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悪い子

ルカちゃん指摘を受けて再び《反省》



晴香さんによると、醤油の存在を知ったある一団が、クランメンバーを攫って大量の醤油や金品を要求していると…。


「…ほんとにカッコ悪い」


頭を抱え込む雅美ちゃん。

どこの一団でしょうね?おいちゃん感心しちゃうわ。


数を作るために現地に行くことになりました。


「いくつか仕込みは終わったけど、ホントに行かなきゃならないのか?」


「んー、影丞がいたら足りなくてもすぐに作ってやれるだろ?」


確かに作れるよ?現地で作ってやれば、運ぶ手間が省けるって事らしいけど、知らない街に遊びにいくのもいいよね?なにしろ、晴香さんは転送呪文が使えるから行くも帰るも一瞬だからね。

転移ではなく転送だから本人は移動出来ないらしいんだけどね。転送使える貴重な人材だから、安全な街に配置されたってのもあるらしいよ。


「無理言って本当にごめんなさい、向こうに行けばエミリちゃん達が詳しい状況を教えてくれるはずだからお願いします」



そうして、足元に魔法陣が現れて次に目を開くと知らない場所に立っていた。



「「「知らない天井だ」」」


見上げたオレたちは同時に呟いた。


「うそっ!影丞くんまで来てくれたの!?」


茶色い髪のエミリさんが駆け寄ってきた。


「お久しんむむ゛~」


「ありがとうっ!」


挨拶より先にエミリさんが抱きしめてきた。


…谷間が気持ちよいけど、エミリさんオレがメンズだったって知ってるんだぞ~?

全然信じてくれてないのはなんでだろうなっ!?

でも、そんなに切羽詰まってたのかね?


「…あ~、それよか今どんな感じなんだ?」


「そうなの、大変な事になっちゃったのよっ!」


横から、健が口を挟むとエミリさんから解放される。

名残惜しい気がしないでもない。

雅美ちゃんが、なにやらジト~とした目をしているがオレに下心はないよ?


その証拠に雅美ちゃんを抱きしめてあげよう。


「いきなりなんで!?」


「おっぱいに挟まれるがうらやましいのかなーと。」

「むしろ、たちの悪いイヤがらせですぅっ!」

雅美ちゃん半泣きだ。


―おっぱいは正義。


どうやら勝ったようだがこの戦いは虚しさだけしから残らない。

雅美ちゃんのおっぱいはまだまだこれからーって「いつかもぎ取っ…」とか雅美ちゃんがブツブツ呟いている。いじりすぎたちょっと目が怖い。


「…それで、私達のメンバーが人質にされちゃって身の代金を要求してきているって話は聞いてるのよね?」


「あぁ、そこら編はダイジェストで聞いけど、出来たら最初から聞かせてもらいたいんだけど?」


あ、真一がなんかワクワクしてる気がする。


◇割愛◇


でね?グワッて感じで来てて…ねぇ、ちゃんと聞いてる?」エミリさんの臨場感溢れる演出効果により観客のごとき説明を聞いていた。


いやね。エミリさんの話し方って楽しいんだ。


普段の話しん時もそうなんだけど身振り手振り忙しく、某監督が如き効果音。


さながら映画館…失礼。


「ちゃんと聞いている。

醤油に関しては口止めをさせてた俺達に責任がありそうだからな。」


真面目な顔で健がエミリさんに答える。


そもそも、事の始まりは雅美ちゃんのクラスメイトがダンジョンにドロップ(廃棄)された瓶の中身を確認するという情けないやらセコいやらな話しから始まるのだといふ。



同じポーションなら混ぜてけばいつか一瓶出来るって理論らしいんだけどな?


ポーションくらい素直に買えよ。

エミリさんの仲間が、土を焼いて作った小さな小瓶に少量の醤油を入れたまま持ち歩いた。戦闘中に瓶を落としたのに気がつかず、気付いて戻った時には拾った奴らが大急ぎで地上に戻った後だったらしい。


地上に戻ったクラスメイト達は、ダンジョンで地上で醤油醤油と大騒ぎ。


そして、ついにエミリさん達のクランが同じ小瓶を所持している事にたどり着く。


エミリさん達も同じ日本人だからと分けてあげたそうなんだけど、そこまで量がなかった。


その時に食べれなかった連中数人が事件を起こしているらしいんだわ。

ウチらがエミリさんに口止めをお願いしていたから、「独占する気か!?」と騒いだのもまた話を拗らすのに拍車をかけたらしいんだけどね。


食い物の恨みは恐ろしいとは言うけども、エミリさん達から分けて貰えば醤油手に入るって解った時点で、仲良くするとか我慢とか自重しようぜ。


恫喝したり敵対してなんになるんだ?


新興国に乗せられて増長しまくってるからわからんのだろうが、「和をもって尊しとなす」の精神がたりんよ。


いや「和をもって貴しとなす」か?

どっちだったっけ、どっちでも良いか。



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