↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
34/39

第7話 俺様の誘拐事件と帰る場所

俺様は細い裏道を歩いているのだが、困ったのだ。ここが何処だか解らない。

人の気配がしたら物影に隠れて、過ぎ去ったらまた歩きだして。


しばらく歩いてから考えたのだ。俺様は何処へ帰ればいいのだ? あの家にはもう帰れないのだから帰る場所がないのだ。ママも シローも パパにも、もう会えないのかな。


すっかり暗くなって、どこかでコタツをだして休もうかと思っていたら、賑やかな声が聞こえてきたのだ。木箱の影から覗いてみると、通りにテーブルを並べて大声で話している人たちが見えたのだ。

あれは”酒場”とか言う店だな。俺様は騒がしいのは苦手なんだけどな。今日はちょっと人の相手がしてみたい気分なのだ。


店の前のテーブルの近くまで行って、行儀よくお座りして「にゃぁ」と言ってみた。初対面の人にはこのポーズが一番ウケるからな。ヌコ嫌いの人じゃなかったらいいんだけど。


「お? ヌコがいるぞ」

「綺麗な白ヌコだな。こりゃ高く売れるぜ?」


この人たちはダメだな。逃げたほうが良さそうだ。立ち上がって店から離れようとしたら奥のテーブルから声がした。


「おーい、みーちゃんじゃねえか!」

「よう! みーちゃん、こんな所で珍しいな」


あっ、臭い人(ハンター)達だ!


俺様は思わず小走りで臭い人(ハンター)達の方へ走って行った。


「おうおうおう! そこの旦那よ! おまえ今なんて言った? みーちゃんに手を出すなら、町のハンター全員が相手になってやるぜ! 覚えておきな!」


うわー酔っ払ってる。でも、ちょっと嬉しいかも、なのだ。テーブルに飛び乗って臭い人(ハンター)達を見上げてみる。ちょっと臭いけど、仲間と思ってくれるんだな。


そうだ、お土産をあげよう。えーと、確か収納の中に・・・これだ!

テーブルの真ん中に、どどん〜とネズミが積み上がった。美味しくないから贈り物に最適なのだ。


「うっぉぉ、みーちゃん、それは・・・・ありがてーけどイラネーよ」


やっぱりそうか、俺様も要らないからな。じゃあ他の要らないものは・・・これがいいな。


「おおおお! ワインじゃねえか! このマークはドロセルのワインか!!!」

「んだと? すげー高級ワインだぜ」


臭い人(ハンター)達は大喜びしてるな。よかったよかった。白ひげの爺さんの部屋で獲ったヤツだから、美味しいんじゃないかな。俺様は酒は飲まないから要らないしな。


すごく騒がしいから臭い人(ハンター)達は苦手、だけど安心できるな。俺様は臭い人(ハンター)達の仲間になってしまったのか。ちょっと納得できないけどな。


お酒で盛り上がってる臭い人(ハンター)達を見ていると、ちょっと小腹が空いてきた。今なら見てないから、この隙にお皿から肉を頂くのだ。お肉を咥えて頭を上げると目が合った。やばい? あれ? 怒られなかったぞ。ママはいつも怒るのにな。「好きなだけ食え」って言ってるけど、ひと切れで俺様の頭くらいの大きさだからな。これで十分なのだ。


「オレ達は、そろそろ宿に帰るけどよ。みーちゃんはどうすんだ?」


そう聞かれても、ちょっと困るのだ。どうしようかな。


「ギルドに連れていけば良いんじゃねか? いつもギルマスの椅子で寝てるらしいぜ」

「あれ? あの部屋には結界の魔道具がなかったけか?」


そっか、ギルドか。俺様はギルドに帰ればいいのか。


「おやじ〜! 代金ここに置いていくぜ〜! ほら、みーちゃん行くぜ」


俺様はちょっと臭いをチェックして、一番臭くない人の肩に飛び乗った。

お酒の臭いもするからな。ちょっと複雑な臭いだけどガマンしてやろう。


肩につかまってしばらく進むと、見覚えのある建物が見えてきたのだ。ハンターギルドだ。初めて来た時もこうやって肩につかまっていたっけな。


商店街を抜けたらハンターギルドに到着なのだ。何だか、夜だと言うのに人が多いな。何かあったのか? 茶色の女の人(エヌエラ)も居るな。


「あれ? みなさんこんな時間にどうされたんですか? え? みーちゃん?!」


「オレ達、ハンスの酒場で飲んでたんだけどよ、みーちゃんが居たから連れてきたけど、何かあったのか?」


うわ、うわ、一番臭い人(ガイル)も居るし、こっち来んな、臭いからな。


「ガハハハ!! ほーら、やっぱり帰ってきたじゃねえか」

「ヌコ様、無事で何よりです」


商人さん(ギヨム)も居る。こんな時間に何をしているんだ?

肩から飛び降りて、さっと臭い人(ガイル)の足元を走り抜けて、受付の机の上に飛び乗る。


「それじゃ、オレ達は宿へ引き上げるぜ、じゃな」


酒場の臭い人(ハンター)達が帰っていったら、臭い人(ガイル)が目の前までやって来た。やっぱ臭いな。こいつが1番くさいのだ。

---- Copyright (C) 2019 by Wanco @nyanco_syosetu ----

□アルファポリスでも掲載中 (アルファポリスが少し先行しています)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説を声で届けるライトーンで掲載中
image みーちゃんのヌコ探しがボイスブックになりました。
あらすじ声優:鈴風さん
俺様のヌコ探し 声優:すみちゃむさん声優:なつさん
こちら:https://www.writone.jp
声の演技でこんなに生き生きとキャラクターが動き出すなんて感動です。
ボイスブック化してくれた 鈴風さん すみちゃむさん なつさん ありがとうございます。

小説家になろうSNSシェアツール

小説家になろう 勝手にランキング
cont_access.php?citi_cont_id=859274774&s 小説家になろうアンテナ&ランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。