第27話:極寒の開拓村と、温もりの二重サッシ
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閑話を経て、いよいよ新章『北の極寒開拓地編』がスタートします!
港町ポート・ヴィルからさらに北上し、吹雪と猛烈な底冷えに苦しむ開拓村『フロストビル』に到着したタクミたち。凍える住人たちを救うため、現代の気密&断熱DIYが火を噴きます!
「……ひぃぃぃっ!? さ、寒いぃぃぃっ!!」
馬車から一歩外へ踏み出した瞬間、刺すような冷気と吹きすさぶ吹雪がタクミたちの全身を襲った。
目の前に広がるのは、見渡す限りの銀世界と、雪に埋もれかけるように建つ粗末な丸太小屋の群れ――王国最北端の開拓村『フロストビル』だ。
「よ、よくぞお越しくださった……大賢者タクミ殿……!」
寒さでガタガタと震え、唇を紫にして出迎えてくれたのは、村の開拓リーダーである青年・レイノルトだった。
「レイノルトさん、大丈夫ですか!? すぐに家の中に入りましょう!」
案内された丸太小屋の中には、村人たちが身を寄せ合っていた。しかし、家の中に居ても一向に暖かくならない。
「ヒュー……ヒュー……」
「暖炉に薪を絶やさずくべているのですが……木製のシングルガラス窓や壁の隙間から冷気が絶え間なく吹き込んできて、暖気が一瞬で逃げてしまうのです。薪の消費も激しく、このままでは冬を越せません……」
レイノルトが絶望的な表情で吐息を白く染める。
「なるほど……『気密性』と『断熱性』が完全にゼロの状態ですね。これではいくら火を焚いてもザルで水を掬うようなものです」
タクミはニッコリと頼もしく微笑むと、寒さで悴む手に息を吹きかけ、【万能資材目録】と【極限加工】を起動した!
「まずは窓からの冷気を遮断する『高断熱樹脂サッシ&複層ガラス(二重サッシ)』を取り付けます! さらに壁の裏側に『気密シート』と『高性能グラスウール断熱材』を敷き詰めましょう!」
タクミの手によって、ガタついていた既存の窓の内側に、空気層をたっぷり含んだ樹脂製の二重サッシがピタリと嵌め込まれた。
さらに、壁の隙間という隙間にふわふわの断熱材が充填され、気密テープで完璧に密封されていく!
――ピタッ……!
その瞬間、小屋の中に響いていた不気味な隙間風の音がぴたりと止んだ。
「あ……あれ……!? 寒風の音が……風の通り抜けが消えた……!?」
「さらに、この省エネ&高火力な『ペレットストーブ』を設置します!」
タクミが中央に据え付けたのは、木質ペレットを燃料とし、効率よく遠赤外線の熱を部屋全体に循環させる現代型ストーブだ。火を注ぐと、あっという間にやわらかな温もりが部屋いっぱいに広がり始めた。
「「「あ、温かいぃぃぃっ……!!」」」
村人たちが一斉にストーブの周りに集まり、感涙を流しながら温かい熱気に手をかざす。
「窓が二重構造になったことで外気の冷気が完全に遮断され、室内の熱が一切逃げなくなっている……! まさに『空間密閉の防寒障壁』……!」
アルヴィスがノートの手を止め、寒さも忘れて目を輝かせる。
「これなら少量の薪で部屋全体が一日中ポカポカですよ!」
「おおお……! 死の淵から救われた……! タクミ殿、あなた様は我ら開拓村の救世主です!!」
レイノルトと村人たちがタクミの前に膝をつき、惜しみない感謝の声をあげるのだった。
第27話をお読みいただきありがとうございました!
『北の極寒開拓地編』の第1弾は、二重サッシ・壁面断熱・ペレットストーブによる「高気密・高断熱DIY」のお話でした。
次回第28話は、極寒の地で足元からじわじわ冷える「底冷え」を解消するため、温水循環式の『DIY床暖房システム』を開拓村の集会所に設置するお話です! 引き続き応援よろしくお願いいたします!




