第45話 バジリスク…バジリスク?
ちょっと諸事情でテンションガタ落ちで書いた所為か、読み辛いし分かり難いと思われるかもしれません。
近日中に丸々書き直すかもしれませんので、その時はまたご連絡いたします。
明日は通常通り2話投稿です、12時以降となりますが。
ダニエルがいうところのバジリスク…と思われる魔獣なんだが、俺の記憶が間違いじゃなければこいつって『コカトリス』じゃなかったか?
けど解析結果はこいつが『バジリスク』だと主張する、意味が分からん。
前世で読んだ事のあるその手の幻獣図鑑には、こいつと殆どそっくりな幻獣の名前が『コカトリス』で、『バジリスク』は蛇だった気がするんだが。
いや、でも元はこいつら一緒だとか言う本もあったし、バジリスクは『メデューサの髪』と書いてあった気が、名前と特徴がチグハグなだけと思えばいいのか、それともまるきり違う魔獣なのか、よく分からないな。
解析の結果、頭の中がこんがらがっちまった、こういう時前世の記憶って厄介だな、解析結果を全面的に信じる事が出来なくなる。
バジリスク、そしてコカトリスはどちらも石化の魔眼を持つ異能を持っている。
直視したら間違いなく即死する類の最悪な魔眼持ちとされている、ていうかメデューサとかゴルゴンもいそうだよなこの世界、会いたくもないが。
「…そしてこれも誤算か、バジリスクと目があっても石化しないし!?」
「お前、ナニ自殺しようとしてるんだ!?
バカか、バカなのか、バカなんだな!?」
いや、結界は張っていても石化の異能は貫通すると思ったんだが、どうも魔力を当てられたくらいで何の変化も起きなかった。
が、この魔力というのがミソだな。
おそらくこの魔力が石化のタネなんだろう。
この魔力に当たれば即死、ないし全身が石化するのだと思われる、完全に推測だが、これは結構自信があるぞ。
「という訳でアッキー、このバジリスクから身を守る為に結界張ってあげるから少し止まって」
全長は大体10メートルくらい、尻尾が異様に長くて太い、あれで吹き飛ばされると結界越しでもかなり吹き飛ばされそうだ。
俺は手早くアッキーに空間魔法で結界を張ると、影の鎧を変形させて暴れ回るバジリスクのジタバタ攻撃を避けて一閃する。
「ゴキャアアアアアアッ!!」
な、なんて気持ち悪い悲鳴だ、さすが魔獣だな。
が、それ以上に驚いたのは―――、
「傷が一瞬で治ってる!!
かなり深く斬ったのに!?」
そう、こいつの再生能力だ、どうやら尻尾が蛇なだけあるのかとんでもない再生速度で俺の付けた傷を治し…いや、再生やがった。
ダニエルが戦っているヒドラもそうだが、再生能力持ちは厄介だ。
何しろいくら攻撃しても魔力があれば何回でも再生しちまうからな、限定的な不死身と言い換えてもいい。
「おいユーリ、再生能力を持ってる魔獣はどう倒すんだ!?
詰め込んだ知識から対抗策を出せ!!」
なんか俺ってば最近アッキーからお助けキャラ扱いされている気がするんだが、どうやら間違いじゃないらしい。
なんか一々反応するのも疲れるし、面倒だからもうしないが、どうも釈然としない。
今度思い切って抗議はしてみよう、結果は分かりきっているがな。
「あー斬った箇所を火で焼き潰したり一瞬で全身を潰したりしていた話があったけど…現状俺たち制限して戦ってるからちょっとなぁ」
そう、向こうで戦っているヒドラなら逸話があったりする、首を落としても再生し続けたヒドラの首をヘラクレスは切り落とした首の傷を焼き潰してその再生を阻んで勝ったという有名な話だ。
……が、今戦っているのはバジリスクだ、再生といってもその傷を超速再生する魔獣でしかも俺の影…というか刃物が利き難い分厚い脂肪を備えている、面倒な魔獣だ。
個人的には倒すのに時間が掛かる上に中央が削れていいんだが…左翼の戦力が現状著しく減っているからそうもいってられない。
「ちょっと待ってアッキー、今考え中。
…精神を壊すのは倒し方が怪しまれる…撲殺とかナンセンスだし…」
縛りがきつ過ぎたか、水魔法あたり使える設定にでもしておけばバジリスクの口に大量の水をブチ込んで溺死とかアリだったんだが無念だ。
「…毒でも持っていないのか!?
お前の事だからよほどえげつない毒でも持っているだろうが!!」
「アッキーは俺の事なんだと思ってるのさ!?
そんな物、持っている訳………あ」
作った物じゃないけど、いい物があったじゃないか。
帝国の暗殺者が持っていた『暗黒の毒』が。
解毒法はまだ分からない超危険な毒物だ、かなり研究用に使ってはいるがまだ瓶が3本ほど残っている。
アッキーは『それ見た事か』とバジリスクの攻撃を避けながら他の魔獣を切り伏せていた。
こ、これは恥ずかしいな、打開策は灯台下暗し、俺の異次元バックの中にあったとは。
最近魔法で問題を解決してばかりだから魔法での手段に固執し過ぎていたようだ。
えっと…あった、黒い奴。
「毒はどんなタイプだ、経口、軽皮、吸入のどれだ!?」
「えっと…とりあえず、経口?」
「お前が作った奴じゃないのか!?」
「帝国の暗殺者の奴の何だって、ナイフに塗って使っているのしか見た事ないから、飲ましてアッキーの剣に塗って斬れば効果は高まると思う!!」
「いい加減だな!?」
魔獣に使うのがもったいなくて実験ばかりに使っていたんでな、それについては運が悪かったといえる。
ていうか、俺毒物は作っても満足したらちゃんと破棄するから。
前世の知識使ったら化学式でトンデモ毒物作ったからな、正直好き好んで作ろうとは思わない。
アッキーには剣に塗って斬ってもらう事にした、俺はあの暴れ回っているニワトリの口に投げ込む。
メジャー張りの俺の強肩を見よ。
「ビキャアアアアアアッ!!」
…笑わせたいのかこの魔獣、思わずこけそうになったぞ。
ダニエルの方も苦戦しているようだし、さっさとこの存在不詳の不思議魔獣を片付けよう。
「ピッチャー振りかぶってー」
照準良し、角度良し、風向き良し、対象の移動速度良し。
抹殺対象に帝国が誇る最強毒物を握り締めて、大きく振りかぶった。
「なげったー!!」
投げた小瓶は俺でも見えない位の速度でバジリスクの嘴に入った。
うん、随分前に殺したオークの時みたいに喉元ブチ抜かなくて済んだわ。
「―――ピギャ!?」
アッキーも剣に慎重に毒を塗ってから斬ったり刺したりと工夫している、さっさと片付けたいんだろう。
まぁ時間的に30分くらいしか経っていないが、冒険者的にこの記録ってどうなんだろう、かなり早い方なのか?
周辺にいる魔獣を片付けていった俺たちは死に体なバジリスクを遠目にしていた。
「ギャピャアアアアアッ!!」
悲鳴のレパートリーが豊富な魔獣だ、もうほっといてもいいだろうか?
もうこの魔獣が一矢報いる事も出来ないほど死にかけているのは分かる、暴れていたバジリスクは巨体を動かす体力も残っていない。
「……ピギャァァァ」
まるでニワトリらしくない悲鳴に納得出来ない俺だが、これで終わったな。
バジリスク(仮)は死んだ、毒殺されました。
毒を飲まされて、毒を塗った剣で斬られて刺されて、のた打ち回って暴れ回った挙句、無惨な最後を迎えましたよ。
超再生を持つバジリスクでも毒には弱いんだな、毒の種類が神経系を侵すのか分かったというのもいい成果だよ。
「よしアッキー、ダニエルのところに行って助太刀だ。
作戦は大英雄ヘラクレスの話を丸々…少しアレンジだ。
焼いて潰して徹底的に殺そう」
「……哀れな魔獣だ、ロクでもない計画の犠牲になって」
何か言いたげにアッキーが俺の方を見てくるが、何が言いたいんだろうね、さっぱりですよ?
だがまぁ、そうだな、この作戦が終わったら、俺もちょっと後始末をしないといけないからな。
今回で死んだ犠牲者の分、何か善行でも積むとするかな。
アッキーもいるし、前世の記憶を使って商売に使えそうな知識を掘り出してみようか。
不愉快だがアマリア教国の運営している孤児院に寄付してやってもいい、断られたらエルライドに渡して何か慈善事業をしてもらおう。
エルライドの株も上がるし、むしろそっちの方がいいかもしれないな。
「アッキー、行こうって。
ダニエルには死んでもらったら困るんだ、左翼の指揮がガタ落ちするのは面倒なんだよ」
やっぱりヒドラ相手に1人じゃ勝てないのか、ランク8とはいえそれほど凄くないのかな?
「分かった、分かったから。
これでも疲れているんだ、体力も化け物なお前と一緒にするな」
気疲れもしてるんだろうな、死臭が酷いからな。
アッキーも気が滅入り始めているし、ヒドラを倒したら一旦引かせるか。
あとは俺が全部片付ければいいからな。
「それじゃあ行くよアッキー、目標はヒドラ。
アッキーの剣技と魔法に期待するから」
「了解だ、精々期待に応えさせてもらおう」
計画は順調だ、順調過ぎるくらいに。
あとはヒドラを倒してゆっくりと左翼を平らげ、そして中央に救援に向かえばいい。
【醜悪祭】はまだ終わりを見せない。
読んで頂き、ありがとうございました。
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