報告書⑥ 来年の分
六つ目は、あとから届いた、██課からの経過の回答である。
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来年の分の通知は、例年どおり、おなじ月に出す予定である。
手続きも、例年どおり行う。
宛先の変更の届は、照会の時点で出ていない。
宛先を変える予定も無い。
差出簿に書いた者のうち一名については、市が引き続き所在を確かめている。
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当課で検めたことは三つである。
一つ、手続きは十一年とも正しく踏まれている。
日数にも、記録にも、落ち度は無い。
二つ、その月に使われた切手は二枚で、差出簿は一通である。
差は百十円で、足し算で出る。
三つ、戻ってきた一通は現物としてここにある。
開けられずに棚にあり、棚を片づけた記録の側には出てこない。
異常と呼べるものは、何も出なかった。
誰も規則を破っておらず、誰の落ち度でもない。
照会した先は四つ。
市の三つの課と、郵便の側である。
四つとも期限のうちに回答があり、どれも正しく、互いに矛盾していない。
矛盾しないまま、届いたことになったものが、戻ってきている。
当課の照会は、紙の突き合わせに限られる。
人の行方は、突き合わせる相手が無い。
通知は、来年もおなじ月に出る。
処理票を書いた。
分類、異常なし。
処理、経過観察。
観るのは来年の経過であって、この十一通ではない。
十一通は、市の記録の上では終わっている。
だから、送った。
封筒は、返ってきた記録が無い。
戻す先の帳面が無いので、当課で綴じ、書庫へ送る手続きをした。
綴じる前に、██課から来た写しと並べた。
十一通の宛名は、四人の手で書かれている。
機械で刷ったものは、一通も無い。
あの一通の宛名は、その四人のどの手にも当たらない。




