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神様が俺の恋路に茶々入れてくる   作者: ラマ
 忍者入門編 己の進む道を探す
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11話 再会

11話


 俺は帰り道葵とタカトの家族と明日の事について話していた。


「凄かったな、じいちゃん(鷹継さん)じぃじ(虹郎さん)の威圧感」


 今思い出すと話した内容は孫が世話になってるお礼とパーティーの誘いだったけど、全身真っ黒でデカイ老人とあり得ないほどカラフルなデカイ老人が一緒に話しかけて来たらやっぱりじぃじがどんなにフォローしても緊張してしまう。


「でも、楽しみにしておれって言ってたし、虹郎さんの話しで二人とも好い人そうなのは分かったよね」


「そうだな、だったらただ明日の宴は楽しみにしていて良いんだよな」


「僕は、悩んでも仕方ないし楽しみにしておくことにしたよ」


 俺も葵と話している内に忍者の宴という不安はなくなり、ただの友達の家族のパーティーとして楽しみになってきた。一体忍者とカラフルじぃじは一体どんなパーティーをするのか。


「俺もなんだか楽しみになってきた。ありがとな葵」


「ううん、僕も不安はあったからお互い様だよ、それじゃまた明日。それと中学でもよろしくね」


「ああ、また明日、俺の方こそよろしく」


 俺は葵の最後の言葉でもうすぐ中学生になる不安と期待でドキドキしながら帰った。


 

 まだ誰も帰っていない家に帰り自室に入った俺を出迎えたのは中学のメイド服を着た美冬だった。その横には見覚えのない段ボールがある。


 「…お久し振りです」

 

「やあ、卒業おめでとう。どうな気分? これから可愛い僕と同じ中学に通えるんだよ、ごめんね間違えた可愛い小春ちゃんだったね。でも、誰だって間違える事はあるから仕方ないよね。例え情報収集が得意な忍者でもね」


「怒ってるんですか?あの時間違い扱いしたのが」


 美冬がなんで家に入れているのかはとりあえず忍者だからで納得しよう、それよりも忍者を怒らせたかどうかの方が身の危険があって重要だ。


「あ、うん、全然気にしてないよ。あの時も今も君がどんな子か知るためにからかっただけだから。そもそも僕は君の事が嫌いじゃないよ」


「そうなんですか、それじゃあどうしてここにいるんですか、この際どうやって入ったかは訊かないので教えてください」


「おじいちゃんにこれを届けろって昨日言われて、それじゃあ開ようか。それと敬語じゃなくていいよ」


 美冬は横の段ボール指差してそう言うと段ボールを持ち上げると窓から飛び降りた。


「水を持って早く来てー」 


 俺は急いで窓から下を見ると美冬は手を振って笑いながら呼んでいる。


俺はため息をついてからリビングでコップに水を入れて庭に向かった。


「なあ、水なんか持って来てどうするだ?」


「ちょっぴり少ない気がするけど、まあいいかそれじゃあ開けて使ってみて」


 俺が水の入ったコップを見せるのと美冬さんは段ボールを渡してきたので、俺は段ボールを地面に起き段ボールを開くとDVDプレイヤーが入っていた。

 俺がそれを段ボールを台代わりに下に置き電源をいれた。


『君がこの映像を見ていると言うことは君はわしから既に宴の事を聞いているだろう、明日は昼前に君たちを迎えに行くからまっておれ。それと気づいていないだろうが今までウチで話題の君の事を孫の美冬が勝手に調べている、その事はきつく叱ったのでもうすることはないだろうが大変申し訳なかった』


 映像は以上だった、やっぱりちゃんとした人で、美冬がやっていたことを止めて言わなければ分からないのにきちんと謝るなんて誠実なひとだな。

 あれ、臭いなんの匂いだ?


「早く、プレイヤーに水をかけて火事になるよ!」


「うわっ、何で急に壊れるんだ!」


 俺は焦りながらも煙を出しているプレイヤーに水をかけて、事情を知るために美冬を見た。


「おじいちゃんはサプライズとスパイ映画が大好きだから、人に手紙を出すときはよく読み終える頃に燃える手紙を出したり、聞き終わると爆発するカセットテープとかもってるよ。今回は孫の友達で今時の子どもだから手紙よりdvdの方が喜ぶと思っているんだよ」


「明日の宴は大丈夫なのか? 今日俺はタカトに秘密にする為に鷹継さんが気絶させているところ見たぞ。俺なんだか行きたくないんだけど」


 正直行きたくない、俺の為にわざわざカセットテープからdvdに変えてくれたり、気遣いは嬉しいし、優しさは感じる。

 だけど忍者でスパイ映画に憧れている人のサプライズパーティーには行きたくない。


「大丈夫パーティーにはおじいちゃんと付き合いの長い虹郎じいさまが来るから何とかなるよ! そうだ、君の恋の手伝いをしようそれでどうだい? 僕が編み出した秘伝の恋のわざや小春ちゃんの近くにいる僕の協力は嬉しいんじゃないのか?」


「…それって本当に頼りになるの?」


 俺は美冬さんの顔をじっと見つめる


「もちろんさ、僕はこの町に小学五年生の時転校して、元々自分用の技だけどこれで多くのカップルを生み出してきた。大体四年から中一までで先輩から後輩まで五十組くらいかな生み出したカップルは」


 そう言うと俺の顔を見て微笑んでいる、その微笑みはさっきまでの胡散臭い微笑みじゃあない、輝いている、きっとこの笑みで多くの人を導いて来たんだ。


「実は僕が君に興味を持ったのは僕と同じ片思い中だったからさ、だから力に生りたいそう思ったんだ。けど空回りしちゃって、ついついからかってごめんね早く力になりたかっただけなんだよ」 

 

 そうか、美冬さんも恋の狩人だったのか、それで俺に対して手伝いをしたいそう思ってくれたのか、椿さんの時と同じだな。先輩狩人が優しく力を貸してくれる。


「よろしくお願いします先輩! 俺を導いてください!」


「ああ、任せろ! その代わりパーティーには来てくれるかい?」


「もちろんです! 小春さんのためなら何でもします」


「…何でもねぇいいこと聞いたな、そっか!それじゃ早速学校での小春ちゃんを教えてあげよう」


 先輩は何か呟いた後、小春さんの学校生活の事を教えてくれると言い、俺が普段知らない中学でのことや、今後活かせるポイントを教えてくれた。


「先輩、今日はありがとうございました」


「うん、じゃあまた明日は別に宴といっても卒業式みたいな正装じゃなくて、ラフな格好でいいから。じゃあまた明日、誰かが迎えに来るから待っててね。」


 そう言うと塀を伝って屋根へと飛び、屋根から屋根へと飛んで帰っていった。

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