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アストレア学園物語  作者: 愛庵苦労


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9/9

「ん」は無理

図書塔の空気は、まだ重かった。

オリアナは崩れ落ち、エミリア様は涙を流し、

カールも殿下も、私を守るように立っている。


そんな中で――

胸の奥が、ずっとざわついていた。


(私……何か、大事なことを思い出しそう……)


キッドが静かに近づいてきた。


「アイリーン。

 君の魔力について、話さなきゃいけないことがある」


「私の……魔力?」


キッドは頷いた。


「君の魔力は“危険を察知する”特性を持っている。

 普通の魔力じゃない。

 むしろ――“王家の血筋”に近い波長だ」


「えっ……?」


殿下が驚いた顔で私を見る。


「アイリーン……君は、王家の魔力に似ている?」


「そ、そんな……私は平民で……」


ケビンが静かに言葉を継いだ。


「平民として育てられたが……

 本当は“王家の分家”の血を引いている可能性がある」


「わ、私が……?」


頭が真っ白になる。


キッドは優しく言った。


「だから君は、魔力を抑え込んで生きてきた。

 気づかないうちにね。

 でも、危険が迫ると魔力が反応する。

 昨日のスープのときみたいに」


(私……そんな力が……?)


殿下が一歩近づいた。


「アイリーン。

 君が特別なのは、魔力のせいじゃない。

 君自身が……優しくて、強いからだ」


胸が熱くなる。


崩れ落ちていたオリアナが、震える声で言った。


「アイリーンさん……

 あなたがそんな力を持っているなんて……知らなかった……」


「オリアナさん……」


「わたくし……ただ、殿下の隣に立ちたかっただけ……

 でも……あなたを傷つけて……

 エミリア様まで……」


エミリア様がそっとオリアナの手を取った。


「オリアナ……

 わたくしは、あなたを友達だと思っているわ。

 だから……もう、こんなことはやめて」


オリアナは涙をこぼし、エミリア様に抱きついた。


「ごめんなさい……ごめんなさい……!」


その姿に、胸がじんとした。


(憎む気持ちなんて……もう、ない)


私は深呼吸して、みんなの前に立った。


「私……逃げない。

 自分の力が何であっても、ちゃんと向き合う。

 そして……誰かを傷つけるためじゃなく、

 守るために使いたい」


カールが笑った。


「それがアイリーンらしいよ」


殿下も微笑む。


「君の決意……僕は誇りに思う」


エミリア様も頷いた。


「わたくしも……あなたを応援しますわ」


オリアナも涙を拭きながら言った。


「わたくしも……もう二度と間違えません」


ケビンは静かに言った。


「これで……すべて終わったな」


キッドが肩をすくめる。


「いや、始まりだよ。

 アイリーンの“本当の人生”のね」


図書塔を出ると、春の風が吹いていた。

空は青く、光が眩しい。


カールが隣に立つ。


「アイリーン。

 これからも……ずっと一緒にいたい」


「カール……」


殿下も、優しく微笑んだ。


「君が選ぶ道がどんなものであっても……

 僕は君の幸せを願うよ」


胸が温かく満たされる。


(私……こんなにたくさんの人に支えられていたんだ)


私は笑った。


「ありがとう。

 みんなと一緒なら……どんな未来でも怖くない」


風が吹き、桜の花びらが舞う。


その瞬間――

私の魔力が、ふわりと光った。


暖かく、優しく、

まるで“祝福”のように。


(これが……私の力)


私はその光を見つめながら、静かに誓った。


――この力で、みんなを守る。

 そして、幸せな未来をつくる。


物語はここで終わる。

でも、私たちの未来は――これから始まる。

どこかの首都名とか神様の名前は知っているけど、タイトルに使えるかと言うと……ねぇ?

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