第6話 俺様のダンジョンツアーと魚パーティ
ダンジョンから戻った次の日の午後、いつものように受付の上で寝そべて昼寝をしていると商人さんがやってきた。
「ヌコ様、ホワイトレイクシャークが届きましたよ」
やったー、旨い魚が食べられるぞ。と思ったのだけれどな。
「それで、代金の請求はどちらへ?」
お金の話は良くわからないのだ。そういうのは任せたぜ? と茶色の女の人を見上げる。そしたら話を代わってくれた。
「えーと、ガイルさんが出した依頼でしたね。採集依頼の納品になってましたから・・・ギヨムさんはハンター登録してませんよね? そうすると・・・えーと・・・」
茶色の女の人は、書類の束を取り出してペラペラとめくった。途中で俺様が書類めがけて飛び込んだけど「ちょっと邪魔しないでね」と退かされた。
「一般の方からの場合は、買取価格がさがりますね。赤金貨7枚になりますが、よろしいですか?」
「ちょっとまって下さい。それでは儲けがでないですね。急がせたので運送料が高くついたのですよ」
ハンターギルドとしてはこの価格でしか無理だと茶色の女の人が言ったので、商人さんは腕を組んでちょっと考え込んだ。そしてふと俺様を見てポンと手を打ったのだ。
「それでは、ヌコ様に金貨一枚でお売りしましょう!! ヌコ様が納品すれば金貨1枚ですよね?」
茶色の女の人は困った顔で「みーちゃんが関係したら例外だらけね」とぼやいているけど、魚が食えたらそれでいいのだ。
茶色の女の人が俺様の首輪のプレートで依頼の処理をする。商人さんと買取り窓口へ行って納品する。受付に戻って俺様の報酬が机の上に置かれたので商人さんがそのまま受け取る。
「しかし、ガイルという人も豪気ですね。ヌコ様の為に金貨1枚とは」
「それは、依頼を書くときに間違えたらしいです。赤金貨1枚のつもりだったそうで、張り出された依頼票を見て頭抱えてました」
「そうでしたか、おかげで少しだけ儲けさせて頂きましたが。今後共ご贔屓にとお伝え下さい」
商人さんは、機嫌よく笑って帰っていった。
その日の夜、臭い人が俺様を呼びに来たからハンターギルドのホールに出てくると、ホワイトレイクシャークの料理がテーブルに並んたのだ。俺様はよろこんでテーブルに飛び乗ったぞ。
「ほら、みーちゃん、遠慮せずに食えよ」
もちろん、言われる前からかじっているのだ。切身を焼いたやつは上品な味わいで旨いのだ。
思わず「うにゃうにゃ」と声がでるのだ。焼いたのしかないけど、俺様はそれで構わないのだ。
「みーちゃん紹介しとくぜ。明日ダンジョン攻略に参加するメンバーだ」
そう言ってテーブルを囲んでいる臭そうな人達を紹介していくけど、俺様は魚を食べているから聴いてやらないのだ。それでも勝手に騒ぐのが臭い人なのだ。
「こっちのダニーとウェルは、みーちゃんも知ってるよな? いつも受付で会ってるだろ? 孤児院出身でシスターの護衛役だ」
そういえば見たことあるかな? こいつらがシスターに俺様を教えたやつらなのかも。
ダニーは濃い茶色の毛並みで、がっしりした体格に小生意気な顔なのだ。ウェルは小柄で明るい金色の毛並みで、にっこり笑って俺様を見ている。二人共おそろいの生成りのシャツの上に青色の革鎧。葉っぱのマークもお揃いなのか?
にっこり笑っている方に近寄って葉っぱのマークの臭いを嗅いてみた。ちょっとだけ、あの金色の変な女の子の臭いがするな。俺様も頭をすりすりして臭いを付けておく。もういちど臭いを嗅いでから、体をこすりつける。
「ウェルだけずるいぞ、みーちゃん、俺のも!」
なんか小生意気な顔だから近づきたくないのだ。でも、こっちも同じ臭いがしたからすりすりしてやった。そしたら、二人して妙に喜んでいるのだ。
「「やったー」」
俺様のすりすりが、そんなに嬉しいのかな?
「こっちのケニーとベリルは、オレの昔の馴染みでな、領都から来てもらった。
オレと同じC級だからな。俺とケニーで前衛担当だ。ベリルは魔術師で後方支援だ」
「けっ! ヌコなんぞに紹介されたくねーぞ?」
ケニーと呼ばれた人は機嫌がわるそうだ。頬に大きな傷跡で怖そうな感じだな。
ベリルは、俺様に顔を近づけて話しかけてきた。
「お会いできて光栄だ、みーちゃん殿。ふむふむ、やはり普通のヌコでは無さそうな気配がしますな」
なんか言ってるから、しっぽで顔をぺしんと叩いてやったのだ。
「ガハハハ! ケニー、おまえでもみーちゃんには勝てねえと思うぜ? 負ける事もないけどよ」
「あんだとこのやろう!」
臭い人は相変わらずうるさいのだ。俺様は魚を食べ終わったらさっさと2階へ退散するのだ。ホールからは夜遅くまでうるさい声が聞こえていたから、俺様はなんども目を覚ましたのだ。まったくもう。
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