導き
そうこうしていると後ろから気配がした
振り向いて叫んだ
「誰だ!」
そこには神話に登場する女神のような…
うん?
女神にしては…
「横幅のある…」
「丸いな…」
俺と玲於奈は正直に思ったことを言ってしまった
「失礼な!これでもこの世界の女神ですよ!」
「あ、うん」
「ここから移動する事もできないんで楽しみが食事だけで、少し食べすぎちゃったんです。それだけですうううう!」
「う、うん、わかったから落ち着け」
涙目で怒っている彼女をなんとか落ち着かせると話をする
「で、俺たちこっちに来たけどどうすればいいんだ?」
「そうですねえ…私も実はこの世界を救ってほしくて…その実は、玲於奈さんの魔法陣を利用して呼んでしまいまして…」
「はぁ?!あんたも一枚かんでたのかよおおおおお」
「なるほど、それでいきなりああなったのか」
「お前も冷静に分析すんじゃねえええええ!」
この状況に慌ててるのって俺だけじゃないか?
こいつら何でこんなに普通なんだよこの状況でさぁ
顎に手を当てて分析中の玲於奈を見て、女神()を見て自分も冷静になるべきかと思う
というか、思わなきゃやってられないだろうな
たぶん、この後無理難題押し付けられるんだろうな…
はぁ…
ある程度落ち着いたので質問を投げかける
「あのさ、結局女神様は俺たちに何をさせたいの?」
女神は悲痛な表情で話し始めた
「簡単に言うとですね…私の片割れを探し出して捕まえて世界を救ってください!」
「何の力もない俺たちには無理じゃね?あと片割れってなんだ?」
「私の双子の姉です…。双子として生まれたので女神としての力も半分ずつでした。そして、二人でこの世界を統治していました…“つい先日までは”」
「うん、てことは仲違い…か?」
悲痛な表情がさらに歪む
「ええ、仲違いというか力をほぼ奪われてしまって…彼女は言いました」
「何て?」
『あなたのような馬鹿げた日和見主義の子とはやって行けそうにないわ。わかる?この現状。小国の乱立でバランスがおかしくなっているのよ。一度大きな戦争を経てこの状況を打破しないとどうしようもなくなるわよ』
「そう言われました」
「あー…それはアンタの姉が正しいんじゃないかな?」
「玲於奈!」
「あ?俺はそう思うぞ小さな国がたくさんあればその分法律もその数ある。それを統一させた方が将来的に見ても争いは減るだろうな」
「私は…間違っていたんですね」
もう、悲痛を越えて哀れに見えた
「で、でもさ平和的に解決ってできないのかな」
「貴志…統一をするときに平和的にってのは理想的だ…ただそれは理想だ。現実には話し合うだけでは終わることは無いだろうな。まあ、文明レベルにもよるが…」
「そう、か。女神様、ここの文明レベルは俺たちの世界だとどのあたりだ?」
「…………一番大きい国で中世ヨーロッパレベルです」
「あー…」
「通信網は?」
玲於奈が通信機の有無について聞く
「へ?あ、魔法を元とした通信機はあります」
「ふむ…なるほど。通信網があればそこそこは…ううむ。しかしなぁ」
玲於奈が考え込む
そのうちに俺は女神と話をするか…
「女神様、この世界は魔法があるってことだけど俺たちはその力がないのに放り出されるのか?」
「あ、いえ私の残った力であなた達に加護というか力を与えます」
「その残った力を与えた場合アンタはどうなる?」
女神は静かに答えた
「………死にはしません。ただ衰弱するだけです」
「そうか、じゃあ次の質問だ。この世界の種族は人間だけか、その他にもいるのか」
「いえ、数種類の種族が混在しています。そして剣と魔法の使用ができます。その代りに魔物も多いです。」
「ふむ…じゃあ、通貨のレートは?」
「貴方達の国とたぶん一緒だと思います」
「ほう…それだと生活するうえではわかりやすいかもな…」
そうこうしているうちに玲於奈の考えがまとまったらしい
「女神さん、俺たちを下すなら中くらいの国で一番大きい国から多少離れたところで頼む。たぶん一番大きい街はアンタの姉さんが降りているような気がする」
「どうしてそう思うんだ?」
女神も何故と首を傾げる
「一番大きい国ってのはたぶん宗教も情報網も整っていてそこをまとめる王様も女神さまが降りてきたことで自分の力を見せつけるだろう。双子の女神さまの片割れの力を利用するだろう」
「「なるほど」」
「そこでだ、俺たちは中くらいの国から始める。ある程度の情報も仕入れることができるだろうしレベル上げもなんとかなるんじゃないか」
「ああ、そうかもな」
「もう一つ、女神さんに聞きたいことがあるがいいか?」
名指しされ少しびっくりしたらしい女神
「は、はい」
「俺たちに能力の付与をするらしいが、その付与によって種族が変わることがあるか?」
「あ…はい、力の素になる性質が違えば種族が変わるかもしれません」
「ふむ…じゃあ、俺たちのなるかもしれない種族も俺たちの性質次第か…」
ここまで聞いて少し疑問に思ったことがある
「なあ、女神様それを『知ってる』ってことはこの世界の最初の奴らって…」
「………そうですね。異世界の方々ですね…」
あー…やっぱりっそうか…
まあ、綺麗事だけじゃないのは分かるがなぁ…
「で、今この世界の暦は何年だ?」
「1620年です…」
確かに中世あたりか…
「で、ケンカして何年だ?俺たちとは体感時間が違うだろうしな」
「えと…8年です…」
「8年ね…ふむ」
微妙に長いな
信仰として浸透するには十分な時間かもな…
玲於奈と顔を見合わせる
お互いに頷いた
「よし、俺たちにまず力の付与をしてくれ」
「はい!」
久々の投稿です。
前回までより少し長いです




