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W森はどうしたW

118二回目

結果群生地だった。ある程度(葉っぱだけで衣装ケース三個分くらい、土付きも同様に確保)確保出来たので、何本か試食する事に。


―なにも手を加えずプレーン(生)でいただきます。


モシャモシャしながら辺りを見渡すが草を刈りすぎてだいぶ開けた場所になってしまっていた。


あえてススキしか見えないから大草原なんて表現したけど、森の中の木の生えてない部分がススキだらけなんだよ。

まだ、森の中には違いない。


「あれ、自然薯かな?」


「ナイスだ影ちゃん。俺が掘る」

木にのたくっていた蔦を指差したら真一が山芋臭いツタの根元を追いかけ根っ子を掘り返す。


「苦いですよぅ」


モシャモシャと春菊(?)を咀嚼していた雅美ちゃんが渋い顔をして訴えかけてきた。


野性味溢れるプレーンだからそりゃあそうだろう。


「無理しないではいていいからね」


「はい…」


そそくさと見えない場所に向かう雅美ちゃん。

だが、煮たりしたら素材の味がわからなくなるからこれも必要な事なんだよ、戻ってきた雅美ちゃんが「お茶貰えませんか」と言うからドクダミ茶を渡してあげたのだが匂いを嗅いで雅美ちゃんが一言。


「ドクダミ臭い…」


躊躇っているがドクダミ茶はドクダミだからな。もし毒性があったりしても大変じゃん?


「…そうゆう事は早くいって下さい」


野草とドクダミのダブルパンチでやや涙目になっている。

もう少し押さえないとオレたちの生き方は雅美ちゃんにはツラいかもしんないな。


「まだ、ちっちゃいのしかなかったよ」


掘り終えた真一の手の上に小石みたいな自然薯がいくつも乗っていた。


「春菊かどうかはわからないけど、毒はなさそうだし食べれない事はないね」


モシャモシャと春菊?を咀嚼しながら真一。


「これなら、しゃぶしゃぶとか鍋に使ってもよさそうだよね。」


毒はない雑味はない、ただし普通に苦い。正に春菊。


「味を確かめるなら湯通しするだけのしゃぶしゃぶじゃないか?」


「そうだね、しゃぶしゃぶにしよう」


「わぁ…い」


うむ、日本人大好きなしゃぶしゃぶでも素直には喜べないか雅美ちゃんよ。このあたりは本当になれるより慣れって奴だよ。


レ ッ ツ ゴ ー モ ル モ ッ ト 


でも、今夜は肉もあるしゃぶしゃぶにするから期待しなされ。


「でも、魔物とかいないんですね」

「あ、もともと海辺はあんまいないよ」


雅美ちゃんが不思議そうにしているが、ここらは魔力濃度も低いし住処じゃないからと真一が説明をしている。


平野の小さな森なんて見つかりそうな場所を縄張りにしてる魔物は極端に強くて広い縄張りを持つ個体か小物のどちらかだからね。


なかなか会わないよ。いや、会わない場所しかいかないよ、…かな?


《名前》やステータス上げるだとかみたいな目的があったら今頃ダンジョン攻略に行ってるだろうけどある種の《縛りプレイ》をして近寄らない方針だからね。


「あの、こう言ってはなんですけど“せっかく”異世界に来てそれでいいんですか?」



「「…だがそれがいいっ!」」

Wステレオ再びW


「俺らは勇者召還とは別口だっよ?無一文で明日のご飯追いかけてたら、まずは生活力さえあればなんとか生きられるって知っちゃったからね。」


オークションも二週間かかったからその間の食費は稼がなきゃならなかったんだよね。それに勇者みたいな役割とかもないのに生きる死ぬを進んで経験したがるほどマゾくなかったんだ。まず最初に“生き抜く”、これを重視すると冒険なんか二の次三の次になる。

そうして《食》に走ったんだけどね。


「…でも、三人だけでダンジョン攻略しても問題ないくらい強いですよね?」


「いや、俺たちの強さは付け焼き刃みたいなもんだよ」


「純粋に鍛えた力じゃないからね」


ゲーム的強さとこの世界で鍛えて強くなった人とでは後者に軍配が上がるだろうし、なら鍛えようとするとダンジョン深層に行かない限り釣り合わない強さだからね、スタートダッシュキャンペーン中にパワーレベリングした奴の方がまだ経験を積んでるよW


「そうだとしても、もったいない気がします」


その“もったいない”があるから、静かにしてるんだけどね。しかし、そうなると雅美ちゃんもそれなりに順応してきたんだね?


「ケガしなで済むならケガしない方がいいって事だよ」


事なかれ主義を貫くのは大変なんだぞ?


「でも、目の前で魔物で困ってる人がいた時は流石に助けますよね?」


「いや、命の危機は流石に見逃したら終わりだと思うから手を出すよ?

けどね…冒険者ギルドの依頼“人助けな依頼”を読み飛ばし、またある時はコンビニでたむろするヤンキーにビビってコンビニに入るのをやめて遠くのコンビニを目指し、またある時は酒場で絡まれるオネーチャンの窮地に目を伏せる。

。俺たちはそうゆう生き方もありだと思うんだ。」



「ヤンキーは経験あります。」


雅美ちゃんが当時を思い出すように遠い目をしている。

真一が尤もとは言い難い経験を例に挙げていく、勿論こんな生き方をしているオレらもそれはそれで色々問題あるんだろうけど、世界が違うと常識が変わってっっちゃうから“恐い”の意味が別の物に染まっていることになかなか気付けないから仕方ないよ。


「私、日本にいた時コンビニのヤンキーがあれほど怖かったのに…」


その場で座り込んで悩み始める雅美ちゃん。


―それが異世界クオリティ―


まぁ、実際にスタートから強過ぎて冒険が冒険・・にもならなくてね“力が…自分たちが怖くなった”からっていうのが正しいかな?


最初の敵がドラゴンとかだったら今頃オレら弾けてたんだろうけど、ウサギが水風船になるやら魚人の頭が弾けたんじゃ萎えるわ。


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