第三話 〜後書き(訂正版)〜
前回編集にしくじってしまいましてとんだ乱文を掲載してしまったことをこの場を借りて深くお詫び申し上げます。推理小説だけにすわ暗号か?と思われた方もいらっしゃるでしょうが、単なる編集ミスです。ごめんなさい。つきましては加筆訂正したものを第三話として掲載致しますので今後ともよろしくお願いします。
〜後書き〜
私は今、とんでもない事をしようとしているのかもしれない。
あの事件を当事者の一人として、ドキュメンタリーという形で蒸し返そうとしているのだから。
思い起こせばとんでもない事件だった。
たかだか十四日間で十名もの芸能人が命を落としてしまった。
各報道機関が一斉に特番や追悼番組を発動させ、三週間もの長きに渡ってその状態が続いてしまった。
それ程までに社会的影響の強い事件であり、被害者達だったのだ。
長野県にあるスキーヤー向けコテージ村`スノードロップ´のコテージの一つに鍵を開けて入るとテーブルの上に生首が置かれてあり、その胴体が鍵のかかっている当人のコテージから発見されるという二重密室から幕を開けたこの事件は、現場に居合わせた全日本ディテクティブカンパニー(通称アジディック)の四人の探偵達によって一応の解決を見たものの、本当にこれで良かったのかと思うのだ……。
今になってもう一度事件を見直し分析してみた結果、浮かび上がって来たのだ!
別な結末が!
『真相は他にある』
その確信をもっているものの一人として、また、あの凄惨な光景を最後まで見せられ続けたものの一人として私にはスノードロップ事件の真実を白日の元に晒す義務がある。
それを今回、このような形で果たそうと思うのだ。
誠に残念かつ悔しいことに、私は警察官ではない。
一度解決してしまった事件には、手を出す事が出来ないのだ。
だからこそペンの力なのである。
本書を発刊するに至って、より多くの方々に事件の全てを知って頂く事が出来る。
そうなれば、いずれ私と同じ結論に達する方も出て来るだろう。 その数が多いほど騒ぎが大きくなり警察も再捜査に乗り出さざるを得なくなって来る。
私は読者諸氏にそのことを期待しているのだ。
賢明なる読者諸氏にはそれが可能であると信じている。
追伸
本書がドキュメンタリーであり私が関係者である以上私も作中に本名で登場している。
もしお暇なら鬼怒川とは誰なんだ?
という謎解きにも挑戦していただきたい。
そうすればきっと、また違った事件の姿が見えて来るだろう。
2004年
4月30日
『鬼怒川 蜜柑』