閑話 勇者の軌跡
すごく短いです。
ですが、次は21時投稿します。
なすグラタンウマー
勇者アキラが召喚され2ヶ月が経った。
当初『世界を救ってくれ』などという理解不能の事態にアキラは快く応じたものの、戦闘訓練等とは無縁な世界で生きてきたアキラにとって苦痛の日々であった。
アキラはこの世界の説明をされている途中で自分が秘密裏に召喚されたのだと気付くと、隙を伺って逃げ出そうと考えていたのである。
しかし、訓練はすべて地下で行われ、世界の事を知ろうにも全て本を渡されて勉強するしかないのでどうする事もできなかった。
今は機会を伺うしかないのだとアキラは諦めるしかなったのだ。
更に1ヶ月後、事態が急変した。
『魔王』と呼ばれる存在がエルミナ神樹国に現れたというのである。
教会は慌てに慌て、すぐに選抜隊を結集しエルミナ神樹国へと向かう事となった。
もちろんその中には勇者であるアキラも含まれていて、逃げ出せるかもしれないと考えたが、30人という大人数での遠征に逃げられる訳もなく、仕方無しに訓練をしながらその実力を高める事にしたのである。
しかし、聖女と呼ばれる少女が付きっ切りでアキラを護衛という名の監視を行っていて、安らぐ暇もないのが現実であった。
異世界に残した家族も友人も、そして死んでしまった友人の成人向け漫画の処理も含めて何もかもを投げ出して来てしまったアキラは少しずつだがその精神に偏重を来たし始めていたのだ。
そして慣れない馬車での遠征に次第に体調を崩し始めてエルミナ神樹国に向かう途中にある国、ソラージュ王国にある王都ケルンズに寄った際、アキラは運命と邂逅した。
―――不幸な事に、それはかつての友人との邂逅ではなく、『魔王』と『勇者』という対極の存在として出会うとは、誰にも知る由も無かった。
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