17/17
君の髪
※音凪と透真 高校生
養護施設の共用部屋で、
勉強をしている音凪と透真。
ぴた……と、音凪の手が止まった。
(……暑い)
カタン。
「……音凪?」
「髪、しばってくるね」
立ち上がった音凪はそう言って、自身の部屋へと向かおうとした。しかし、
「音凪」
透真が呼び止めた。
音凪は首を傾げている。
「どうしたの?」
「あのさ——」
***
共用部屋にはさっきと変わって、
椅子に座る音凪と、その後ろに立つ透真の姿があった。
「痛くないか?」
「うん。大丈夫だよ」
透真は音凪の髪を優しく梳かしている。
音凪はされるがまま、じっと座っていた。
「透真、髪の毛結ぶの、興味あったんだね」
「……まあ」
透真の睫毛が、ふっと揺れた。
「そういえば、前も結んでくれたよね。
……あのときからなの?」
「かも」
「……? そうなんだ」
はっきりしない透真の答えに、音凪は首を傾げた。しかし、
(首元が涼しい……)
訪れた清涼感に、直ぐに意識は移っていった。
丁寧に、黙々と髪を結く透真。
さらりとした音凪の細い髪を見つめながら——
(「音凪の髪だから」って言ったら、
どんな反応するんだろうな)
透真の頬が、仄かな赤みを帯びた。




