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才能屋  作者: ハル
1章 迷子の営業マン
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結果がすべての会社

午前9時、決まりきった朝礼が始まる。


「声が小さい!」「やる気あんのか!」


そんな怒号にも似た指導が飛び交うこの空間は、やる気を出すための儀式ではなく、やる気があるように見せるためのショーだった。


株式会社C-GATE。

一応、広告代理店という肩書だが、実態は「営業会社」の名を借りた体力勝負の電話部隊。

毎日400件近いテレアポ。数で押して、たまたまつながった1件をものにする。

中身より先に数字。人柄より先に結果。


そんな会社で、高峰カケルは4年目の社員だった。


「高峰、お前さ、今月いくつアポ取った?」


朝礼の締めくくり。

まるで公開処刑のように、田嶋課長が声を張る。


「……2件です」


「は? 1日何件かけてんだ? それで2件って、逆に才能だな。笑」


周囲の笑い声。

けれど誰も目は笑っていない。

「お前のポジションにはなりたくない」と言いたげな、遠巻きのまなざし。


カケルは、笑わない。笑えない。

ただうつむいて、「すみません」とだけつぶやく。

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