奏の夜
何とか今日中に投稿出来ました。
「やあ、奏さん、こんばんわ、良い夜だな」
驚く美冬たちにに対して奏は驚くことは無かった。
「ちょっと、もう来ちゃってよかったの?」
美冬は奏たちが聞こえない程度の声の大きさでタカトに尋ねる。
「ううん? あー、うん、……大丈夫だぜ……多分」
「ちょっとー! 駄目だよ、きちんと話をつけてきたんだよね?」
美冬はタカトに駆け寄ると胸ぐらを掴み、揺らしながら質問している。
「何こそこそ話しているんですか! やっぱり何か有ったんですね。
私は思ってたんです、今回の風間とヒナタの欠席は二人の計画の内なんじゃないかと。
私はそれでもかまわなかったんです。
でも基本的にまともなヒナタが先輩が気絶したのに出てこないなんて不思議だし、もしかしたらヒナタも変な悪のりしちゃってこのままだと危ないパターンになるかもしれないって思ったんです。
だから、私はここでタカトを呼んだの」
「……美冬ちゃんもう話すよ。ヒナタ君は今日は本当にいないよ」
タカトは美冬の返事を聞くこと無く話を始めた。
「じゃあ、ヒナタ君はやっぱり病気何ですか? タカト君」
「うーん、そうですね、…………ヒナタ君は何か見ちゃいけないものを見てしまって錯乱して、今は病院だす」
タカトは使い慣れていない敬語を使い、噛みながらも秘密が知られないように今思い付いたことで適当に質問に答える。
「えっ、それって大変じゃない! まさか本当に大事だったとは。 ここで肝試ししているどころじゃないわ、あんたなんで友達が大変なのに何やってんの!」
「うえぇ、そ、その、奏さん、おらは……」
好きな人の厳しい言葉に固まるタカト、それと同じく混乱して使い物にならなくっている美冬。
「落ち着きましょう、奏ちゃん、大丈夫だから」
小春は何とか奏を落ち着かせようと手を繋いでいる。すると近くの茂みから人が現れた。
「どうも、こんばんわ」
「あんたはネコじゃん、あんたも居たのね」
現れたのは葵だった。
「うん、他にも犬山がそこらの茂みにいるはずだよ。ちなみに小春さんを気絶させたのはそっちだから」
「こ、こんばんわ」
ケンイチが葵の反対の茂みから現れた。
「お前かぁ! お前は風間のストッパーだと思ってたけど違ったようね 何よそのふざけた格好は!」
奏は素早くケンイチの元に走って寄る。
「ごめんなさい、そんなつもりじゃなかったんです」
「違う違う、犬山だって悪気が有ったわけじゃないよ」
一応フォローをする葵。
「……そうなの?」
「は、はい、 そうでぇす」
ケンイチは奏に怯えながら答える。ケンイチはタカトの想い人であり、タカトを手荒く扱える奏には頭が上がらないのである。
「ふーん、でも、何か隠しているよね? 先輩もそう思いますよね」
「……よくよく考えると不審な所が有りますね」
「「ギクッ!」」
下を向くタカトと美冬。
「いやいやいや、そ、それはね……」
「それは気のせいですよ、タカトたちはヒナタが来れなくなって盛り上がらなくなるんじゃないかと思って、こうやって色々していたんだよ」
「……そうなの?」
「そうそうそう、そうだよ」
「そうだよ! なぁ、ケンイチ?」
「は、はい、そうです」
美冬たちは朱べこのように首を何度も縦に振り、葵の話に乗っかる。
「そう、それでケンイチはヒナタ君がいない分、盛り上げようと頑張ったんだ、そして、タカトは楽しみにしていたヒナタ君をおいて自分だけ参加することは出来ないって言ったんだ、ね、そうだよね?」
「へっ? う、うん! そうだぜ、俺はヒナタ君だけ参加出来ないのは可哀想だからな。友達としてそんなことは出来ないぜ」
「まあ、そうだったんですね、二人ともとっても優しいのね。
そうだ、だったらヒナタが元気になったらもう一度皆で肝試ししませんか?」
タカトたちは、名案を聞いたかのように手を叩いたり、奏は目を丸くして驚いた様子だ。ただ先ほどまでの緊張感のある雰囲気は無くなっていた。
「良いねそれ、奏ちゃんはどうする?」
「うーん、そう言うことなら……、私も参加します。
風間くん疑ってごめんね、君はいたずら好きでも友達想いの優しい人だもんね」
「へへっ、そうだぜ俺はすげぇ優しい人だもんね。さあ、これから皆で肝試しの続きだぁー」
そうして今度は六人で仲良く墓地に向かっていった。
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そして、数日後海沿いの病院の一室。個室でベットの上に一人、周りには三人がいた。
「……ってことがあったんだよ、最後にはタカトはちょっとは奏ちゃんと仲良くなれて良かったよ」
「ああ、今回のことで少しは信頼感ってものが出来たような気がするぜ」
「……」
「そうだ、小春さんとっても心配してたよ」
葵は無言なヒナタに優しく話かける。
「……おう、そりゃひなたくんは錯乱してたみたいだからな。……まだお見舞いには来てくれてない」
「あー、そりゃあ、あれだよ、斑鳩の家が必死に後処理と手回しをして、今ヒナタ君は面会謝絶の状態らしいぜ」
「…………そ、そうですか」
「いやね、仕方無かったんだよ、彼女たちが問題を起こした事が知られれば勢力争いが起こるかもしれないし、忍の沈黙の掟で不特定多数の人に知られる訳にはいかないんだ」
「あっ、はい、分かりました」
ヒナタは文句を言う元気を無くすほどに落胆している様子だった。
その後ヒナタは三人が帰っても元気になることも無く重い空気を出しながらテレビを見ているだけだった。
そして、その日はヒナタが暗い雰囲気のまま終わった。




