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秘されし赤林檎  作者: 敬重感泣
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2.14赤のアスター14

 置いて行かれた。。。まあいいや。なんなら、むしろ一人の方が気が楽なくらいだ。サバイバル生活も勝ってはわかっている。この世界に変な虫病原菌とかがいなければいいなあというくらいなもんで、まあ神様にお願いするくらいしかできることはないな。

 これからの生活で、まずどうにかしないといけないのは水だろう。体がキツくなる前にさっさと確保しないと。

「そろそろ移動するか」

 アマルフィに話しかけるも、未だにぶるぶる震えている。歯をむき出しにしてグーグーグーグー言ってる様はなかなかにグロテスクだ。

「ほれ、いつまでもそうしてちゃなんもできんよ」

 背中を摩ってやるとなぜか震えが一層激しくなった。とんでもないぐらい震えている。

「お前は動物なんだから俺より水を見つけやすいだろ。頼むよ。足速いんだからなんかあっても逃げられるだろ。」

 何を言おうとびくともしない。強めにおしりを押しても全然ダメだ。

 まさかと思って目線の先を見ると、何かが近づいているのが見えた。俺も慌てて耳を澄ます。かすかに聞こえてくる草をかき分け駆ける音は正面だけではない。周りを囲むように同時に接近してきている。

 どうすればいい。この世界の動物は全然わからない。群れで狩りをする動物ってライオンみたいなやつらか?大声で威嚇するか。逆に刺激してしまうか。

 どうする。どうする。考えているうちに音がすぐそこまで近づいてきている。クソっ。あのクソババアも、せめて周りの安全を確認してから帰ってくれよ。

 周りをキョロキョロとしていると近づいてくる音が一斉に止まった。アマルフィは歯をむき出しに前を威嚇している。つられて前の方を見ると小さな影が足元にいるのに気が付いた。いつからいた?周りの音は少し離れたところで止まったはずだ。

 そこで俺はようやく違和感に気が付いた。周りに霧が立ち込めている。きめ細かい粒で、霧というよりは煙に近いのかもしれない。こんなものさっきまでは全然そんなことは。。。いや、どうだったか思い出せない。そもそもさっきの周りの景色も時間も、正確には思い出せない。なんだこれは。とてつもなく気持ちが悪い。感覚と思考がズレている。いや、ズレていた。夢を見ていたような、そんな感じがする。

 頭の中がだんだん明らかになってきて、目に入っているものをきちんと知覚できるようになってきた。目線の先には首に骨?のネックレスを付けた小さな子供が二人、提灯を持って前に立っている。視界の端には提灯が他にいくつか見える。完全に至近距離で囲まれている。急いで数を確認しようとしても首が回らない。ガチガチに固まってしまっている。首だけじゃない、全身が拘束されたように動かない。かろうじて動かせる眼を動かして周りを見渡すも、足しになる情報はない。

「どうだ?こいつは敵か?」

 右の子どもがもう一人に声をかけると、左の子どもは俺たちにもう一層近づいてきてスンスン鼻を鳴らした。

「うーん。。。他には微かに同類のにおいがする。。。かも。こっちのからはほとんど匂わないけど、こっちからは結構匂うかも。」

 子供は俺たちの匂いを嗅いで、もう一人に何かを報告している。すると急に顔をしかめた。周りの空気が一気に冷え込むのを感じる。心臓がバクバクと脈打ち始めたのを感じる。

「それと。。。こいつらからはニンフの臭いがする。」

 そう言った瞬間、もう一人の子どもが目の前でブレた。

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