第85話:全都市合同大感謝フェスと、繋がる笑顔
第85話をお読みいただきありがとうございます!
魔導ポータルネットワークの開通により、聖王国、迷宮都市、鉱山都市アイゼンベルグ、天空都市スカイガルディアが一瞬で行き来可能となった世界!
今回は、ポータル全通を記念して開催された『全都市合同・超豪華大感謝フェス』をお届け! 各都市の首長や職人、住人たちが天空都市のサンルームカフェ&テラスに集結し、自慢の特産品と快適空間を楽しむ至福のオールスター交流回です!
魔導ポータルターミナルが開通したことで、これまで険しい山脈や広大な迷宮、果てしない距離によって隔てられていた世界が一変した。
天空都市スカイガルディアの広大なサンルームテラスには、ポータルを通ってやってきた各都市の人々で溢れかえっていた。
「まあ……! ここが雲の上の天空都市なのですか!? 暴風も寒さも一切なく、なんて素晴らしい日差しでしょう……!」
聖王国エル・ディニアの聖女代理たちが、高透過エアドームを見上げて感嘆の声を上げる。
「ガハハハ! 聖王国のべっぴんさん方、ようこそ! 我がアイゼンベルグ特製の『魔導ハイブリッド鋳造樽』でキンキンに冷やした最高級エールを飲んでいってくれ!」
ドノヴァン親方がドワーフの職人たちを引き連れ、冷えたエール樽を豪快に担ぎ込んできた。
「フフ、迷宮都市フォグヴェイルからは、太陽の光でカラッと干し上がった『極上ドライキノコと干し肉の炙り焼き』を持ってきましたよ! ドワーフのエールと相性抜群です!」
フォグヴェイルのギルドマスターも笑顔で特産の天日干し珍味をズラリと並べる。
天翼族の長老や若者たちも「雲上のフレッシュスカイベリージュース」や「高山ハーブの特製タルト」を振る舞い、広場全体がまるで世界中の美食と笑顔が集まる大祭典と化していた。
「うわあぁぁっ! たくさん美味しそうなものが並んでるよーっ! おじちゃん、これセナにもちょうだい!」
「おうとも! お嬢ちゃんには一番でかい炙り肉をやるぜ!」
セナが肉とドライフルーツを両手に抱えて大はしゃぎし、ガルドもドノヴァンと肩を組みながらエールを浴びるように飲んでいる。
「みんな、すごく楽しそうだね」
タクミがテラスの特等席で爽やかに微笑んでいると、フィオナが温かいハーブティーを乗せたトレイを持って隣に腰掛けた。
「ええ、本当に……。かつては過酷な環境や災害に苦しみ、互いに孤立していた街や人々が、タクミ様のDIYによってこうして笑顔で手を取り合っています。……素晴らしい奇跡ですわ」
フィオナが愛おしそうにタクミを見つめ、そっと頬を染める。
「ふふ、僕がやったのは、みんなが快適に過ごせるように『住環境をちょっとお手入れした』だけだよ」
タクミが照れくさそうに笑うと、作業着姿のバアルが高らかに杯を掲げて歩み寄ってきた。
「フハハハ! 謙遜はいらんぞ師匠! 快適な住まいとインフラは、人々の心をも豊かにし、争いすらも消失させる! これぞまさに『世界平和DIY』の至高の体現である!」
「我が師匠の功績、歴史書『世界快適化年代記』の筆が追いつきませぬ……!」
アルヴィスも涙を流しながら、全都市の代表が笑い合う様子を手帳にペンを滑らせて記録していた。
宴が最高潮を迎える中、空を見上げたタクミの【万能資材目録】の視界の端に、かすかなノイズのようなものが走り抜けた。
(……ん? 世界の端にある大気流と空間の数値が、ほんの少し乱れている……?)
解析画面を一瞬だけ確認するタクミ。
世界の境界線の向こう――「世界の歪み」と呼ばれる未知の領域で、不快で劣悪なエネルギーが蠢き始めているのを感じ取っていた。
(でも大丈夫。どれだけ世界が乱れても、僕たちのDIY技術とこの絆があれば、どんな場所だって最高の快適空間に変えられる)
タクミは仲間たちの眩しい笑顔を見渡し、静かに確信を込めて頷いた。
全都市の絆が固く結ばれ、世界規模の快適ネットワークが完成した瞬間だった。
そして物語は、世界の不快な歪みを正す『最終決戦』に向け、着実な一歩を踏み出していく――!
第85話をお読みいただきありがとうございました!
これまでに登場した聖王国、迷宮都市、鉱山都市、天空都市のオールスターが集結する「全都市合同大感謝フェス」をお届けいたしました!




