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貴方と君のInterlude
真夜中の墓地に1人訪れた人物は、気が付けば其処に立っていた。約束を果たしに来たような心持ちでいたが、何故なのかは本人ですらわからないらしい。
薄っすらと霧がかった墓地を月明かりを頼りに目的を忘れ、宛らゾンビの様に彷徨っていると、やがて白いワンピース姿の女性が現れた。
思考も霧で覆われているのかと思ってしまう程、ぼぉっと眼前の非現実を眺めていた筈が、操られたかのように謎の女性と踊っている。
「貴方がいなくて、ミスだったわ」
淡々とした声色でそう告げられ、首を傾げる暇もなく──いつの間にか、枯れた井戸に落ちていく。落とされたのか、落ちたのかすら定かではなく。ただただ、現実味のない光景に翻弄されていた。
緩やかに、けれど確かに落ちていく。スローモーションの如く見える月を横切る雲やらを眺めていると、尾の辺りが真っ赤な炎に燃える蠍が落ちてきた。
おそらく普段なら、毒やハサミを恐れ悲鳴を上げただろう。しかし落ちゆく人物は、その蠍を炎ごと抱き締めた。
この蠍が此方に危害を加えない保証はないが、どこかで確信していた。この蠍から、手を離してはならないと。




