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初めてのクエスト 【挿絵】

 「受付で話を聞いてきた」


 俺はレアに言われた通り、ギルドメンバーへのなり方を聞いてきた。レアも来いよ、とは思ったが。


 「ギルドメンバーになる方法は簡単だ、クエストボードに”初心者向けクエスト”というのがあるから、それを達成すればそれで良いらしい。それでブロンズ、つまり一番下のバッジが支給されるわけだ」


 「へぇ、結構簡単そうですね」


 まるで他人事のように感想を述べるレアに疑問を覚えたがツッコまないでおいた。


 「簡単かどうかは初心者向けクエストの内容次第だな」


 そしてクエストボードの前に移動する


挿絵(By みてみん)


 「でけえな…」


 よくこんなに依頼が集まるものだと言いたくなるほどクエストボードは大きい。その中にひよこのようなスタンプが押されたクエスト用紙がある。


 「コレか」


 畑を荒らすウルフの討伐…、ゴブリンがいる森の薬草の採取…、ちょっとこれ、難易度高いんじゃない?とギルドに抗議したくなる。もうちょっと優しいクエストは…


 「これはどうですかね?」


 レアが持ってきたクエストは…


 【城門の警備】

 アルスター城の城門の警備をお願いします。

 この度、兵士の一人が私用ができ、一日のみ、その代わりの警備兵を募集しております。

 見張りを行うだけですので、何も起こらなければ、立っているだけで完了となります。


 「おお、いいなぁコレ!」


 「ですよね!では頑張ってくださいね!」


 「お前も来るんだよ!お前の分も俺が見張りしててやるから!」


 「それなら別にいいですが…」


 なんで若干不満そうなんだよ、この寄生女神は。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


――アルスター城――


 警備兵の駐屯所で俺とレアは今回のクエストの説明を聞く。


 「お前達には今回できた穴の時間、夕方~夜間の見張りをしてもらう。寝たりするなよ?侵入者があった場合はそれなりの処罰を覚悟してもらう。」


 若干の脅しの入った説明を聞きながらも俺は割りと弛緩していた。なぜなら、俺達が警備にあたるのはたった一日のうちの6時間のみ。その間に事件などそうそう起こるはずがないからだ。立っているだけでギルドメンバーになれるなんて余裕すぎるぜ。


 この時の俺は理解していなかった。なぜ一見、楽に見えるこのクエストが誰も受注せずに残されていたのか。その意味を。

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