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File4―8 怪力強盗と血色の悪魔 〜イラVSウィンニュイ&バーン隊VS怪盗ダッシュ〜

 〜イラ・ペルト〜


 私は走りながら、ライトくんを探す。

 探偵さんに頼まれた使命を果たすべく――だけど、ちょっと無理かも……。


「お待ちなさい」


「嫌です!」


 さっきからかれこれ何分くらいになるのか。

 私とウィンニュイさんは延々と追いかけっこをしていた。

 ウィンニュイさんは、その気になれば私なんて簡単に捕まえられるはずなのに、全く捕まえに来ない。完全に遊びに来ている。

 その事が、なんだかめちゃくちゃムカついた。

 けど、やるならひと思いにやってくれ、と頼む訳にも行かない。探偵さんに、ライトくんを呼んでこいと頼まれたから。

 ライトくんを探すまでは、とにかく走り続けなきゃ。

 私は今の状況を打開するために、探偵さんに貰った道具袋アイテムポーチをまさぐった。何か有益なアイテム、無いかなぁ……?

 そして、コツンと人差し指に触れた、硬くて小さい、ほんの少しだけちょんと冷たい何かをつまみ出し、取り出してみる。


「……なんですかこれ」


 出てきたのは、たった一つのビー玉だった。

 透明なガラス玉の中に、碧の軌跡が水流のようにうねっている。

 使い方の説明書とか、無いんだよなぁ……。探偵さんに渡されたものだし、ただのビー玉ではないんだろうけど。


「……いいや、投げちゃえ」


 私はそのビー玉を、ウィンニュイさんに向けて投げつけた。

 探偵さんの使う道具だし、そこまで難しい使い方ではないだろう。そう考えての行動だった。

 ビー玉はウィンニュイさんの高く整った鼻の頭に触れようか触れまいか、といった絶妙な所で、彼女自身の手で弾き飛ばされた。


「ビー玉遊びは別の機会にやりましょう」


「遊んだつもりは無いんですけどねっ!?」


 ウィンニュイさんが絶妙に煽ってくる。

 薄く笑ってるし、絶対故意だ。

 私はとてつもなくイラッとした。

 不機嫌になりつつも、もう一度袋から適当に道具を取り出す。


「……ってなんですかこれ?」


 私が取り出していたのは、黒色のフォークだった。

 フォークと言っても、農作業とかに使うアレではなく、お肉とかを突き刺して食べるのに使うあの食器。

 ……これ、何に使うんだろ?


「――【親愛なるリヨンは海を泳ぐ。リヨンは突如沈んでしまう。何故か何故かと潜ってみれば、彼の足には細い腕】――【もっと深くに沈め込む(ダイヴトゥディープ)】」


 背後から、魔力を紡ぎ出すウィンニュイさんの詠唱が聞こえてきた。【魔法】を撃つ気なんだ。

 焦る私は、手に持っていたフォークの事も忘れて必死で走る。すると、目の前に直進、右折、左折の選択肢(分かれ道)が見えてきた。王城ほど広いならば、廊下でも交差点が出来るのだろう。

 私は咄嗟に右へ曲がった。その先は階段だった。

 私は飛び降りるように駆け下り、あっという間にその階段の踊り場に着地した。

 これで、少しは離したはず――。

 だけど、この時の私はすっかり忘れていた。

 ウィンニュイさんはやたらと影を操る魔法を好むこと。

 そして、光がある限り、影からは逃れられないということ――


「ひゃうっ!?」


 ウィンニュイさんを確認しようと振り向いた私は、背筋を撫でた冷たい感触に声を出した。

 それを引き金に、私の全身は一気に幾本の細くて黒い腕に掴まれた。

 これ……影の腕!?

 影の腕は、私の背後にある壁から生えていた。より正確に言うなら、壁にできた私の影から。

 影の腕は驚く私を余所に、目や鼻、口を塞ぎ、髪を引っ張り、腕や足、腰などを強引に爪を立てて掴み、自分達の生えている私の影へと引き寄せた。

 前が見えない。息が苦しい。髪の毛が引っ張られ、とても痛い。爪が全身に食い込んで、私は苦悶の声を出した。


「……これなら、チェックメイト、ですかね?」


 曲がり角から全身を現したウィンニュイさんは、のんびりと階段を降りてくる。

 影の腕に掴まれて壁に縫い付けられている私は、それを黒い指の隙間から黙って見ているしかなかった。

 ウィンニュイさんが手をくるっと翻すと、私の顔を掴んでいた影が消えた。


「……これなら話も出来るでしょう、イラ?」


 ウィンニュイさんの姿が、全身がはっきりと目視できるようになる。

 ウィンニュイさんはいつものクールな表情だったが、その中に若干、勝ち誇るような笑みを浮かべていた。

 私はそれがたまらなくムカついたので、探偵さんのように強がってみる事にした。


「……影の腕の爪が食い込んで、腕とか腰とか痛いんですけど」


「爪切りをサボったんでしょう」


「……冗談のつもりですか?」


「ええ。和ませようかと」


「冗談下手くそですね」


「……」


 ウィンニュイさんは無言で再び手を翻す。

 その途端に、私の全身を掴んでいた影はもっと爪を立てて私を強く掴んできた。

 私はとても耐えられなくなり、叫んだ。


「痛い痛い痛い!? あっ、あのっ、痛い、痛いです!? やっ、やめて!」


「すみません。ユーモアセンスが無いもので……遊び心や洒落っ気というものを知りません。だから、格下の相手でも真面目に痛めつけてしまいます」


 ……そういうウィンニュイさんの表情には、いつも通りの薄氷のように透き通る整った顔の中に、若干だけど確かに怒りの感情が読み取れた。

 この人……冗談下手くそって言われたのめっちゃ気にしてる……。


「ああ。私にもっと茶目っ気でもあれば、こんなに強くは拘束しないのでしょうね。痛めつけもしないでしょう。全ては私の冗談が下手くそなのが原因です。ごめんなさいイラ」


「あぁっ、痛っ、あのっ、じょっ、ううっ、もがっ!?」


 何とかさっきの下手くそという言葉を取り消そうとするも、声にならない呻き声しか出なかった。

 更にウィンニュイさんは手を翻し、私の口の中に影の腕の握り拳を突っ込んできた。

 まるで猿ぐつわのようにして、強引に口を最大まで開かせる影の腕。

 顎が痛い……指が何度も喉の奥に当たって、その度に嘔吐えずいてしまう。……あっ、やば、よだれが唇の端から……!

 この拳を口の中から取り外そうにも、全身を影の腕に掴まれているせいで身動きが取れない。爪はどんどん私の肌に食い込んでくる。痛い……!


「がごっ、うぇっ、あぐ、がっ!」


「何言ってるかわかりませんよ」


 ウィンニュイさんはそう言うと、近くまで来て私の頬を撫でた。


「さて、それじゃあ気絶させますかね」


「ごっ!?」


 そのウィンニュイさんの言葉に、私はたまらなくなり、誰かに助けを呼ぼうと叫んだ――けど、口の中の拳のせいで叫び声にならなかった。

 ウィンニュイさんは何やら、私を気絶させるためであろう魔法の詠唱を始めてしまった。

 どうしよう……どうしよう!?


「うぐっ、おぇ、ふぼっ」


 私は取り落としてしまった道具袋アイテムポーチを視界の隅に発見した。

 あんな所に……! 全身掴まれてるから、あんな所に届きっこないよ!

 私はもがもがと、よだれが零れてしまうのも構わずにもがくことしか出来なかった。

 ……だけど、ウィンニュイさんの詠唱は、完成に近づいていた。


「――少しだけさよなら王子様】――【刹那の眠り姫】」


「がっ……ば?」


 ウィンニュイさんの手の平から、緑色の煙が上がった。

 そして私は、それを嗅いだ途端に眠気がどっと押し寄せてきた。

 うう……眠い。


「あ……ぁぅ……」


 暴力的なまでの眠気に抗えない。

 ただただ……ずぶずぶと……沼に沈むみたい……に……






 ――破裂音。






「――ッ、!?」


 私の目は瞬時に覚めた。

 右手が痛い。熱い。

 何が起きたのか、横目で確認する。


「……!?」


 右手には、沢山の黒いものがこびりついていた。

 これ……何?

 ウィンニュイさんはと言うと……頭を抑えて、もがき苦しんでいた。


「え……何……?」


 そう言えば、右手には黒色のフォーク持ってたっけ。

 あのフォークが破裂したのかも……なんで?


 これは後で聞いた話だけど、私の持っていた黒いフォークは『四苦フォーク』という魔法道具マジックアイテムだったらしい。

 その効果は、持ち主のダメージを自動で感知し、ダメージの度合いに比例して込められた魔力の純度を高めていき……そして、一定量のダメージが蓄積された所で、破裂。

 破裂した際に、周囲にいた人全員に何か不幸な事が起こる……らしい。

 それは例えば、顔に知らぬ間に思い当たりがない落書きがされてたり。酷いとどこかの骨が折れてたり、どこにも突いてないのに突き指してたりする……。

 何のためにこんな道具を入れておいたんですか、と探偵さんに聞いた所、『情報屋の占い師、ウラナさんに無理やり押し付けられたのをすっかり忘れてた』んだって。


 で、今私に起きた不幸は、右手の軽い火傷。めっちゃ痛いけど、破裂音に驚いたのか、私の体を掴んでいた影の腕はすっかり全部引っ込んで消えていた。


 ……だけど、ウィンニュイさんは。

 未だにずっと、頭を抑えている。時々、『痛い』とか『許して』とか聞こえてくるし……。

 苦しみ方が尋常ではない。


「ウィ、ウィンニュイさん……?」


 私はヒリヒリと痛む右手を抑えつつ、ウィンニュイさんに寄った。

 ウィンニュイさんの目は何かに怯えるように震えていて、歯もギシギシと食い縛っていた。


「来ないで……いや……!」


「あ、あの」


「やだっ!」


 私がウィンニュイさんに手を伸ばしたその時。

 彼女自身が、私の手を拒絶した。パシン、と軽い音が鳴り、私は差し伸べた手が払われたのだとわかった。


「ぁ……ごめんなさい……ごめんなさい」


 ウィンニュイさんは、ガクガクと震えながら謝り続けた。

 これは、私への詫びなのだろうか。それとも……。

 ウィンニュイさんは、最後に追いすがるように、虚空に手を伸ばした。


「二ュエル……ゥ!」


 そして、ウィンニュイさんの目から光が消え――なかった。


「ぅあッ!?」


 ウィンニュイさんの目の光が見えた、その刹那の出来事。

 私は吹き飛ばされていた。壁に背中を強打し、息が一瞬止まる。


「……は、ぁ。やってくれましたね、イラ……少々殺意が止まりません」


 頭痛に耐えるように頭を抑えたウィンニュイさんは、ゆらりと立ち上がる。

 荒い吐息と共に、ウィンニュイさんは言葉を発し続けた。


「私の“過去”を思い出させるとは……どこで知りましたか? 私の出自」


「え……はい?」


「……知らないんですか?」


「何のことやらさっぱり……」


「……なるほど。さっきのフォーク型の道具のせいでしょうか。イラ。あの道具が何なのかご存知ですか?」


「……いいえ」


「なるほどわかりました。少なくとも、あなたは特に悪くないということだけは」


 後で探偵さんに聞いたあの道具『四苦フォーク』の情報と、ウィンニュイさんの今の言動を基に考えれば、この時ウィンニュイさんに起きた不幸は『“過去トラウマ”の強制的フラッシュバック』というものだったのだろう。

 ウィンニュイさんが過去に何を体験したのかは知る由もないけど……何か、凄く悪いことをした気分。

 だけど、法律的に考えればウィンニュイさんの方が悪人なのだ。個人的に全く実感湧かないんだけど。


「さて、イラ……不調子ですが、続きを始めましょうか」


「……!」


 私は、さっきの影の腕に掴まれた時の地獄のような苦しさを思い出し、咄嗟に身構えた。

 もう、あれは嫌だ。二度とゴメンだ。

 私は階段をバックに威圧してくるウィンニュイさんを睨みつけた。

 その時だった。


 トーン、トーン。


 何かが階段を転がり落ちてくる音がした。

 目を凝らしてその音の原因を見つけると、それは何とさっきウィンニュイさんに投げたビー玉だった。透明な球体の中に、碧の軌跡が水流のようにうねる、あのビー玉。

 あの時、ウィンニュイさんに弾き飛ばされたビー玉は、奇跡的に壁を跳ね返ったりなどして、この階段まで転がり落ちてきたんだろう。

 けど……ビー玉一つで、私とウィンニュイさんの差は埋まるわけがない。

 そう、歯噛みした瞬間。


 パキ、とビー玉が割れた。

 恐らく、さっき弾き飛ばされた時にヒビが入ってしまったのだろう。

 そのヒビを起点に、丸い透明な球体にビシビシッと亀裂が走る。

 やがて、割れたその亀裂の隙間から、碧光が漏れ出して――


「「―――!?」」


 私とウィンニュイさんは揃って目を見開いた。

 ビー玉の中の碧の軌跡が、まるでヘビ花火のようにうねり出てきたのだ。

 その碧の軌跡は、どうやら流動する液体で出来ているようで……次の瞬間、それは私達二人に襲いかかってきた!

 ざぱぁ、と液体に押し流される私達二人は、そのまま階段を流れ落ちていった。

 そして、落ちた先には――


「うわっ、何この水……って、イラちゃん!?」


 ――エルさんがいた。



 ****



 〜憲兵隊VS怪盗ダッシュ〜


 バーンをリーダーとする一二人編成の憲兵隊が、怪盗ダッシュと偶然遭遇してから数分が経った。

 バーンの右足が弾丸のような速度で放たれる。

 ボッ、と着火音のような空気の音が聞こえてくるその蹴りは、ダッシュの左腕を捉えた。


「がァっ!?」


 ダッシュがよろめく。


「やるなら今です、ガリウスにアウラ」


「了解っス」

「はいはーい」


 その隙をついて、バーン隊の会計兼参謀である『リキラ・クイグラス』が二人――『ガリウス・レイディウム』と『アウラ・ミルユーゼヴ』――に指示を出す。

 二人は赤く発光する警棒を持ち出し、息の合った動きで十字を描くようにダッシュに打ちつけた。


「くっ、ンの野郎!?」


 ダッシュはガリウスとアウラを目で追いかけるが、その先にいたのは――


「怪盗さん、刺激的なのはお好き?」


「僕は嫌いかな」


 ――銃を構えた、女の憲兵と幼い憲兵。名前は女の方が『ラヴィー・メルスエナ』、幼い方が『ミュー・ミュール』という。

 電撃の付呪エンチャントを施した銃弾が三発、ダッシュを撃ち抜いた。

 ダッシュの動きが電撃によって鈍くなる。

 そこに――


「行くぞ、電気小僧!」


「その名で呼ぶんじゃねぇ!」


「二人とも落ち着いてください〜〜〜〜〜……っるせェから」


 ――三人の憲兵。二人の男に一人の女。

 それぞれ獅子型獣人族の『アステロル・サリバントス』、電気人間型怪人族の『ジャッカー・エレキズム』、兎型獣人族の『ネネリート・ミミエル』だ。

 ネネリートの最後の黒い呟きは、誰にも聞かれることなく虚空へと霧散した。


「一撃ッ!」


「――このっ」


 アステロルは獅子へと【獣化】し、獰猛で尊大な爪の一撃をダッシュへ叩き込む。

 ダッシュは【超怪力フルパワー】で筋肉を膨れ上がらせ、即興で筋肉の鎧を作るも、鋭い爪の凶刃は確実にダッシュにダメージを与えた。


「二つ目ェ!」


「ガァァァァァァ!?」


 そして、隙のできたダッシュに、電撃の猛襲が降り注ぐ。

 ジャッカーの持つ杖から魔法陣が編み出され、それから激しい電流が流れていた。

 そして――


「最後ですぅ〜〜〜〜〜よッとぉ!」


 ――ネネリートの拳鎧ナックルの一撃が、確実にダッシュの肉体を捉えた。

 着拳の衝撃で、辺りに砂塵が舞う。この砂塵は主にダッシュが城内を破壊していった際に生まれたものだ。

 勝負あり――そう、ネネリートが形の良い唇を釣り上げたその時。


「……いいじゃねぇか」


 ネネリートは、砂塵の中から聞こえてきた声に目を見開く。

 そして、その時に自分の拳が()()()()()()()()()ことに気がついた。


「まさか――」


 そうネネリートが呟くのと、彼女が投げ飛ばされたのはほぼ同時。

 彼女は何やら叫びながら、廊下を削るように転がり吹き飛んだ。


「悪いが俺の筋肉は特別製でな。炎とか電気とか効きにくいんだわ」


 首を鳴らしながら、ダッシュは不敵に笑い歩いてくる。

 獅子に獣化したアステロルが、牙を剥き出して威嚇するように吠えた。

 ジャッカーも自身の周りに電気の火花を散らし、警戒心を強めた。

 他の隊員も、各々様々な反応を見せる。

 そして、吹き飛ばされて気が立ったのか、本性を隠そうともしないネネリートに歩み寄る二つの影。


「畜生、あの筋肉のバケモンがっ……!」


「おい腹黒兎ィ。本性見えてんぞ」


「そんな言葉遣いしちゃダメですよぉ、先輩。婚期逃しますよ?」


「るっせェ!?」


 二つの影――マスクをつけた根暗な吸血族『キャシィ・ヒュルルル』と天然おっとり森人族『フララ・ウーリオル』――は、ネネリートへと歩み寄った。

 彼女らは衛生兵。傷ついた隊員を癒す役目を持った、非戦闘員だ。


 隊長『バーン・アイシクル』。

 副隊長『リュー・アクセル』。

 会計兼参謀『リキラ・クイグラス』。

 衛生兵『キャシィ・ヒュルルル』『フララ・ウーリオル』。

 そして戦闘員『ガリウス・レイディウム』『アウラ・ミルユーゼヴ』『ラヴィー・メルスエナ』『ミュー・ミュール』『アステロル・サリバントス』『ジャッカー・エレキズム』『ネネリート・ミミエル』。

 この一二人が、バーン隊のメンバーだ。


「皆、気持ちで負けちゃダメであります。ボクもバーン先輩もいるであります!」


 リューは団員皆を鼓舞する。

 そしてバーンは、怪盗ダッシュを見つめながら目を細めた。


「お前ら。人を相手してると思うな……化け物退治する覚悟で行け」



 ****



【背景設定】〜憲兵隊 バーン隊メンバー〜


 バーン隊の特徴……戦闘員重視の実力行使型。上からの信頼も厚く、着々と実績を積み重ねている。


 憲兵支給武器……様々な付呪エンチャントが付与できる汎用性の高い『警棒』『銃』、ユニークで大きな力だが汎用性は低い『拳鎧』『魔杖』、そして一部の者にだけ与えられる『特別武器』の五種類がある。


 隊長――『バーン・アイシクル』……覚醒済みの人間族。レフトを煽るのが趣味。好きな食べ物はかき氷。使用武器は特別武器である『ウチワアックス』。


 副隊長――『リュー・アクセル』……機人族。ライトが大好き。ライトを印刷した抱き枕カバーでも作ろうかと目論むが、流石にそれは気持ち悪いかもしれないと考え直す。使用武器は自身の【機能ファンクション】と連動可能な特別武器『炎刃えんじん』。


 以下その他団員


 戦闘員――『ラヴィー・メルスエナ』……女性の怪人族。【変身】すると人魚のような姿になる。水中戦などの要である。二三歳。好きな食べ物は辛い物。常にマイ香辛料セットを持ち歩く。使用武器は警棒と銃と変身後に使える高圧水流。


 戦闘員――『ガリウス・レイディウム』……男性の地人族。二三歳。地人族とは思えないほどに細身で線が薄い。同輩であるラヴィーの事を訓練生時代から片思い中。さり気ないアプローチの甲斐もあり、気軽に飲みに誘える位の関係にまで発展。ラヴィーの方もまんざらではない。使用武器は警棒と拳鎧と自身の超怪力フルパワー


 戦闘員――『アウラ・ミルユーゼヴ』……男性の森人族。ガリウスの相棒バディ。二三歳。ガリウスとは幼年からの幼馴染であり、彼の恋路を応援する。実は自分もラヴィーが好きなのだが、親友のためにそれをずっと隠し続けている。自作のポエムを書き溜めるのが趣味だが、溜まりすぎて隠し場所が段々無くなってきたことに焦りを感じている。使用武器は警棒と魔杖。


 戦闘員――『ミュー・ミュール』……男性の人間族。一六歳。バーンに憧れてバーン隊に入隊。一五一センチと小柄である事や中性的な顔立ち、バーン隊最年少であることからマスコット的な立ち位置に収まりつつある。だが、銃の腕前はかなり高い。よって、使用武器も銃。覚醒はしていない。


 戦闘員――『アステロル・サリバントス』……男性の獣人族。獅子ライオン型。二六歳。荒い気性と思い切りのいい性格から、この隊の切り込み隊長のような役目を担っている。本来ならば彼がバーンの相棒バディとこの隊の副隊長を務める所だったのだが、彼自身が『バーンは超えるべき壁でいてほしい』という願いもあり、その二つを辞退した。使用武器は警棒と拳鎧と【獣化】による爪や牙。


 戦闘員――『ジャッカー・エレキズム』……男性の怪人族。一九歳。変身すると全身に電気が走る電気人間になる。自分の力の誇示欲が強く、問題行動を度々起こす。病弱で寝込んでいる森人族の兄が一人いる。使用武器は警棒、銃、拳鎧、魔杖。


 戦闘員――『ネネリート・ミミエル』……女性の獣人族。兎型。二〇歳。ヒットアンドアウェイを得意とする。また、本人はほんわか系女子を名乗っているが本性はかなりの腹黒。好きな食べ物は甘くて可愛いスイーツ(は建前キャラメイクで、本当はドロッドロの豚骨スープにバリカタ麺に背脂ニンニクマシマシにしたジャンキーなラーメン)。使用武器は拳鎧。


 衛生兵――『キャシィ・ヒュルルル』……女性の吸血族。一七歳。根暗なオタクだが、やる時はしっかりとやる。常にマスクをつけており、素顔を見た事がある者は誰一人としていない。よく知りもせずにアニメの話題を振ってくる奴が死ぬほど嫌い。衛生兵には治療用の道具が与えられるため、使用武器はない。


 衛生兵――『フララ・ウーリオル』……女性の森人族。一九歳。回復魔法が得意であり、その才能を憲兵隊に入っても存分に発揮。天然なおっとり系であり、ネネリートの目の敵にされている……が、大体おおらかなオーラでネネリートの戦意が消失される。新人であるミューのお世話係でもある。


 会計&参謀――『リキラ・クイグラス』……男性の人間族。二四歳。計算が得意で、運動はからっきし。メガネを光らせながら黙々と計算をするその姿はまさにプロの相貌。キャシィとは、お互いに寡黙で話が苦手なためか、類は友を呼ぶという感じでよく一緒にいる。そこに恋愛感情などはない。

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