10話 卒業
10話
「三年生!」
「「「運動会の大縄跳び!」」」
「初めは上手く出来なくて」
「クラスの皆でぶつかり合うこともあった」
「でも達成した時の…」
俺たちは六年生になった、三年から始めた掃除活動は変わろうとする俺を応援する赤城先生とカナちゃん、目立ちたがりのタカトによって面識のない先生や俺が話した事のない他の学年、クラスにまで広まっていった。
その成果は一年から四年、六年を担任した赤城先生の方に現れ、先生の授業を見学する人が来たり、その話を聞き付けた最近一緒に毎朝の掃除をしているおじいさんが先生に本の出版を勧め、初めは嫌がっていたが、次の日には快諾し張り切って本を出版。
その後まさかの全国的に発売されベストセラーになっていき、そして本で得た収入をボランティアグループに寄付し、ボランティアが話題となりこの町ではボランティアが盛んになっていった。
風が吹くと桶屋が儲かる、俺が変わるとボランティアが盛んに。まさかこんな結果になるとは思ってもみなかった。
俺は俺のしたことが切っ掛けでお世話になった先生が有名人になったり、多くの人に尊敬される様になったのはとても嬉しかった。
また俺の話は当然小春さんの耳に入ることとなり、とても誉めてくれた。 俺がテストで百点取るとまた誉めてくれてるから三年からは漢字テストを含め多くが百点になった。
「四年生!!」 「「「みんなで植えたハナミズキ」」」
『えっヒナタ君、さっき一緒にいたの人が千条小春さんですか? でも思ったほどじゃなかったな』
『い、いや、違います。確かに千条先輩が通ると十人中六人が振り返る感じだけど、残りの四人中四人も振り返らないけど可愛いとは思う感じ。だから悪く言ったわけじゃないよ』
『おい、それは、誉めてんのか!』
懐かしいな殴ろうとするのに全然当たらないので喧嘩にならず、葵がタカトがライバルにならなくて良かったねと言われ落ち着くまで、タカトは俊敏な動きで避けながら頑張って言い訳していた。
「五年生!」 「「「金剛山での野外活動」」」
『ヒナタ君、なんで先輩に告白しないんだ?』
『本物の男は簡単に告白しないんだぜ、父さんが言ってた。男なら惚れた女を惚れさせてみろって』
『かっけー、ヒナタ君のお父さんもかっけーよ』
『でも、ヒナタ他の男子が告白してもいいの?、小春さんは地味にモテるってサッカークラブの先輩から聞いたよ』
『ああ、俺と同じように見る目があっても、惚れさせるまで待ち続ける強い心を持ってないやつが簡単に告白成功するわけないだろ。ほら椿さんも告白されて今も関係が続いているんだぞ。でもまあ、本当に一応念のためにそのクラブの先輩の名前は教えておいてくれ』
『俺が闇討ちしてこようか』
『おいおい、惚れさせるとか言ってたやつがすることじゃないぞ』
『…冗談だ』
『…冗談に決まってるじゃないか、葵くん』
「六年生!」 「「「皆で行った 北海道」」」
『ヒナタ君私ね中学でとってもすごい人と友達になったよ』
『それって男?』
『ううん、違うよ目立つ真っ赤なのコートが似合う綺麗な女の子。すごい運動できて、色んな部活から勧誘されているんだよ。後歩いて壁を登ることができるって言ってた』
『カッコいいですね』
『いやー、そんなに誉められると照れちゃうな。』
『わっ、美冬ちゃん、急に出てきて驚かさないでよ』
『ごめんね、親戚の家に向かう途中に友達とタカトを真面目にした子がいたからついつい後を付けちゃった』
『なんで俺の事を知っているんですか』
『それはね従兄弟を更正させてくれたすごい子どもがいるってウチでは時々話題に上がってたんだ、だからついつい調べてしまっていたのだよ』
『大丈夫、僕が知っているのは君とタカトの好きな人ぐらいさ』
『えっ好きな人いるの?』
『いやいや、いませんって人は誰だって間違う事があるんです、彼女も間違えているんです』
『まあ、そうかも知れないな、ただ僕は小春ちゃんと仲良くしているからまた会うかもね、これからよろしくね気軽に美冬ちゃんと呼んでいいよ』
『こ、こちらこそよろしくお願いします、美冬先輩』
『遠慮すんなよー、これから長い付き合いになるかも知れないだろ~…小春ちゃんには好きな人が小春ちゃんだってばらさないから安心して』
『よ、よろしくね、美冬…ちゃん』
「僕たちは今日この学校を」 「「「卒業します」」」
しまったつい暇だから今までの事を思い出して怖い人まで思い出してしまった。
これから歌を歌い終わったら卒業証書授与があって退場だ。
最後まで気を抜かないようにしないとな。
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「これより六年生の退場です、拍手で見送ってあげてください」
無事に卒業式を終えた俺は泣いている母さんと父さんをみつけた。一緒にいると泣きそうなので、友達と帰ると告げて別れた。
なかなか家にいない父さんが休みを取って卒業式に来てくれているだけで俺は既に泣きそうだった。
誰か一緒に帰れそうな奴を探していると葵が一人でこちらに来ているのに気付いた。
「ヒナタも親と一緒に帰らないの?」
「ああ、一緒にいたら俺まで泣きそうだったからな、タカトを見たか? 卒業式が終わって外に出てから見てないんだけど」
俺がそう言うと葵は人だかりの方を指差した。
あそこにはデカイ黒い服の老人とカラフルな服の老人が言い争っていた。そしてその二人を体格の良い大人が囲んでいた。 周りの生徒、保護者は明らかに避けている。
「あいつの家族関わりたくないな、よし家族団欒の邪魔するのは悪いし二人で帰るか。あ、あれあの人だかりこっちに来てないか。お前が指差したのに気付いたんじゃないのか
」
「違うって、不用意にヒナタがタカトの名前出したから気付いたんだよ」
珍しく焦っている葵と互いに責任を擦り付けあっていると瞬く間に目の前に気絶しているタカトを担いでいる真っ黒な服のじいさんとサングラスによく見ると七色以上の服のじいさんが人だかりの先頭に立ち、俺たちの目の前にいた。 どちらとも180cm以上で威圧感がかなりあった。
「主らが鷹人の友人の日向君と葵君か」
「は、はい。そうです僕が古河日向です。あのあなたはどなたですか」
「おいおい、鷹継、二人が怯えているだろ。まずは自己紹介だよ。俺は光虹郎、黒いのは風間鷹継で俺たちはタカトのじぃじなんだよ。タカトからいつも世話になってるって事は聞いてたからお礼を良いに来たんだよ」
タカトのじぃじのお陰で俺と葵は落ち着きを取り戻した。
じぃじは大丈夫だろうけどタカトがよくお仕置きをおびえていたじいちゃんの方がどう対応するかな。
「いえ、僕もヒナタもいつもタカト君にお世話になってます」
「謙遜するな、ワシらが何度言っても止めなかったいたずらをやめさせ毎朝掃除までするようになり、担任の先生からも元気以外を誉めて貰うようになったと義娘が言ってたぞ。それで明日の晩タカトの卒業の宴をするのだがもし時間があるのであれば是非我らの宴に参加していただきたい」
「は、はい! 行きます」
「僕も行きます」
「まあ、簡単にいえば卒業のパーティーをするからタカトの友達も来てねってことだよ、はぁ、サプライズだと鷹継が明日までタカトに言うなと言ってて。ばれないようにタカトを気絶させて、タカトの友達にもワシが言うって聞かなくてな、それで二人にはこんなに緊張させてしまった、ごめんな。鷹継は悪い奴じゃないんだ、ただ顔が怖いだけなんだ。」
「おい、余計な事を言うな、それでは二人とも明日は楽しみにしておれ。さらばじゃ、皆のもの帰るぞ」
少し顔を赤くしたじいちゃんはじぃじも担いで大きな砂煙を起こしながら帰っていった。
こうして俺たちの小学校最後の日が終わった。




