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【season2】どくだみも冬に消ゆる

読書さんも納得いかないまま【season2】に突入します。


どこにもいかないはずのゆとり冒険者がseason2ではなんとダンジョンに挑む!?



乞うご期待。

さてさて、いきなりですが半年ほど話は時間が進みます。


( ̄人 ̄)


―特に何も無かったので割愛。


季節は冬に入りました。雪こそは振りませんが比較的温暖とされるこの辺りですら朝方には外のバケツに氷が張り、何かを羽織らなくては外に出る気にはなれません。


オレ達も七輪や掘り炬燵コタツから離れられない日々を送ってます。


一度入ると切羽詰まるまでもう出る気にはならないんで、毎日大変だわー。


「今日も寒いですねー」


雅美ちゃんがプルプルと身を震わせながら外から戻ってきた。


「全くですなー」


オレ作成のドテラを着た雅美ちゃんの自然なしぐさは女の子らしくて可愛らしいのー。


生まれと育ちが男のオレには真似出来んな。

トイレだけは一度外に出て宿屋に行く必要があるのだが、雅美ちゃんが外に行って何をしてきたかは詮索するヤツはいない。


「…ちくしょう、便所したくなってきた。」


健がそんな言葉をわざわざ口にする。小便したいでないと言うことは大の方だろうが、オレらに聞こえるように言わんでいいよ?

女性用は宿屋の暖房器具の熱が届くようになっているから比較的ましなのだけど、外からも入れるようになっている男性用は風通りが良くてシリの寒さが厳しいから限界まで我慢してるらしいんだ。


てか臭ぇ、健の野郎め屁をこきおったな。


「…(」゜□゜)」…」


コタツの中に潜んでいた幼人魚のルカちゃんが無言で窓を開けに行く。

中で暖まってた所わざわざすまんねぇ。


「…うきゅ」オレに向かって『どいて』と押してくるので転がりながら移動。

ルカちゃんはバサバサとコタツ布団の端を上下して、中の空気というか臭気を追い出し始めた。


「「…くっさ」」


ぐはぁっ!?ルカちゃんが息を止めて出てくる訳だよ、中にはとても入っていられないぞ。


「すまんね」


「きゅい」


気にするなとばかりに首を振るとオレの隣に潜り込んできた。

ちっちゃい子供は体温高いというがルカちゃんもそうなんだなー。


「影丞さんだけズルい」


「うきゅきゅW」


雅美ちゃんがルカちゃんの隣に潜り込んでルカちゃんにピッタリと抱きつく。

四角いこたつの一面だけ人口密度が急激に増加。いや一面に対し1人ずつだったのにどうしてこんなにせまぜましくなるのやら…。


因みに、名前は大分前に健が付けた。人魚の鰭がイルカににているからルカと呼んでいる。

健に名前を付けられたルカは、健の使いペットとかそんな扱いになるらしいです。


でも、たまにルカに世話されててルカの方が保護者に見える時があるんだけどね。


「…此処に居るだけなのも暇なんだよな」

コタツに入ったまま真一が呟くのだが、言動の中に動こうという意志は微塵も含まれていない。


そうなんだよね。暇だけど、どこか(狩り)に行きたい訳じゃないんだよ。


夏毛の魔物より冬毛の生え変わった魔物の方が毛皮の価値が高くて良い値段で買い取りされるんだけど、誰が好んで風の吹き抜ける草原を歩きたがるものか。


草も茶色く枯れてるから新しい草なんかもなかなか探せないんだよね。


早く春にならないかなーっと。


雅美ちゃんは、雪が振らないって良いですねーなんて言ってたりするけど、オレらの地方も雪なんか降る事なんかなかったよ。富士山が冬の間は白くなってるの見て登校してたけど、雨が降った翌日に南アルプスが真っ白いって気づいた日なんかは、それだけで寒く感じたもんだったよ。


「娯楽性がないってだけで、生きるだけなら、ここもわりかし良いところだよねー。」


「まぁ、学校のトイレもシリを出すと寒かっ…やっぱり行ってくる」


話に参加しようとしていた健だったが、便意に負けたようだ。

「きゅ!」


ルカちゃんが手近な場所にあったみかんの皮を健の背中めがけて投げるが、軌道が逸れて部屋の壁にペシンと当たる。


「…きゅきゅ」


納得いかない様子で、のそのそとみかんの皮を拾いに行くちっちゃい子。


トテトテと此方に歩いてきて、雅美ちゃんの肩に手を着いて自ら《反省》のポーズをとる。


誰が教えたか知らんが、見た目スゴい破壊力なんだけど!?


なんでもかんでも許されてしまいそうだ…。


「うん、お座んなさい」


「きゅ」


再び隙間にへ潜り込むルカちゃんみかんの皮を掴んだまま離さない。


どうやら、健が戻った所で失敗の雪辱を果たすつもりのようで入口を凝視している。

どの道何度やっても当たらんと思うからやめときなさい…。


さて、他の冒険者にとっては今がまさに書き入れ時。

雪こそ無いが、冬毛に変わった魔物を探して歩いてるというのは尊敬に値するよ。オレらなんか、コタツでぬくぬくしながらみかん食べたり出来てるんだから冒険者失格だねー。


「あんまりお金使う必要もないし宿代に余裕があるうちはこれでいいよ」


真一も、毎日は動く気なんかないけど、たまに一人で狩りに出掛けてんだよ。


目的はパフパフ一択。ウチの男は安心のオープンスケベだから気楽でいいわ。



ダンジョンは、まだまだ先の話になりそうですね(汗

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