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原状回復

~~~~~~~~~







 時間にして10分ほどたっただろうか。


 女戦士は、戦場のど真ん中に立ち、あたりを見渡した。


 岩の森とも言われるこの岩礁地帯には、10メートルを超える岩石がいくつも無造作に転がっていた。


 しかし今、この岩礁地帯の一角に、岩と呼べるものはなく、砂と巨大なクレーターが点在する殺風景な景色が広がっている。


 あたりには血の匂いはすれど血や、魔物の死体もない。


 すべて原型も残らぬほどに破壊され、蒸発したのだ。


 そんな異様な破壊の跡地、その場に立つ一人の男。


 白髪を風になびかせ、どこか虚ろな目で地平線を見つめる男。


女戦士「……」


 女戦士は確信する。 この男が


 世界を旅している勇者なのであると。





~~~~~~~~~







 勇者不在の半年の間に、魔物の進撃は行われ、現状世界の7割は魔族の手に落ちた状況であった。




 しかし、解放された勇者の働きにより、魔物の勢力図は瞬く間に後退する。


 勇者は転移魔法により世界中を移動し、極限レベルの剣術と魔術で魔物に応戦した。


 魔界から無尽蔵に送られ、数を増やす魔物であるが、その数が千であろうが万であろうが、所詮下級魔族である魔物など、勇者の敵ではなく、それこそ蟻を潰すように瞬く間に駆逐されていった。


 各拠点に建造された魔族の塔も、勇者の雷撃魔法の一閃で吹き飛び、十万の数で進軍していた魔王軍も、たった一人の勇者を前に、一時間と持たず全滅した。







 しかし勇者は、一度も魔王城へ近づこうとはしなかった。




~~~~~~~~~~~~~


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