↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/93

第33話 勇者との遭遇、戦闘

たぶん、次は18時から20時に投稿できる…かもです。

 




 正直に告白しよう、俺は『運命』なる存在を信じた事はなかった。


 否、考えた事もなかったとも言う。


 人の意思を超えた先にある幸福、または不幸なんて物を考えた所でどうにもならないと中途半端な悟りを開いていた俺は運命自体に興味も無かったのだ。


 対策なんてそれこそした事がない、そもそも考えた事もない。


 所詮は性能(スペック)が平均より小指の先ほど上な程度の俺では運命という必然に対抗し得るなど、露ほども欠片ほども考えた事もなかったからだ。


 諦めて切っていたとも取れるが、悲観していた訳ではない、受け止めていただけだ。


 しかし、目の前の現象を何と言えばいいのだろうか。


 宝クジに当たる人間がその日その売り場で買ったのが運命だとか、その日その場所で隕石に当たる事がその人間の運命だったとか、そういう類の、人の人格も魂も全て一切合財何もかもを丸っきり無視したような大いなる流れのようなものを運命というのならば。


 ―――きっと、これは運命なのだろう。


 この運命を知っているかもしれない北欧神話の三女神、あるいは運命の糸を紡ぐギリシャ神話の女神に尋ねたい。


 ―――俺には女性に関する運命はないんでしょうか?


「……お前、アオイ…なのか?」


「…アッキー……月並みだが問いたい。

 なんで……いるんだ?」


 喜べばいいのか、悲しめばいいのか。


 俺の目に映るヒューマンの男とその男のステータスが映る。




 ―――――――――――――――――――――

 名前:ミドウ・アキラ

 種族:ハイヒューマン

 称号

 異世界人

 勇者

 性別:男

 年齢:25

 魔法適正値

 火:80

 地:80

 水:80

 風:80

 無:100

 光:100

 ―――――――――――――――――――――




 十年以上ぶりに会った彼、『アッキー』こと御堂輝(ミドウアキラ)君は。


『魔王』である俺とは対極の存在、『勇者』になっていました。


 似合わないにも程がある。




 ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■




 俺はアマリア教国からやってきた勇者及び聖女の一団との会見をするエルライドの護衛として陰に潜んでいた。


 しかし俺はアドルフに頼まれていた光魔法の魔道具の研究に没頭していて寝ていなかった。


 なので、エルライドの影の中で仮眠を取らせてもらっていた。


 影の中でも十分外の騒ぎは聞こえるから何か起こればすぐに対応出来ると思っていたからだ。


 エルライドには空間魔法の魔道具も渡している、たとえ勇者が襲いかかろうとしても10秒は確実に持つだろう防御力を誇る魔道具だ。


 10秒あれば俺なら大陸の端から端までいけるだろう、端を知らないから迷うだろうがな。


 だが、それがいけなかったと言える。


 否、眠っていて良かったとも言えた。


 あの場で俺が『覚醒』すれば、間違いなくエルライドを殺していただろうし、間違いなく勇者を殺していただろう。


 少々寝付きが悪かったのだが、徹夜した後のテンションで興奮しているからだと思ったからだ。


 次の日、俺は冒険者ギルドに向かったのだが、帰ろうとしている一団があった。


 アマリア教の関係者が来ている法衣と聖騎士が身に着けている鎧の面々だった。


 当然だが俺はハーフエルフなので髪と目ですぐにバレた。


 案の定殆どのアマリア教関係者は俺を見るなり嫌悪の表情を隠そうともせずに見せ、それに気付いたハロルドさんを筆頭に冒険者ギルド内にいる殆どの冒険者、ギルド員が嫌悪の感情をアマリア教関係者に向けた。


 一触即発の緊張感が漂う中、渦中の俺はというと連中を無視していつも通り掲示板に張ってある依頼書を眺めていた。


『……す』


『………た』


 妙に響く男性と女性の声が聞こえ、俺も耳を傾けた。


 どこか聞き覚えのある、懐かしい声音に俺の意識はそちらに持っていかれた。


『それでは勇者様、行きましょうか』


『ああ、分かったエリーゼ。

 それじゃあ馬車に向かおう』


 段々と俺の記憶の底から何かが溢れてくる。


 懐かしい声が、忌々しい澱みが、殺意が、憎悪が、狂気が溢れだしそうで、零れ落ちそうで。


「――――――っ!?」


 瞬間、俺の頭に激痛が走って俺は膝から落ちて倒れた。


 鳴る、鳴る、頭の中にあの無感情な女の声が。


 機械的で、まるで生きていない存在が生き物を真似ているかのような、非生物的な声音が聞こえてくる。



 ―――――――――――――――――――――

 警告、初代魔王バアルが強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 警告、初代魔王バアルの魔核に異常が発生しました

 覚醒は失敗しました

 ―――――――――――――――――――――


『ユ…ウシャ…ユ…シャっ!!』


 頭の中でグルグルとゴチャゴチャと音が、声が鳴り響いて止まらない。


 俺の意思に関係なく、知識と記憶と感情がどこからともなく滅茶苦茶に流れ出てくる。


 ―――――――――――――――――――――

 警告、初代魔王バアルが強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 警告、初代魔王バアルの魔核に異常が発生しました

 覚醒は失敗しました

 ―――――――――――――――――――――



『あの…大丈夫、ですか?』


 声が聞こえる、懐かしい声だ。


 前世で聞いた、友人の『コロセ』声が『コロセ』して『コロセ』違う、そうじゃない『コロセ』!!


 俺は頭を抑えながらその声の主に目を向けた。


 黒髪で黒目…少し茶色がかった瞳の色は前世の世界ではアジア圏の人間の特徴を濃く出していた。


 寝不足なのか、目元にクマは出来ているが精神状態はかろうじて良好な若いヒューマンの青年がいる。


『勇者様、どうかされたんですか?』



 ―――――――――――――――――――――

 警告、初代魔王バアルが強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 警告、初代魔王バアルの魔核に異常が発生しました

 覚醒は失敗しました

 ―――――――――――――――――――――




「――――――っ!?」


 再び頭に激痛が走る、そしてあの怖気のする声が聞こえた。


 ああ『コロセ』どうして『コロセ』お前が『コロセ』ここに『コロセ』いる『コロセ』!?


 俺は目の前の懐かしい顔立ち背格好をした日本人(・・・)を解析した。




 ―――――――――――――――――――――

 名前:ミドウ・アキラ

 種族:ハイヒューマン

 称号

 異世界人

 勇者

 性別:男

 年齢:25

 魔法適正値

 火:80

 地:80

 水:80

 風:80

 無:100

 光:100

 ―――――――――――――――――――――



 俺が解析を使ったのに気付いたのか、勇者『コロセ』アキラも『コロセ』解析をして『コロセ』驚いていた『コロセ』。


「……お前、アオイ…なのか?」


「…アッキー……月並みだが問いたい。

 なんで……いるんだ?」


 喜べばいいのか、悲しめばいいのか。


 俺の目に映るアッキーの男とその男のステータスが映る。




 ―――――――――――――――――――――

 警告、初代魔王バアルが強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 警告、初代魔王バアルの魔核に異常が発生しました

 覚醒は失敗しました

 ―――――――――――――――――――――



 懐かしい名前が読めた、前世で最も交友があった我が友人『アッキー』だ。


 だが分からない、どうしてアッキーが勇者でここにいる?


 そしてどうして俺はこんなにも、心の底からお前を殺したいと思っているんだ『コロセ』!?


 違う、これは俺の感情じゃない!!


 体の奥底から何かが溢れ出て来る。


 憎悪が、殺意が、狂気が、忌々しい澱みになって止め処なく溢れ出て零れ落ちてくる。


 これが初代魔王バアルの記憶、感情。


『ユウシャ…コロセ…ユウシャヲ…コロセ!!』


 ―――――――――――――――――――――

 警告、初代魔王バアルが強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 警告、初代魔王バアルの魔核に異常が発生しました

 覚醒は失敗しました

 ―――――――――――――――――――――



 失敗を続けても何度も懲りもせずにしつこく覚醒を試みるバアルの所為で頭痛が鳴り止まない。


 母さんの手紙にはバアルは覚醒出来ないとは書いていたが、暴走はしないとは書いていなかった。


 つまり、暴走する恐れがあったという事で、それは今俺の体に襲い掛かっている状態の事をいうのだろう。


「どうして、そんな体になってるんだよ、アオイ!?」


「わ…ルイナ…アッキー…少し、まず…イ、ことに…なった『コロセ』!!」


 俺の口から思ってもいない言葉が飛び出す、違う、俺はこいつを殺さない、黙っていろバアル!!


『ユウシャ…コロセ…ユウシャヲ…コロセ!!』


 まずい、このままだと意識が、バアルに持ってイカレる。


「―――影よ、我を纏い彼方に!!」


 多分俺とアッキーが一緒にいるからこの暴走が起きているはずだ。


 それなら一旦仕切り直して、まともな状態になって対策すれば…!?


「な、何だよこれ、影!?」


「勇者様!?」


 俺のすぐ側にいたアッキーにまで影が巻き込んでいる、バアルが俺の魔法に干渉するなんて。


 影を使った転移でこの場から離脱する予定が、アッキーを巻き込む形で離脱する羽目になるとは。


 このままじゃ俺は勇者を誘拐した極悪人になっちまう。




 ―――――――――――――――――――――

 警告、初代魔王バアルが強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 警告、初代魔王バアルの魔核に異常が発生しました

 覚醒は失敗しました

 ―――――――――――――――――――――



 俺が転移に指定した場所は王都から領地を4つは遠く離れたド田舎、その平原だ。


 予め座標(マーカー)を付けておいたから失敗する事無く成功したが、それはつまり誘拐も成功したという訳で。


「…くっ、ここは…一体!?

 おいアオイ、どういう事かせつめいっ!?」


「ユウシャ…コロセ…ユウシャヲ…コロセ!!」


 俺の口から絶対に口にする事の無い言葉が流れ出す。


「ちが…う…アッキ…わる…い…にげ…ろ!!

 オレノ…バアルノ…チカラガッ、ボウソウ…ヲッ!!」



 ―――――――――――――――――――――

 警告、初代魔王バアルが強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 警告、初代魔王バアルの魔核に異常が発生しました

 覚醒は失敗しました



 警告、初代魔王バアルが強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 警告、初代魔王バアルの魔核に異常が発生しました

 覚醒は失敗しました



 警告、初代魔王バアルが強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 警告、初代魔王バアルの魔核に異常が発生しました

 欠けた欠片が強制覚醒を試みました

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 覚醒は成功しました

【災厄の魔王】バアルが限定覚醒します

 ―――――――――――――――――――――


 意識が飲み込まれる。


 俺はアッキーが、アキラがこのまま逃げ切ってくれることを祈りながら、この暴走を何とか食い止めようと抵抗を試みた。




 ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■ ◆ ■




「ちが…う…アッキ…わる…い…にげ…ろ!!

 オレノ…バアルノ…チカラガッ、ボウソウ…ヲッ!!」


 ユーリがアキラを突き飛ばして自らも離れようとしたが、右足は下がるが左足が動こうとしない。


 既にユーリが危惧していた『覚醒』の成れの果て。


 暴走が始まっていた。


「アオイ、どうしてそんなっ!?」


「―――爆ぜろ柘榴(ザクロ)時雨」


 ユーリの口から詠唱がされた。


 当然の如く発動するのは魔法。


 それも、『初代魔王』バアルが得意とした複合魔法である。


 火魔法、地魔法、水魔法、風魔法、そして無魔法の5つの魔法を複雑怪奇に織り込んだ大規模魔法。


 発動すれば、周囲を巻き込む大爆発を引き起こす災害である。


「ひ、光の盾よ、守護を!!」


 アキラはユーリの、否、バアルの魔法から身を守ろうと光魔法で高濃度の鎧を作り出した。


 攻守共にトップクラスの力をもつ光魔法の防御を突き破るには、大規模魔法では役不足であった。


 しかし、そんな事をお構い無しに、まるで挨拶の様に放ったバアルは笑っている。


 ユーリならば本来しないような、『壊れた笑み』を浮かべていた。


 爆発が起き、空気が一瞬にして熱気となり、炎の嵐が吹き荒び、高圧縮された石礫が暴れ回り続けた。


 巨大化した炎がアキラを包むが、その防御を突破する事は無かった。


「なんつー力だよおいっ!!

 殺す気かアオイお前は!?

 久しぶりに会った友人に対して殺意溢れる魔法とはどういう了見だ!!」


「……勇者は…殺す…殺す。

 殺す…殺す、ころすころすころすころすころすころすころすコロスコロスコロスコロスコロスうぅぅぅうぅぅぅ!!」


 虚ろな叫び声が返ってくるが、それはアキラに向けて発された言葉ではない。


 もはやそこにユーリの意識はなく、【災厄の魔王】バアルの狂乱した欠けた思いの発露しかなかった。


 遥か昔、勇者と戦って勝ったものの自らの命を奪われる原因となった勇者に、バアルは自らの命が尽きる瞬間、この世界中の誰よりも勇者を呪い、恨み、憎んだ。


 その思いが継承者達の中にありながら沈殿し、停滞し、澱み壊れ果てた結果、バアルはもう自らを認識する事すら出来なくなっていたのである。


 限定的に覚醒したが、もはや『勇者を殺す』という一念でしか行動は出来ないバアルには欠片が潰えるまでの僅かな時間しかなかった。


 知る由もないが、アキラは限定覚醒をしたバアルの欠片が完全に潰えるまでの制限時間内、30分を生き残ればそれで勝ちなのである。


 そして二度と、この欠片が暴走する事はない。


「くそっ、なんかおかしい事になってるな、アオイってあんなにヒステリックでイカレていたか?

 …が、いい加減止めないと被害がやばいな、環境破壊しすぎだぞこのバカが!!」


 ユーリが暴走している事を知らないアキラは何度も『アオイ』と呼び掛けて襲いかかる魔法を防ぎ交わしていくが、バアルはそんな事お構い無しに破壊と災厄を撒き散らしていく。


 空からは巨大な岩が降り注ぎ、高電離体(プラズマ)が疾り、溶岩が溢れ出て津波が起き、影の狼がアキラに襲いかかる。


 しかし、アキラの光魔法はそのどれもを防ぎ切ったのだ。


「ああもうっ、何か魔法的な問題で暴走しているのか?

 会話もしないで魔法バカスカ撃ちやがって、どうしてそれだけブッ放しておいて魔力が尽きないんだよ!?」


 アキラの叫びに何の返答もせず、魔法の濁流を以って返したバアルは限界を超えて、自らの欠片が壊れるまで詠唱を続けた。


 止まる事を知らない狂乱の魔王は、その|欠片(命)を燃え上がらせる。


「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■っ!!」


 もはや言葉にすらならない絶叫が響き渡る、まるで最後の悲鳴のような必死さにアキラの表情が一変した。


 アキラはこの絶叫を知っていたからだ。


 凶暴な魔獣が命の危機に瀕した時、玉砕覚悟で上げる死の絶叫(・・・・)


 もはや焦点の合っていない目をした壊れた笑みを浮かべた魔王が最後の力を振り絞って魔法を放った。


 それは純粋な闇。


 光さえも通さない、完全無欠の闇がアキラを包み込もうとした。


 ―――しかし、アキラを包み込もうとした瞬間、時が来てしまったのだ。


「ア、ああ、ああ、アアアアアアアアアアアアアアアッ!?」


「―――っ!!」


 全てを覆い尽くすはずだった闇が消え去り、何が起きたのかも分からずアキラが見たのは、のた打ち回るバアルの姿であった。


「ユウシャ…ユウシャアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!

 コロスッ、コロスッ!!

 コロスコロスコロスコロスコロスウウウウウウウウウウウウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ッ!!」


 もがき苦しんでいるバアルに、アキラは近付かずただ結末を見守った。


「ア、アアッ、アアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!

 ユウ、シャッ、ユウシャア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!

 ■■■■■■■っ!!」


 呪いの言葉を吐きかけるバアルだが、アキラには何と言っているのかすら判別する事が出来ない。


 ただ分かるのは、ユーリの体にいる『何か(・・)』はアキラではなく『勇者』を恨んでいるのだという事だけだった。


「……………」


 そして意識が無くなったのを確認してから更に30分後。


 アキラは光の鎧を展開し、更にいざ奇襲されてもいいように光の剣を持ってバアルに近付いた。


「……………」


 まるで憑き物(・・・)が落ちたかのような静寂さに冷や汗を流したアキラだったが、灰の髪を触っても何の反応も見せない事を確認して大きく息を吐き出し尻餅をついた。


「……ぶはぁっ!!

 ようやく止まった、暴走運転したトラック以上だな……こわかったぁ」


 アキラは意識を失ったバアル、否、欠片を失い本来の肉体の持ち主であるユーリの頬を突くが、何の反応も見せないことに安堵した。


 これ以上の戦闘となると、自分の魔力が足りないと危惧していたのである。


「そういえば、あの時ちょっとしかステータスが見れなかったし、もう一度見させてもらうか」


 アキラは無魔法の解析を使うと、常識外れのステータスを見る事となった。



 ―――――――――――――――――――――

 名前:ユーリ・ミツミネ(葵・三峰)

 種族:ハーフエルフ

 称号

 受け継ぎし者

 秘術継承者

 灰銀の魔王

 白金の魔王 *Lost

 万象の賢者

 性別:男

 年齢:11

 魔法適正値

 火:100

 地:100

 水:100

 風:100

 無:100

 樹:100

 闇:100

 光:80

 空間:100

 精霊:100

 ―――――――――――――――――――――



「……異世界転生、って奴か?

 俺の場合はトリップだから、アオイはそうなんだろうな…。

 にしても、このチート振りは恐ろしいな、さっきの魔王関連も称号のどれかが原因…なのか?」


 アキラはどういう事なのか推測を立てようとしたが、魔力を短時間に大量に使った反動か意識を保つのが難しくなり始めていた。


「ま、まずい、またあんな暴走を起こされた時に魔力が足りなかったら、俺間違いなく死ぬ…けど、もう、意識が…」


 意識が消え去る前、アキラは苦々しそうに笑った。


 それは、かつての友人との邂逅に、複雑怪奇な運命に感謝を述べたかったからだ。


 これが『魔王』と『勇者』の最初で最後の2人の戦い。


『ヘイロー平原の悪夢』と呼ばれた災厄は、これをもって幕を下ろしたのであった。




読んで頂き、ありがとうございました。

感想など、お待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。