洞窟おぶ男女ん
さて、その昔初めて魔物を倒したのはここからかなり離れた崖近くだ。
拠点の街の市場で魚と言えば、おおよそ食用とは思えない綺麗な川魚が並ぶ程度しかない。
その頃はまだ、命を奪う事に抵抗があり魔物が虫の息であろうとトドメを差さずに相手が息のある内にその場から逃げていた。
虫の息になった魔物は、他ね魔物に襲われたりしてそのまま死んだのだろうが二度と行かないオレ達には知る由もない。
偽善的ならまだいいがあの頃は自分たちの精神を守る(・・)のに必死だった。
今となっては、それら放置し命を無駄に長らえらせた行為が酷く残酷な事だったと思う。
…当然今はそれなりの行動をしている。
冒険者の癖に肉を狩らないから肉なんて口できないし、当たり障りのない野菜(野草)ばかり口にしていたね。
だけどどうしても肉類は食べたくなって、哺乳類的な物がダメなら魚ならどうだと言う話になり、市場を周り蛍光色の魚に出会い、塩焼きに出来る普通の魚が食べたくて三人で海まで走った。
砂浜から崖を探し南に歩いた。北に行けば港町があった…と言うか港町を知らなかった。
海へ向かったのは“向こうにいけば海がある”と聞いた後の完全なる思いつきだ。
とはいえ、日頃から周辺の街とか調べとけよってだけの話なんだけど。生憎転移してから冒険者になってからこっち草塗れの日々しか送ってなかったよ。
だから、魔物を相手にするようになったのは道すがら健が魔物を殺してしまった後魚人が大挙して復讐にきて命懸けで返り討ちにしたからだ。
幸いにも人や哺乳類より明らかな魚であったから耐えられた、慣れて気分のいい話じゃないから身を守る為ならやはり慣れるしかなかった。
その時はさすがに、魚人物は食わず海に振動与え魚を取って口にした。
まぁひさびさの動物性タンパク質は美味かった。
倒した魚人物も金にならないかと大量にストレージにしまい込もみ、美味いからと言われて大将に調理をお願いして食べた。
うむ、実に美味かった。
その後大将に料理を教わるようになったりした。
そのおかげでこの浜は魚人物は近寄らない安全な砂浜になってしまったと言うわけですね。
…若気の至りで生態系を壊したことは否めません。
◇
真夏、砂浜に作られた海の家と土器で作った風鈴多少鈍い音がなりますがとても風情があります。
けど暑いので、昼間は涼しげな洞窟に移動する事になりました。
下手しなくても日射病で莫迦になるから当然の措置だよ。
「ちょっとだけ、ショッパかったからもう少しだけ減らして欲しいかななんて…」
「影ちゃんの気持ちは凄く有り難いんだ、だけどっ!あと半分いや三分の一でいいから塩の量を…ね?」
「わかった…今後は塩を減らす。」
健が再び街に帰るというので、過去にお弁当に作った《塩握り麦飯》あれを再びを持たせようと作り始めた所で健と真一が
“減塩”を希望しにきた。
その理由は短期間に塩分取りすぎるからだと、ごめん。三大成人病とか引き合いにださなくてもその気持ちは凄く分かるから素直に受け入れていきます。
ただ、最初に「ショッパい飯作るの待って」と飛び込んできたからヤンキー的な“しょぼいとかヘボい”とかの意味だと思っちゃったから目尻に水がたまったらしい。
オレの役割コレくらいしかないからね?勘違いだって事はわかったからいいけど、仮面してないとメンタルが直ぐに表情にでるのが困るな。
だって涙が出ちゃう…ヲンナの子だもん。
うん、今はお醤油と味噌があるから他の物だって作ってみせるよ。
持ち運び考えると焼おにぎり…いや、味噌焼き握りとかかな…。
イベントリに居れてくれるなら、炊いた麦飯と味噌汁を鍋ごと渡せばいいんだけど“お弁当”が欲しいって言うんだよね。
しかも、竹の皮や熊笹に包んだお握り…抗菌作用はあるんだろうけどもっとイベントリを活用しようよ。
作り置き出来て助かるのに…。
「影丞さん、なにか手伝いましょうか?」
そうこうしてたら、雅美ちゃんが手伝いに来てくれたやっぱり女の子気が利くよねW
雅美ちゃんが手伝いしても大丈夫そうなのは焼おにぎりとお新香かな…。
「うん、焼おにぎりとお新香にするからお醤油とお新香持ってきてもらえる?」
「影丞さん!?いま、私を見てメニュー決めませんでしたか??」
気のせい気のせい。
さーそれじゃ、女の子が握った美味しい焼おにぎりを持たせてあげようかね。




