいな。」

ポロニス様がそういいながら私の肩にキスした。

「殿下にはこちらの方がお映えになります。」

ウサギ工房のデザイナーがニコニコ言った。

さっきからチラチラ懐中時計を見てて感じが悪い…。

「アフィの髪とにてるものね。」

お母様が布に目を近づけて言った。

「そして姫様のドレス用の方は殿下のお髪によくにてらっしゃいます。」

ノワシレータが嬉しそうに言った。

「小さかった、アフィがお嫁さんなんてね…。」

お母様が遠くを見る目をした。

「一緒に幸せになります。」

ポロニス様が私を抱き上げて言った。


困る…最近、私…歩いてない。


「ポロニス殿下、アフィールーノコ殿下採寸が残っておりますので。」

白ウサギのデザイナーが慇懃に言った。


今回、ウサギ工房でたのんだのは私の体質で闇の魔神族の工房とデザイナーが使えなかったことにある。


ウサギ工房は光耐性があるし…大手だ。

銀の天糸の蜘蛛族が経営している方がすきだけど…。

闇の一族だから長時間は無理みたいだ。


「アフィールーノコ殿下、こちらで採寸致します。」

黒ウサギがカーテンでおおわれたフィッティング空間を示した。

さすがに…まだ…ポロニス様に見せられないもんね…。


「こちらでございます。」

カーテンの中は広くて導かれるままに奥にいって…。


「……あのあと記憶がない…。」

ウサギが…もしかして…。

もしかしなくても…。


「いや~陛下~苦労したんでございますよ~。」

水晶の檻の向こうに黒ならぬ白ウサギがほてほて歩いていた。

「褒賞ならば出した。」

白い男が白ウサギを冷ややかな目で見た。

「わたくしはじまんの白い毛並みを黒く染めて危ない橋を渡って潜入したんでございますよ。」

白ウサギが短い腕を上げた。

「それで、何が言いたい?」

冷ややかさが増していく男に私は身を縮めた。

「褒賞金が安すぎ…。」

白ウサギが言いかけて口ごもった。

「そうか…褒賞に暖めてやろうか?」

白い男が力放った。

間一髪でウサギが逃げた。

絨毯が焦げる。

「いえいえこれで充分ございます。」

ウサギはだっとのごとく逃げたした。


「ふん、欲張りめ。」

白い男が振り向いた。


「さて…我が愛しき闇の光、最愛の妃よ。」

白い男が甘く微笑んだ。

「…私…妃…じゃない…。」

私は強い目でいった。

「昔からソナタは私のものと決まっている。」

白い男が青みがかった翼を広げた。

「おことわ…り。」

うん…私にはポロニス様がいる。

「黒柴犬に操をたてるか…まあよいここまでこれまい。」

白い男がそういって私の顎を持った。

「いや…。」

弱々しく抵抗する。

綺麗な顔が迫った。


いや…ポロニス様以外とキス…いや…!!!

私は心のなか叫んだ。


何かが弾けた。


光が…青黒い光が辺りに溢れる。


「くっ…さすが…完全なる…。」

白い男が目をおおった。


しばらくして光が収まると檻の外の家具が砕けっていた。

水晶の檻もくだけちっていた。

床にキラキラと水晶のかけらが散らばっている。


「どう…なって…。」

立ち上がろうとして膝をつく。


「やはり…まだまだ未熟か…。」

白い男が近づいてくるのが見えた。


動けない…。

それでもなんとか逃げようと床をはった。

上から影が落ちて見上げると白い男が眩しそうに目の前にたっていた。


水晶のかけらキラキラ輝く。

白い男がキラキラ眩しくてみにくい…。

黒がみたい。


「私の大事な闇の光…しばらく休むとよい。」

白い男がてをかざした。


とたんに意識が落ちていく…。


だめ…ポロニス様…私…。

深い光の渦に巻き込まれるように…。

意識の底に落ちていった。


最後にみたのは眩しそうに笑う白い男…。

そうじゃなくて…黒柴犬王子…希望です…。

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