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第10話 通販はしていない。


17歳、高校生の(おか) 瑠奈子(るなこ)は歴史の授業を受けていた。


お腹減ったよー。あと30分で昼だ。

早く終わらないかなー?


そんな事を思いながら、

ノートにふたつ棒人間を描いた。


どちらとも男性の設定だった。

片方はイケメンで、片方は美形で天才ということで(おか) 瑠奈子(るなこ)は勝手に喋らせている。


イケメン「おい、腹減ってきたよなー」

天才「うん。それなー」

イケメン「瑠奈子も腹減ってきたろ?」

瑠奈子「うん!」


突然、教室が沈黙と化した。


「え、私?!」


岡 瑠奈子は分かった。

今さっきの会話で「うん!」を心の中ではなく口で言ってしまったことを。


ーーー


「平均世界ってなんですか?」

俺は聞いた。


吉武はああ、と言い咳払いをした。

「行ってみた方が早いな。とにかく危険な場所だ。」


「吉武?それはわざわざ危険な場所に俺を招き入れると言っているのか?」


「ああ、そうだ。ただし安全区域がある。………とにかく、飲め」

吉武は、そう言ってウイスキーボトルの口を俺の口に向けてくる。


ちょっと何してくるんですか?と返すが、冗談や悪意では無さそうだった。俺は黙って一口だけ飲んでみる。



一口含めた瞬間、自分の意識が薄れるように感じた。眠いときの曖昧な意識に似ている。いや、それそのものかもしれない。


飲み込むと、平衡感覚が乱れ、同時に感覚のみが脳内に入ってくる。情報の解釈というリソースを感覚に極端に割いたような感じがした。


暫くそれが続き、感覚も意識も戻った頃目の前は今までの景色とは違った。


「あ」

吉武の呆気にとられるような声が聞こえた。



「ほーーーむらんッ!!!!!!!!」

女の声が聞こえた。

木製のバッド(らしきもの)が視界の端に映る。

次の瞬間、俺の頭部にバッドが直撃し、激痛が走る。



ーーー

敷布団の上で俺は汗だくだった。

目を見開き、さっきの夢の記憶を思い出す。


平均世界、能力、そして、あの列号吉武とは誰なのか?

あのバッドは何?


俺はあれで死んだとしたら、今から8時間以内に死ぬ訳だ。


俺は怖くなり、その日は眠れなかった。


眠ろうとしても眠れないのだ。


ちょっとしたライフハックやサプリを飲んでもあまり変わらなかった。

ーーー


もう一度暗い日曜日のサイトを開いてみる。


夢世界ならこのサイトの方が詳しいだろう。

そう思ったからだ。


見落としていたが、サイトの下までスクロールすると、「夢へ安定して接続するサプリ」の広告があった。クリックすると、暗い日曜日のサイト運営がそのサプリの開発、販売をしているようだ。


1粒1000円だった。

千円………高い。とは言うものの、それ以外では買えないのだから仕方ない。



通販はしていないようだった。

暗い日曜日サイト運営の本拠地に行かないと売買できないらしい。


住所を調べると、千葉県だった。

俺は東京に住んでいたので、実際にそこに行ける。

俺は、財布を握りしめ、アパートを出た。

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