あせり
「ライガの感染能力から割り出せるのではないかと、思っています、参謀長、ライガの感染率は、魔王城から近い町と、この国でどれほどの差がありましたか?」
「確認できる範囲ではおおよそ、1000分の1ほどであったと記憶している」と参謀長が言う
「だとすれば……国の全軍でなんとか対応できるレベルではないかと思われます」
「うむ……なるほどな、ならばさっそく準備に取り掛かるとしよう」
「…では、私はこれで」
「待て、勇者よ」
今までずっと黙って話に聞き入っていた王が突然口を開いた。
「はい」
「これから、どうするつもりなのだ?」
「え、どう……と言われましても、まず教会へ行き、仲間の安否を確認します、もしまだ戻ってこないようならば、今すぐにでも転移魔法で乗りこみ、仲間を助け、そして魔王を討つつもりです」
「…女神様の加護の効力は、すでに限界を迎えていると聞いているが」
「…はい、その通りです、一か月前、教会でお告げを聞き、もうこれ以上強くはなれないと告げられ、それは先ほどお告げを聞いた時も同じでした」
「さらに言えば、伝説の装備もすべて失ったのであろう?」
「はい、装備をすべて外された状態で転生したので、今、私のもとに伝説の装備はありません」
「…また捕まったらどうするつもりなのだ?」
「もちろん、策があります」
「う……うむ…」
「もう行っても?」
「…うむ……武運を祈っておる」王は言う。
「はっ、見事魔王を倒して見せます」
勇者は一礼すると会議室から出て行った。
「……」




