エピローグ
「……」
「……せ……い」
「…ん…」
「…先…せ…い…」
「…うぅ…」
「先生ってば!」
「うおっ!?」
「もう!何度も呼んでるのに起きないんだから!」
「…なんだ、渚か。」
「なんだじゃないよ!授業、もう始まる時間だよ!!」
「…え…あぁ…そうか、そんな時間か。」
「もう!でも…大丈夫?先生が寝過ごすなんて…疲れてるんじゃない?普段なら時間ぴったりに来るのに…」
「…すまんすまん。ちょっと疲れてんのかなぁ…でも、今はみんなの方が大変だろ?受験目前だからな!それに比べたら俺の疲労なんてミジンコレベルだろ!!」
「あっ…相変わらず語彙力は低いよね…先生って。」
「うるせっ!しかしなぁ…なんか夢を見てだんだよなぁ。現実とはかなりかけ離れた夢で面白かったんだけど…よく思い出せないんだよなぁ…」
「もう!シャキッとしてよね!私、先に行くから、先生も早く来てね!みんな待ってるんだから。」
渚はそういうと駆け出した。
「おう!すぐ準備していくよ!」
タケシはそんな渚に声をかけると、窓へと視線を向ける。
オレンジの鮮やかな夕陽が差し込む職員室。その窓からは、涼やかな風がカーテンを揺らしている。
タケシは、窓から見える夕陽を眺めながら、優しい笑顔を浮かべると、デスクの上にあった資料を手に取り、立ち上がった。
そして、そのまま職員室を後にする。
誰もいなくなった職員室。
窓から吹き込む柔らかな風が、タケシのデスクを優しく撫でていく。
パラパラと音を立てる一冊の本の横には、タケシがいつも身につけているチョーク型のネックレスが置かれている。
そして、その横には緑色に煌めく小さな石が、寄り添うように佇んでいるのであった。
これでいったん、お話は終わりです。
ご愛読いただき、ありがとうございました!




