ほらな、やっぱりやばくなったじゃん。
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は10/24(土)投稿予定です。
次の階層へ降りた一行はまた一層薄暗い地下迷宮に変わる。
階層が下へ行くほどに構造がしっかりするのか。
先ほどまでは岩肌剥き出しの洞窟の中を探索している感覚だったが、今度は地下水路のような石レンガの道を歩く。
前方にいるメンバー達も物珍しくあちこちを見渡しているが、進む事を反対していたコーデリアとヴェインだけは警戒しつつ進んでいるようだった。
「なんだぁー意外と何にもなくない?」
誰かの言った言葉に一気に周りのメンバー達は警戒心を解き始める。
すぐに魔物が出現していた前の階層に比べてあまりに静かで人工物の中にいる環境の錯覚がそうさせたようだ。
言い出しっぺのモブがほらなと続いて同意する。
「意外と大丈夫なんだよ。階層が変わるぐらいで魔物が強くなるわけじゃないって。」
それに出てこないしと言えばだんだん不安になっていたメンバーも同意する。
だがアイリスは知っている。
静かすぎる方が問題だとーーー。
それはヴェインもコーデリアも、そしてあれだけ階層へ行く事を言っていた王太子もこの異様さに警戒し始めた。
それに気がつかない彼らは先に見える開けた場所を見つけた。
「なんだあそこ?」
「馬鹿!行くな!」
モブ男を止めようとヴェインが声をかけるが、何か気に障ったか、ムッとした態度でヴェインを見やる。
「なんだ?怖気付いたのかよ」
そう言ってせせら笑い、さらに奥へ向かい進む彼にヴェインは声を荒げる。
「おい!戻ってこい!」
「大丈夫です!安全だって事証明しますよ!」
意気揚々行く彼にざわつくメンバーを他所にアイリスは違う気配に気づく。
真っ先にコーデリアの守れる範囲へとアイリスは構える。
その行動にコーデリアがいち早く理解した。
「アイリス!お願い!」
そん言葉の意味にアイリスは嫌々ながらもコーデリアの言葉に従う。
アイリスが防御魔法を使ったのと何かが振りおろされたのは同時だった。
「う、うわぁぁ!!」
恐怖の叫びが響き渡る。
男子生徒の頭上には人間では到底持てないほどの牛刀の刃が防御魔法の膜を破壊しようと振りおろされ、それを持つ牛の姿をもつ魔物がこちらを見つめていたからである。
「あれはタルタロス?!こんな階層で決して現れない魔物だぞ?!」
知っている王太子が驚愕する。
当たり前だ、タルタロスなんて50階層に出てくるそんな魔物ここで遭遇することなんて万に一つもあり得ない。
アイリスは冷静に自分の腰に下げている自分の愛刀を手に取った。
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