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忘れる恐怖

調停委員は、僕の話を静かに、遮ることなく聞いてくれた。僕は、僕が恐れている不安について、その初めて会う2人の人に話した。初めて会う人に僕の気持ちを話すなんて、人生で初めてかもしれない。僕は、たくさんのことを忘れてきた。本当は、忘れていないのかもしれない。ただ単に、記憶がうまく引き出せないだけかもしれない。それでも、現実として今すぐに思い出して話せないという事実に変わりはない。僕は、説明した。

「僕には、過去の記憶がほとんどありません。子どもたちに会わなければ、僕はきっと子どもたちのことを忘れてしまうと思います。僕は、子どもたちのことを愛しています。だから、子どもたちに会わせてください」

言ったあとに、この2人に会わせてと言うのは間違いだったのではないかと思った。1人は僕の言ったことを紙に書き、もう1人はわかりました、お相手にお伝えしてみますと言った。

「よろしくお願いします」

僕は俯いて1点を見つめたまま呟いた。


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