閑話:ピーチチチチチ…
「鳥か…」
森のどこかで小鳥が鳴いている、おそらく向こうでヤマガラと呼ぶ鳥みたいな奴なんだろう。おれと真一は二人で走っていたら山の麓まで来ていた。
どうやら、魔の森とやらを縦断してしまったようだ。
途中で遭遇したのは鹿や狼だけだった。
それらを狩る必要もないから木の上を跳ねて撒いてきたが…、魔の森と呼ばれる場所でも、普通の動物が歩いているのは、彼らにとって普通の森と営みそのものはかわらないからだろうか。
人から見て、魔物という存在はかなりの脅威であるが、動物は人のように街を作らない。身を守る為であるなら危険を感じたら逃げてしまえばいのだ。
人間のように土地や財産を持たず必要としない彼らは生き方が人のそれよりずっと強い。
この世界以上の贅沢を知っているおれ達には決して真似できない生き方だ。
影丞が女体化しているだなんて事件がなかったら、力があれば何とかなるこの世界で、今頃ろくでもない人間になっていたかも知れない。
マンガあたりなら、お約束通りにエロ展開になりそうなもんだが、異世界だけに有りがちな展開だけは避けたかった。
…確かに可愛いけどな?影丞は悩みやすいから手を出したりなんかしたら、内側から病むんじゃねぇかと心配でならねぇ。
真一と二人で、決めたわけよ。影丞に手を出しそうになる前に、オッパブ(パフパフ)行こうぜっ!…てよ。
パフパフは男のロマンなんだ。
―適当な木材探して帰ろうか。
閑話終了




