あとがき
人は誰でも、気付かない内に大人の側に押し出されて行きます。
仕事を覚えて、誰かを守る立場になって、さよならを選ばなければいけない場面が増えても、世界は何でも無い顔でBGMの様に流れて行きます。
この物語で描きたかったのは、『子ども側に立っている人が、凄く立派な何かになる話』──では無くて、既に大人側に立って居る誰かの背中を見て、自分もそちらへ一歩ずつ移って行く。
その途中の話でした。
大人になることは、弱さが消えることでも、立派さを証明することでも無くて。
大事なモノを抱えたまま、それでも前を向いて歩いて行こうとすることなのカモ知れません。
もしあなた自身が今、『自分は未だ子ども側に居るのカモ』と迷っているとしたら──
この二人の姿が、あなたの中の『大人』という言葉を、ほんの少しだけ優しく塗り替えるきっかけになってくれたら、作者としてこれ以上のことはありません。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
時間の都合上、エピローグの一つひとつを書くことは出来ませんでしたが、いつか『心を込めて、コスモスだけの花束を』として書ける日が来ることを願っています。
取り急ぎ、この物語を彩愛ちゃんへ。
愛崎朱憂




