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君の髪

※音凪と透真 高校生


養護施設の共用部屋で、

勉強をしている音凪と透真。


ぴた……と、音凪の手が止まった。


(……暑い)


カタン。


「……音凪?」


「髪、しばってくるね」


立ち上がった音凪はそう言って、自身の部屋へと向かおうとした。しかし、


「音凪」


透真が呼び止めた。


音凪は首を傾げている。


「どうしたの?」


「あのさ——」



***



共用部屋にはさっきと変わって、

椅子に座る音凪と、その後ろに立つ透真の姿があった。


「痛くないか?」


「うん。大丈夫だよ」


透真は音凪の髪を優しく梳かしている。

音凪はされるがまま、じっと座っていた。


「透真、髪の毛結ぶの、興味あったんだね」


「……まあ」


透真の睫毛が、ふっと揺れた。


「そういえば、前も結んでくれたよね。

 ……あのときからなの?」


「かも」


「……? そうなんだ」


はっきりしない透真の答えに、音凪は首を傾げた。しかし、


(首元が涼しい……)


訪れた清涼感に、直ぐに意識は移っていった。


丁寧に、黙々と髪を結く透真。

さらりとした音凪の細い髪を見つめながら——



(「音凪の髪だから」って言ったら、

 どんな反応するんだろうな)



透真の頬が、仄かな赤みを帯びた。

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