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神奈川 南(1)

「いらっしゃいませ…ってあれ⁉︎ 小白に光ちゃんに…本太郎くん?」


中華料理店カナガワ


秋田さんや我が日野家のある住宅街のやや外れにある、創業40年の馴染みのお食事どころだ。


昔、まだ両親が共働きではなかった頃、たまに両親に連れられご飯を食べに来た事がある。


ややこじんまりとした店内。カウンター席が6つと4人掛けのテーブル席が4つ。


壁には木の板で出来たメニューボード。初夏故に壁掛け扇風機が昔ながらのモーター音を響かせながら絶賛稼働中。


そんな中華料理店の入り口直ぐにあるレジカウンター内。


エプロン姿で、頭にはバンダナを巻いた1人の女の子がお出迎え。


「よぉ南。たまには食べに来たぜ」


皆を代表して俺が挨拶。


「にしても急だね…まあ、席空いてるから座って座って」


エプロン姿の女の子…都道府県学園高等部2年生、神奈川南は手早くお盆に3つのコップを乗せ、そのまま俺たちを空いてる4人掛けのテーブル席に案内。


俺の向かいに秋田さん、その隣に山形さん。


俺の隣の空席にはみんなの荷物(バック)を置く。




…今までいろんな女の子たちと交流を持ってきた俺、日野本太郎。


だが、宮城先輩や桃子…結ちゃん、高知先輩、秋田さんなどなど…ほとんどの人とは都道府県学園高等部に入ってから知り合った人たちで。


都道府県学園高等部に入る前からの知り合い…いわゆる幼馴染、と呼べるヤツは都道府県学園内において4人しかいない。


埼玉 欅、千葉 三葉、東 京子、そして、


神奈川南だ。


この4人だけは昔っからの知り合ったで、よく一緒に遊んだりした仲だ。


「こんばんは神奈川さん。今日はお客さんとしてご飯食べに来ました」


「南先輩こんばんは! 天津飯食べに来たよ!」


「小白も光ちゃんも…前もって来る、って言ってくれれば色々サービス出来たんだけど…」


隣で女子達がお喋りしている中、俺は店内の装飾品をちらり。


「……相変わらず、渋いな」


この中華料理店カナガワ。


パッと見る限りでは、外装内装共によくあるお食事どころ、なのだが。


よく見ると…


レジカウンターの横にミニマムサイズの大仏マスコット。


壁掛け扇風機の横には昔の白黒の、戦艦らしき船の写真。


他にも温泉のポスターや小道具、諸々。


よくよく見るとあちらこちらに、こういった渋い感じの装飾品が飾ってある。


…これ全部、南の趣味だ。


大仏、戦艦、温泉…


とにかく昔っから、南の趣味は渋い。


「本太郎くん? ねぇ本太郎くん聞いてる?」


ふと目前には、注文票をもった南の顔が。


「おっと悪い、何?」


「だからオーダー。何にするの?」


南の言葉に横を向くと、すでに注文を終えた秋田さんと山形さんが仲良く談笑中。


「あーじゃあ…うーん、天津飯かな…」


と、オーダーをしようとしたら、


「ちょっ、何で私と同じモノを頼むんですか⁉︎ 違うのにして下さいよ!」


突如として斜め前に座る山形さんから、机の下より俺の脛へのつま先キック。


「いっつっ…何すんだよ!」


「何で真似るんですか! 違うの注文して下さいよ!」


「えぇ…なんで…」


俺は傷む脛を摩りながら、しぶしぶ視線をメニューボードへ。


「山形さん…あんまり日野さんを困らせてはダメですよ?」


少し困り顔の秋田さんがフォローに。


「大丈夫です小白先輩! 日野さんはこういう事されると喜ぶタイプの人ですから」


「ちょっと待って山形さん、何言ってんの!!?」


「日野さん…」


「待って、信じないで秋田さん!」


「これだから日野さんは。アブノーマルって怖いです」


「勝手にアブノーマル判定下さないで!」


と、後輩からアブノーマル判定を食らっている惨めな俺を横に、


「…天津飯2つで大丈夫ね」


1人呆れ顔で注文票を厨房へもって行く南の姿があった。

次回…その次…くらいからキャラプロフィールの再開を予定していたり…あまり期待はせずによろしくお願いします…

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