プロローグ
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「アメリー、約束よ。この能力のことは誰にも知られないようにすること。いいわね?」
黒い巻き毛に空色の瞳の幼い少女は、母親に向かって大きくうなずいた。
「はい、約束します」
抱えるには大きすぎる竪琴を習い始めて五年、八歳になったアメリーはその日、初めて死者の声を聞いた。
〔これでもう思い残すことはないわ〕
聞いたことのないやさしい女性の声だった。母親が言うには、アメリーの生まれるずっと前に亡くなった祖母の声だという。
竪琴の音色を媒介に、死者の魂と言葉を交わすことのできる特異な能力は、代々母から娘に受け継がれる。祖母の声が聞こえたことで、アメリーは次の『竪琴の継承者』と認められたのだ。そして、祖母はそれを見届けて、満足して天に昇っていった。
「あ、でもね、後継者を授けてくれる伴侶にだけは、秘密を明かしてもかまわないのよ」
母親が思い出したように付け加えた。
アメリーが「どうして?」と聞いても、「その答えは自分で見つけなさい」と、教えてもらえなかった。
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