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神様が俺の恋路に茶々入れてくる   作者: ラマ
 忍者入門編 己の進む道を探す
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15話 到着

15話


 


 俺たちが無事到着し、アイマスクを外すと、動かない葵がいた。

 葵は俺に勧誘の矛先を向けさせ自分は気持ち良さげに眠っていたんだ。

 俺が長い間セミナーの説明を聞かされていたのに葵がのんびり寝ている事がむかつき、葵の鼻を摘まんで起こす。


「フガッ、なんだ、暗っ。ヒナタ? もうついたのか早かったな」

 

 葵は飛び起きてアイマスクを外して頬をほのかに赤くして恥ずかしがりながら俺の態度に気づくと俺を見ないようにしながら外に出た。


 俺は葵の恥ずかしがっている顔が見えたので特に何か言うことは無く外に出た。

 外に出ると大きな武家屋敷があった。

 武家屋敷の大きさは俺の小学校のグラウンドより広そうでまるで旅館のようだ。ここが家じゃなかったのか。

 それに周りは木々に囲まれていて、こんなに広い場所なんて絶対この町じゃないな。


 忍者の隠れ家と言われたら納得出来る古めかしく怪しい雰囲気だった。悔しいがとてもワクワクしているし、今まで来たことないような田舎集落みたいだったので感動していた。

 俺が屋敷や周りの景色に感動していると見覚えのある黒い和服の大男と真っ赤な着物を着ている子供が武家屋敷から出てきた。


「よく来たな、日向君、葵君。これからの宴楽しんでくれ。 

 増雄はご苦労だったな。

 それと二人には申し訳ないが義娘や美冬に止められてなワシが計画していたドッキリビデオレターの様な楽しいイベントが無くなってしまった」


 表情は以前会ったときと同じ厳しい顔だった。この人は厳つい顔をしているがサプライズ好きなんだよな。

 いや、前に会ったときより少し悲しげな顔の様な気がする。


 ショック受けているんだな、この人怖いのは顔だけで中身はただの愉快なおじいさんじゃないか?

 でも、鷹継さんには悪いが俺たちは嬉しい、俺と葵は互いに頷きあって喜んでいた。


「よお、二人は昨日から知ってたんな。俺はついさっき知ったんだぜー」


 サプライズだから秘密を聞かせない為に昨日気絶させられていた可哀想な孫は楽しそうに笑いながら歩いてきた。


「鷹継さん、俺たちは宴に招待してもらえただけでも満足です。

 なあ葵もそうだろ? それとタカト、俺たちは目隠しして来たんだぜこんなこと初めてだったから緊張したぜ」


「はい、僕らは十分道中でワクワクしました」


「そうか、それは良かった」


 鷹継さんの目に光が戻るのが分かった、表情も少し柔らかくなった…と思う。


「あー、ヒナタ君も葵君もじいちゃん誉めたらまた同じことするよ、つまんないドッキリなんだからやめれば良いのにイタッ、痛いってじいちゃんほんとの事じゃん」 

 

 俺たちと喜んでいた鷹継さんに対して聞きたくない事を言ってきたタカト、誉めたらまたされるのか。勘弁してくれよ。


 俺は鷹継さん拳骨が見えなかったし、俺が昔殴ろうとして掠りもしなかったタカトに当てるなんて。

 俺は改めて忍者の凄さを実感した、ただのドッキリじいさんじゃなかったのか。


「鷹継様、そろそろ二人を会場に」


 箱尾さんは話の流れが不味いと思ったのか、そう言って喧嘩をやめさせた。


「そうだな、パーティーには俺の小一からの子分も来ているんだ、紹介したいんで早く行こうぜ」


「……うむ、パーティーには風間道場に通っている子どもも来ているので仲良くな」


 直ぐにパーティーに意識が戻ったタカトは屋敷の入口に走って行って俺たちが来るのを待っている。

 鷹継さんはそんなタカトに文句を言うのを諦めたようだった。



 俺と葵は箱尾さんと鷹継さんとはここで別れタカトと共に宴の会場に向かっていた。

 廊下も昔ながら木造で廊下から見る庭は綺麗に手入れをされている。

 こいつは金持ちなのか? 

 


「二人とも、今日はわざわざ遠い所まで来てくれてありがとな。

まさか、ここで二人ともパーティー来るとは思ってもいなかったぜ」


 タカトはご機嫌だった。これは鷹継さんのサプライズ成功ということなのだろう。たまに成功する事もあるんだなそう思ってしまった。


「ここどこなの? 

 僕らは一時間ぐらい車に乗っていたと思うんだけど」


「金剛山だよ、じいちゃんこの辺りの土地ほとんど持っているしいつも何かイベント計画するときは大体金剛山近辺で工事をしてるぜ。

 この家も俺が前来たときより三倍くらい大きくなってる。

 じいちゃんいっつもじぃじの会社に働いている門弟を忍法ワンデイビルドって言ってパシってるぞ」


 ワンデイビルド?どこかで聞いた気が、まあいいや。


「お前着物って正装じゃないか、俺全然友達の家に遊びに行くこと延長線上に宴というか家族と友達で祝うパーティーがあると思ってたんだけど。 なあ、宴って一体どんな感じなんだ?」


 俺はこいつがこんなに金持ちだとは知らなかった、こいつは全然お坊っちゃん感が無さすぎだろ。

 こいつ俺たちが食わなかった葵の家の食べ飽きたピーナッツいつも完食してたぞ、金持ちの食い物じゃないだろピーナッツは。


「僕は箱尾さんから忍者の事を聞いたときも驚いたよ。

 でもそれ以上に忍者がこんなに儲かっていることに驚いているよ」


「いや、別に普通のパーティーだぜ、ヒナタ君の言った通りの感じで。

 後、金持ってるのはじいちゃんだ。

 今の忍者の繁栄はじいちゃんを含め‘’五人衆‘’が経営の抜本的改革?をしたからでだから今忍者で金持ちはその五人だ

 おっ着いたぞ、ここだよ、じいちゃんこの仕掛けが大好きなんだよな」


 タカトが廊下からふすまを開き誰もいない掛け軸をめくる。

 掛け軸をめくると小さな扉があり、薄暗い扉の中を進んで行くとついに宴の舞台に到着した。


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