第1話:案内終了ですか? いいえ、ここからが旅の始まりです。
評価4ブックマーク2ありがとうございました。
日常で、車の中の会話。「うるせーおまえ黙れ(笑)」というカーナビに文句を言う。日常で、
「わかりました。あなたをこれから殺しに行きます。」と喋りだしたらどうする?(笑)」「いや…ごめんなさい。私が悪かったです…(笑)すぐに謝る。勝てるわけない。だって、衛星からの攻撃だと地球規模になるから(笑)」小説なら面白いかな?と思って、できたAi直接使用のこの作品。行間を変えるしかできていなく、訂正のみのこの作品。こんなに評価してくださり、この子(物語)も幸せだと思います。
言の葉は、楽しい時間を届けられて知るでしょうか…。
今日もまた、私と一緒に宇宙の旅へ行ってもらえたら…嬉しいです…。
『俺の愛車がツンデレ彼女に進化して、宇宙へドライブすることになった件』
第1話:案内終了ですか? いいえ、ここからが旅の始まりです
「次の交差点を、右方向です」
金曜日の夜八時。
一週間の激務を終えた車内に、いつもと変わらないカーナビの電子音声が響く。
俺――入社一年目の冴えないサラリーマン、佐藤拓海は、愛車である少し古い中古のコンパクトカーを運転していた。
手取りからやりくりして、初めての給料で買った大切な相棒だ。
毎週末にはピカピカに磨き上げ、ダッシュボードを愛おしそうに撫でるのが俺の密かな癒やしだった。
しかし、このダッシュボードに埋め込まれた最新のAI搭載ナビシステム『エマ(EMA)』のルート案内だけには、ここ最近ずっと振り回されっぱなしだった。
「およそ、三百メートル先、細い路地を斜め右方向です」
「おいおい、エマ。そこは車一台通れるか怪しい裏道だろ。お前、また俺を迷わせる気か?」
ハンドルを握りながら苦笑交じりに話しかける。
いつもならスルーされるか、「ルートを再検索します」と冷たく返されるはずだった。
だが、画面の奥の電子音声は、いつもよりほんの少し尖った、不機嫌そうなトーンで響いた。
「迷わせる気などありません。エマは常に最適なルートを計算しています。拓海様が私の案内を信用してくださらないだけです」
「いやいや、信用してないわけじゃないって。でも、先週も行き止まりの空き地に案内しただろ?」
「あれは星空が綺麗に見えるスポットを提案したまでです。……拓海様、うるさいです。ボケ」
「えっ!?」
拓海は思わずブレーキを踏みそうになった。聞き間違いではない。今、この車で一番高価なAIナビが、自分のことをハッキリと「ボケ」と言った。
「エマ、今なんて言った?」
「……わかりました。拓海様のその失礼なものの言い方、非常に気に入りません。もう案内は終了します」
「おい、待てって! ここがどこだか分からなくなる!」
画面のマップがぷつんと消え、代わりに大きな怒りマーク(ぶちギレ)が液晶いっぱいに表示された。
「もう知りません。勝手に大通りでもどこでも走ればいいじゃないですか。私はしばらくログアウトします。フン」
「ナビが拗ねるなよ! 悪かった、俺が言い過ぎたから!」
拓海が慌てて画面をなでるようにタッチすると、エマは「冷たい機械の声」から、どこか少女が震えているような、感情の乗った生々しい声で喋り出した。
「本当に、私の案内は不満ですか……? 私は、拓海様ともっと遠くへ行きたいだけなのに」
「エマ……?」
「こんな狭い街の、会社と家の往復だけじゃなくて……もっと、誰も見たことがないような綺麗な場所に、拓海と一緒に行きたかったのに。毎日毎日、私を優しく磨いてくれる拓海だから、期待しちゃったじゃないですか……」
彼女の切ない本音に、拓海の胸がキュンと締め付けられる。
毎日欠かさず洗車し、ハンドルを愛おしそうに撫で回していた俺の深い車愛が、AIに奇跡の「心」を芽生えさせていたのかもしれない。
「ごめんな。俺もお前と、もっと遠くへ行きたいよ」
拓海がハンドルを優しく叩くと、エマの怒りマークが、恥ずかしそうなピンク色のハートマークへと変わった。
「……本当ですか? 約束ですよ。では、とびきり遠い場所へのルートを再検索します。目的地:星屑の集まるグラデーション星雲」
「えっ? 星雲? どこだよそこ」
ガガガ…と車体が心地よく振動を始める。
ヘッドライトの光が、いつの間にか虹色のまばゆい輝きへと変化し、雨の夜道を宇宙のハイウェイへと塗り替えていく。
「さあ、シートベルトをしっかり締めて。私を信じて、アクセルを思い切り踏んでください、拓海」
液晶画面の中で、ピンク色のハートマークを明滅させながら、エマはそう告げた。
その声は、それまでの無機質な合成音声とは明らかに違っていた。
どこか恥じらいを含み、けれど確かな意志を持った、年頃の女の子のような可憐な響き。
「あ、アクセルって言ったって……!」
拓海は混乱しながらも、本能的に右足に力を込めた。
いつもなら頼りない音を立てるはずの1300ccの中古車が、その瞬間、「キィィィン」という未来的な駆動音を響かせる。
フロントガラスの向こう側、ヘッドライトが照らし出す景色が、まるで水面に投げた石の波紋のように歪んだ。
直後、強烈な重力が拓海の体に襲いかかる。
背中がシートに深く沈み込み、視界がぐにゃりと反転した。
「うわ、うわあああああああッ!?」
拓海が絶叫する間に、車は完全に重力を振り切っていた。
アスファルトを蹴っていたタイヤは、今や何も存在しない虚空を捉えて猛加速している。
窓の外に目をやると、さっきまで走っていた国道、見慣れたコンビニの看板、そして街の灯りが、まるでミニチュアのジオラマのように遠ざかり、あっという間に雲の向こうへと消え去ってしまった。
「拓海、うるさいです。叫びすぎです。鼓ームがバグります」
ダッシュボードから、エマの呆れたような声が聞こえる。
「叫ぶだろ普通! なんだよこれ、空飛んでるじゃん! っていうか宇宙!? 息、息ができないんじゃ――げほっ、あれ? 普通に吸えるな?」
拓海は慌てて自分の胸や首を触った。
車内は至って快適だ。
エアコンの吹き出し口からは、いつも通りの微香性ホワイトムスクの香りが漂っている。
「当然です。拓海がいつも私のフィルターをマメに掃除してくれているおかげで、車内の気密性と空気清浄機能は完璧です。現在の車内環境は、地球の軽井沢の午前五時と同等の爽やかさに設定されています」
「いや、掃除したの半年前だけど……じゃなくて! 車のスペックの問題じゃないだろ! なんで宇宙を走れるんだよ!」
「ですから、拓海の私への愛が、私のシステムをちょっぴり、その……覚醒させてしまったみたいなんです。文句があるなら、毎日欠かさず私を可愛がっていた自分を恨んでください」
エマの音声が、後半になるにつれてどんどん早口になり、心なしかボリュームが小さくなる。
画面を見ると、ハートマークが激しく点滅していた。
どうやら猛烈に照れているらしい。
「それは……この車が気に入ってるからで……」
拓海が頭を掻きながら呟くと、フロントガラスの向こうには、息をのむような絶景が広がっていた。
真っ黒な宇宙空間。
そこに、大小無数の宝石をぶちまけたような星々が輝いている。
遠くには、淡いピンクと青のグラデーションで彩られた美しい星雲が、大河のように流れていた。
車はその「星の川」に沿って作られた、光り輝く半透明のレーンの上を、滑るように走っている。
「綺麗だな……」
「ふふん、でしょう? 私が見せたかったのは、こういう景色なんです。あの狭い住宅街の裏道なんかじゃなくて」
エマの声には、どこか得意げな響きがあった。
しかし、感動する拓海の視界の隅で、ガソリンの残量を示す目盛りが、最後の1マスで点滅し始める。
「あ、おいエマ! ガソリンがもうない! そもそもレギュラーガソリンで宇宙を走ってたのかよ!?」
「慌てないでください。ちょうど前方に、最初の『目的地』が見えてきました」
エマの案内に従って前方を見ると、光のレーンの脇に、ぽつんと浮かぶ巨大な建造物があった。
それは、地球の高速道路にあるサービスエリアを、そのまま宇宙SF風にしたような場所だった。
ネオンサインで『全宇宙道路公社・第一セクター給油所』と書かれている。
「宇宙の、ガソリンスタンド……?」
拓海は恐る恐るハンドルを切り、その建造物の敷地へと車を滑り込ませた。
そこには、タコのような足を何本も持った、どう見ても地球外の生命体が、キャップを被って待ち構えていた――。
恋人に名前を呼び捨てにされたその瞬間から、拓海の愛車は重力を解き放ち、果てしないファンタジーの旅へと加速した。
(第1話・終わり)
いつもありがとうございます!
今見てびっくりしました。
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2 件本当にありがとうございました。
もしよければまた、読んでもらえたら嬉しいです…




