表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

黒柴犬王子惚れる。

どこがみにくいんです?

こんなに美しくてかわいらしいひとは見たことがない。

俺は一目惚れを経験した。


俺は覚悟して嫁いだはずでした。

麗しい婚約者の背中を撫でながら思った。


俺はコボルトの農業国の王子です、上に跡取りな聡明な姉が一人…そして…のほほんな異父妹が一人ます。


コボルトの農業国は質素倹約が身についてる…あまりきらびやかでない木造の建物に雨漏りが最近ひどいことは悩みの種だと姉上も修繕費用に頭を悩ませているようです。


「ポロンをスケベジジイにやるくらいなら俺が行きます。」

のほほんな妹に闇の魔神族の国王陛下から嫁にほしいと言われたのを相談され俺は女王陛下(ハハウエ)に交渉した。


あののほほんな妹はなにかしでかすに決まってるからです。


「わがコボルト族とちがい男の王だがいいのか?」

母上が呑気にアルバイト雑誌を読んでる作業着の(コロン)を見ていった。


あの呑気な妹に闇の魔神族の側妃などできるはずがないです。


「俺がいきます、断られたらそれをねたに援助を引き出してください。」

俺は不機嫌そうに言った。


お前は女に生まれるべきであったと母上がいつもの台詞を言った。


俺だって女に生まれたかったですよ。

女ならどこまでも行ける。

あの呑気な妹だって一攫千金狙いをするくらいだ。


むしろポロンが男の子で俺が女の方が問題はない。


コボルト族の出生率は女の方が多い。


母上が後添いに人型魔族をもらったほどだ。

まあ、義父親チチウエはポロン共々呑気な性格だしな…。


こんなことでもないとコボルト族の国以外にきっとでない。

万にひとつも可能性はないとたかをくくってるうちにコロンが隣の国の茨の城の引きこもり王太子と婚約して国に援助がたくさんきた。

金持ちで力のあるかの国から農産物の取引もはじまって…あの話は立ち消えになるかと思っていた。


「かの国よりお前でいいと返事が来たぞ。」

母上がさらりと言った。

「そうですか、では進めてください。」

スケベジジイと内心毒づきながら微笑んだ。

「……無理するな。」

母上が言った。

俺はかの国に嫁ぐことにした。


この国の貴族に嫁いでも益はないからです。


「…綺麗な黒柴犬(コボルト)王子だな。」

闇の魔神族、国王陛下(スケベジジイ)がはでな尾羽を広げていった。

「光栄に存じます。」

…美中年で独特の色気がある。

「目はよいほうか?」

国王陛下が聞いた。

「そこそこです。」

別にそんなによくない普通だ。

「みにくいのだが…私の娘にあってもらいたい。」

国王陛下(ヘンタイジジイ)がそういいながらサングラスを机から取り出した。


醜い…この国王陛下(スケベジジイ)に疎まれているのか?


「陛下、殿下をまさか!?あんなにみにくいのに。」

重臣が驚いた顔をした。

「かわいそうです、後宮の離れからみにくい殿下をお呼びになるなんて。」

侍従が涙を流しながらも玉座カーテンを閉めている。


どれだけ嫌われてうとわれているんです。


俺は…なぜ会わせるんです?


驚くと困るからと国王陛下(スケベジジイ)に別室で待機させられた。


「アフィールーノコ殿下は檻に入っているようですね。」

ついてきた従者がささやいた。

つまり…光の魔神族より疎むのであれば引き取ると言う申し出がありさらう勢いだったらしい…。


檻にいれて虐待するならば渡せばいいのです。


金持ち国らしく部屋は豪華だ…。

時間ばかりが過ぎていく…。


「ポロニス殿下、お入りください。」

侍従が扉開けた。


そこに満ちる…美しい銀の光…。

麗しい美女がたっていた。


白い肌に白い長い髪美しい白銀の瞳はキラキラしている。

濡れたトマトみたいな唇…スレンダーなのに胸がある魅力的な肢体…白い羽根と闇の魔神族特有の長い尾羽まで白い…。


「お召しにより参上いたしました。」

国王陛下スケベジジイを見ながらの後ろの美女に意識が向いた。


…俺の相手は国王陛下スケベジジイだ…わすれるな…。


「ポロニス王子、我が娘を紹介する。」

国王陛下スケベジジイがサングラスをかけたまま笑った。

おかしい…なぜ…重臣含めて侍従までサングラス装備なんです?

なにかあるのでしょうか?

「ありがとうございます、そちらの輝かしいお方がアフィールーノコ王女殿下でございますか?」

…今…娘といいましたね…アフィールーノコ王女…かのひとが檻の姫君なのか?


つつましやかに目を伏せてかの姫君は俺を見た。


「我が娘、アフィールーノコは見ての通りみにくいが…婿になってくれれば約束は果たそう。」

俺は耳を疑いました…棚からぼたもち…こんな幸運現実なのか?

「はい、お受けいたします。」

満面の笑みを浮かべながらこれは現実かと舞い上がった。


姫君が茫然としている…当り前だろうどこの誰とも知らない男の嫁…しかも闇の魔神族でなく黒柴犬獣人コボルトに娶れですからね。


「アフィールーノコ、このお方はコボルト族のポロニス王子殿下だ、可愛がってもらいいなさい。」

国王陛下スケベジジイが姫君を見ないようにして妙に優しく微笑んだ。


おかしいです…疎んじているのではなにのですか?


重臣たちも温かいといえるまなざしで目をそらしながら笑っていますね…いったいどういう意味なのか考えねばなりませんね。


豪華な檻への道筋考えた…そう…たしかにこれは檻です…姫君が真の力を発揮できないように結界がほどこされているのだから…それはいいですけど…俺は…勘違いしているのでしょうか?


「アフィールーノコ殿下は…疎まれているのではないのですか?」

冷静を装って聞いてみた。

「なんで…ですか?」

アルフィールーノコ王女が振り向いて小首を傾げた。

かわいすぎでしょう…。

「アフィールーノコ殿下のことをみにくいとけなされていらっしゃいましたので。」

そうだ…あれは…醜いといわれていました?

それにしてもなんてかわいらしいんだ…。


「………あれはけなして…。」

姫君が可憐な瞳をゆらしていった。

ああ、口づけたい…。


「アフィールーノコ殿下はこんなに美しく光輝いているのに。」

我慢できずに姫君を壁に追い詰めた。

姫君が俺の腕の間でおびえている…あおられます…。

「か、かがやいてる?…」

おびえる姫君に遠に忘れられたはずの狩猟の本能が呼びさまされる。

「ええ、光の魔神族の血筋をお持ちだけあって何て麗しい。」

甘やかなその香りだけで酔いそうです。

「……だから、闇の魔神族のお父様とみんなには見にくいのです…。」

姫君がたどたどしく答えた…また『みにくい』です…ここになにか…。

「……どういう意味ですか?アフィールーノコ殿下?」

この謎さえとければ二人の距離も…なんて…なんていいにおい何でしょう…。

「私…私ここでは光属性が強すぎて闇の魔神族のお父様やみんなは眩しくて見えにくいのです!」

姫君が叫んで力を使い果たしたのかよろめいたチャンスとばかりだきとめました…軽いです。


姫君の話によると…光の魔神族の力と闇の魔神族の体をもつ姫君は闇の魔神族にとってはまぶしくてしかたなくて『見にくい』のだそうです。


光の魔神族のところにも中途半端な私はいけない…とはかなく微笑んだ姫君に…俺は光の魔神族がじつは姫君を狙っているという情報を黙っていることにしました。


本人は気が付いてないですが…たぶん貴重な能力な持ち主だからこそ姫君は光の魔神族にねらわれ…闇の魔神族には囲われて檻に閉じ込められているのでしょう…。


わざわざおしえてやる必要はありません…こんどは俺の腕の中に囲われるのですから…。


「俺は誤解してたみたいですね。」

俺は優しく微笑んで姫君を抱き上げた。

軽い…居眠りしたコロンは重いのに姫君はかるすぎる…。

「あの…うごけま…。」

姫君が恥ずかしそうに身じろぎしたので微笑んだ。

この麗しい宝物を一生離すつもりはないです。

「俺はあなたが悲劇の疎まれた姫君だと思っていました。」

進めば進むほど結界が強化される離れの廊下を進んだ。

「疎まれてません。」

姫君が少し強い口調で抗議した。


そのようですね…。


細かな刺繍が施された天蓋がついた豪華な檻の居間の座り心地のよさそうな寝椅子に腰を下ろした。

姫君はそのまま膝の上にのせる。

柔らかさと甘い香りによいしれる。

壁には織るのに何年もかかるという織蜘蛛のタペストリー…闇の魔神族王族の姿が宝石とともに織りこまれ姫君の光に照らされてきらきらした。


「こんな豪華な檻はみたことがありません…あのタペストリーでうちの王宮一年の予算くらいです。」

あそこの白い尾羽の魔神族が姫君のようですね…あれ一枚でどのくらいの価値があるのでしょうか?

「お金なんてわかりません。」

姫君がはにかんだ…なんて可愛いですか…。

「あなたは箱入り…いえ檻入り娘だからお金のない苦しみがわからないのですよ。」

でもやはり檻入り姫にはわからないのですね。


「国王陛下スケベジジイに妹を買われそうになったときは殺意を覚えました。」

俺はおもわず呟いた。


姫君がふるえたの感じた。


「俺が代わると言ったとき二つ返事だったのでどんな変態かと思いましたけど…愛娘の婿とはね…たしかにコボルトの俺なら光属性も大丈夫ですしね。」

そう…ここでしっかりいっておかないといけない。

「結婚…嫌なら断ってください…。」

綺麗な白銀の瞳に見つめられてクラクラしました。

「俺では嫌ですか?」

困ったな、もう帰るところがないんですと呟いてみるとますます瞳が揺らめいた。

「いや…じゃないです。」

姫君が顔を赤らめた。

なんて可愛いんですか…もう限界です。

「では、俺で良いですよね?」

俺は我慢できず首筋をあまがみした。


姫君…アフィールーノコは俺のものと印をつけた。


「嫌だといっても離しませんけどね。」

ついでに唇をうばっておく…なんて甘美な瞬間だろう…。


向かいの後宮にアフィールーノコが意識を向けている…余裕ですね…。


「俺だけをみてください。」

顔を上に向けさせてアフィールーノコにキスをした。

「私はみにくくないですか?」

不安そうにアフィールーノコが見上げる。

「あなたはみにくくない綺麗です…。」

そしてこんなにも俺を煽る…。


まだ、婚約者だから…。

ある程度の節度をもたないとですけど…。


ちゃんと待つことができるでしょうか?


甘い香りがするアフィールーノコの耳たぶをアマガミしながら思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ