#058「ヒトコエ」
@ロビーラウンジ
茨木「テイクスリー、行くでぇ」
酒呑「ヨーイ、スタート!」
♪軽快なビージーエム。
修羅「常世で一番、ヨドヤ」
弥勒「電話は一〇五四、ト・コ・ヨ」
真理「お盆、お彼岸、お正月。帰省先にお困りの皆様に朗報です」
不動「一級河川、三途の川の左岸に、リバーサイドホテルがオープンしました」
大日「私、支配人の大日が、アルカイックスマイルと共におもてなしいたします。決して御代は頂戴しません。お客様の幸せが、私どもの幸せでございます」
修羅「極楽にお住まいのかたも」弥勒「極楽にお住まいのかたも」
不動「そうでないかたも」真理「そうでないかたも」
従業員五人「「「「「是非一度、ヨドヤホテルにお越しくださいませ」」」」」
♪軽快なビージーエム。
酒呑「カット! リテイクや」
茨木「なかなか息が合わへんなぁ、自分ら」
修羅「ミーくん、遅いよ」
弥勒「修羅さんが先走ってるんだよ」
真理「もう一呼吸置いてくださいよ、不動さん」
不動「あまりに間を空けると、尺に収まらないじゃないか」
大日「前途多難ですね」
茨木「ゴチャゴチャ言いな。テイクフォー、行くでぇ」
*
修羅「常世で一番、ヨドヤ。電話は、アッ、ごめん」
弥勒「それ、僕の台詞だからね」
茨木「気を取り直して、もっぺん行くでぇ」
*
真理「一級かシェん、リバーしゃイドホテルって何よ。アー、おかしい」
不動「笑うな。川添だって、さっき、おひギャんって言ったじゃないか」
大日「不動くんの台詞は、サ行が多いですね」
酒呑「だからって、噛んでエエっちゅうことには、ならへんよ」
*
茨木「そろそろテープが無くなるさかい、エエ加減、今度で決めてな。――テイク、セブンティーナイン」
酒呑「ヨーイ、スタート!」
♪軽快なビージーエム。
修羅「常世で一番、ヨドヤ」
弥勒「電話は一〇五四、ト・コ・ヨ」
真理「お盆、お彼岸、お正月。帰省先にお困りの皆様に朗報です」
不動「一級河川、三途の川の左岸に、リバーサイドホテルがオープンしました」
大日「私、支配人の大日が、アルカイックスマイルと共におもてなしいたします。決して御代は頂戴しません。お客様の幸せが、私どもの幸せでございます」
修羅・弥勒「「極楽にお住まいのかたも」」
真理・不動「「そうでないかたも」」
五人「「「「「是非一度、ヨドヤホテルにお越しくださいませ」」」」」
♪軽快なビージーエム。
酒呑「カット! オーケーや」
茨木「やっとこさ、息が合うたか。アー、しんどかった」
修羅「何時だろう、いま。――ウワッ、もう昼前じゃないか」
弥勒「四時間半以上、収録してたんだ」
真理「休憩らしい休憩を挟まなかったから、もうクタクタよ」
不動「喉も痛いし、腹も減ったな」
大日「お昼ご飯にしましょうか。午後からも、しなければいけないことが色々残ってますから。修羅くん、弥勒くん、お願いしますね」
修羅「ヘーイ」
弥勒「何があったかなぁ」
酒呑「昼飯やったら、作らんでも大丈夫やで」
茨木「こんなこともあるやろうと思うて、外注してあるんよ。ボチボチ来るんとちゃうかな」
帝釈「毎度、ひんどうやでーす」
鬼子「皆さん、お疲れさまでございます。お弁当を、お持ちしました」
*
修羅「外はカリッとしてて、中からジュワーッと肉汁が溢れてくるから、堪らないよ」
不動「オイ、修羅。唐揚げばっかり食べるな。野菜も食え」
茨木「せやせや。唐揚げは、一人五個までやからな。――酒呑兄さんも、あと一個で終いにせなアカンで」
酒呑「いちいち数えなや。まったく、お前という奴は」
弥勒「抜け目がないですね、茨木さんは」
真理「そうね。全体を、よく見てるわ。――このお弁当は、二人で作ったんですか?」
帝釈「そうだよ。といっても、あたいは言われた通りに材料を切ったり、重箱に詰めたりする補助だけで、調理の大半は姉さんに任せっきりだ」
鬼子「ウフフ。優秀なアシスタントでしたよ。――大勢で囲むと、賑やかで愉快ですね、大日さん」
大日「フフッ。そうですね、鬼子さん」




