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無属性と判定された俺、実は世界の理から外れた【例外】でした。〜攻撃が当たらない上に魔法陣すら掴める俺が、聖騎士を圧倒する  作者: 真波 蓮


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第45話 決着――最大と最適

 静まる。


 残っているのは二人だけ。レインと、アルト。


 アルトはすでに雷を纏っている。完全ではない。でも蓄積は残っている。


 レインは息を整える。身体は重い。さっきの衝撃がまだ残っている。


(……いける。触れている。終点に。完全じゃない。でも届く)


 アルトが踏み込む。速い。一直線。拳が来る。


 レインはそれをズラす。軌道が外れる。当たらない。次の瞬間、雷が弾ける。放出。衝撃が広がる。


 アルトは止まらない。


「『スパークコンプレッション』」


 短く再詠唱。雷が収束する。再び蓄積が始まる。


 二撃目。ズラす。当たらない。また回避。また外す。連続。回避されるほど雷が増える。密度が上がる。音が変わる。


(まずい。避けるほど溜まる。このまま避け続ければ、その先で終わる)


 アルトが踏み込む。三撃目。重い。さっきより明確に。ズラす。でも衝撃が強い。肩をかすめる。体勢が崩れる。


 アルトの足が動く。次で来る。最大で。


(……これは)


 レインの視線が落ちる。地面。そこに残っている。薄く。でも確かに。


 クラウスの魔法陣。さっきの戦闘で残ったもの。誰も気にしていない。ただそこにあるだけのもの。


 レインは手を伸ばす。触れる。普通なら触れられない。構造。式。固定された形。


(……でも関係がある。だから掴める)


 指を閉じる。引く。地面から剥がす。魔法陣がわずかに歪む。そのまま振る。投げる。一直線。アルトの足元へ。


「……は?」


 誰かの声。遅い。魔法陣が触れる。展開。足元で起動する。


 一瞬。ほんの一瞬。アルトの動きが止まる。


 それでもアルトは止まらない。踏み込む。そのまま。


「『スパークコンプレッション』」


 もう一度。詠唱。最大まで乗せる。雷が膨れ上がる。一直線。レインへ。


 レインは動かない。逃げない。視線を固定する。終点を見る。


 手をかざす。何もない空間。その一点。そこに触れる。掴む。引く。弓を引くように。空間が張る。空気が歪む。張力が溜まる。限界まで。


 放つ。


 同時。アルトの拳が届く。雷が解放される。圧縮された蓄積が、すべて放たれる。


 二つが、ぶつかる。


 衝撃。音。光。すべてが弾ける。視界が白に染まる。


 ただ。結界が弾く音だけが、響いた。


 土煙が落ちる。ゆっくりと。視界が戻る。


 立っているのは、レインだった。


 肩で息をしている。全身が崩れそうなほど揺れている。でも立っている。


 その先。アルトが倒れている。動かない。でも表情は静かだった。納得したように。

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