第84話:世界を繋ぐ、魔導ポータルと快適移動回廊
第84話をお読みいただきありがとうございます!
天空都市スカイガルディアを「雲上の絶景リゾート」へと生まれ変わらせたタクミ。
今回からは【フェーズ1】のクライマックス! これまでタクミが快適リフォームを手掛けた各都市(聖王国、迷宮都市、鉱山都市アイゼンベルグ、天空都市)を、タクミの『超快適魔導ポータル&高気密全天候型移動回廊』で一気に繋ぐ『世界規模DIYネットワーク構想』が始動いたします!
「タクミ様、天空都市スカイガルディアの皆様も本当に嬉しそうですわね」
フィオナがサンルームカフェから広がりゆく雲海を眺めながら、温かな笑みを浮かべた。
「うん! でも、せっかく各都市がこんなに快適になったのに、お互いの行き来が険しい山道や遠い旅路のままじゃ勿体ないよね」
タクミは【万能資材目録】を大きく展開し、これまでに巡ってきた世界地図を思い描いた。
聖王国エル・ディニア、湿気から解放された迷宮都市フォグヴェイル、ドノヴァン親方たちが待つ鉱山都市アイゼンベルグ、そしてここ天空都市スカイガルディア――。
「よし! これまでにリフォームした街同士を瞬時に移動できる『超快適・魔導ポータルステーション』と、全天候型の『高気密移動回廊ネットワーク』を作っちゃおう!」
「な……なんですと!? 各都市を魔法の空間跳躍で繋ぎ、巨大な交易・観光ネットワークを個人施工で作るというのですか!?」
アルヴィスがメガネを落としそうになりながら悲鳴を上げた。
「ふふ、空間の転移門の周囲を気密と断熱施工で固めれば、移動中の気圧差や温度差で身体がクラクラすることもないよ!」
タクミは【極限加工】を最大稼働!
まずは天空都市スカイガルディアの広場中央に、重厚な石造りのフレームと強化ガラスで構成された『ポータルターミナル館』を爆速で建築!
内部には、衝撃や気圧変動を吸収する『与圧エアカーテン』と『全自動アルコール除菌&エアシャワー』を完備。転移門の周りにはフカフカの待合ソファと、冷暖房完備のウェイティングルームが設置された。
「よし、アース線と空間魔導回路を接続して……ポータル、オープン!」
バチチチッ……光の粒子が眩しく弾け、ターミナル館の中央に設置された特大のガラスドーム扉が開いた。
扉の向こうに見えたのは――年中ポカポカの暖房が効いた、あの山岳鉱山都市アイゼンベルグのドノヴァン親方の工房だった!
「……ぬおっ!? なんだこの光はッ!?」
向こう側にいたドノヴァン親方が、手に持っていた金づちを落としそうになりながら目を丸くしている。
「あ、ドノヴァン親方! こんにちは!」
「タ、タクミ殿ぉぉぉッ!? なんだありゃあ!? 工房の壁にいきなり綺麗な豪華客船みたいな部屋がくっついて、あんたの顔が見えてるぞッ!?」
「天空都市スカイガルディアと鉱山都市をポータルで繋いだんだ! これで数秒で遊びに行けるよ!」
「数秒で天空都市だとぉぉぉっ!?? ガハハハ! こりゃたまらん! さっそく俺たちの作ったハイブリッドストーブの試作品を持っていって見せてやるぜ!」
ドノヴァンが興奮冷めやらぬ様子でポータルをくぐり抜けると、何の変化もなく一瞬で天空都市の爽やかなエアドーム内へと足を踏み入れた。
「な……寒暖差も頭痛も一切ねぇ! まるで隣の部屋に歩いて入ったみたいだ……! 施工精度が化け物すぎるぞタクミ殿ッ!」
「すごーいっ! ドノヴァンのおじちゃんが一瞬で来たよーっ!」
セナがドノヴァンの髭に抱きつき、ガルドも「ガハハ! これでドノヴァンの街の冷えた樽エールがいつでも飲めるってわけだな!」と豪快に笑う。
「フハハハ! 聖王国、迷宮都市、鉱山都市、天空都市……我が師匠の手によって、世界中の快適都市がひと繋ぎの『超巨大快適経済圏』へと昇華したのだ!」
作業着姿のバアルが高らかに勝ち鬨をあげ、アルヴィスは狂喜乱舞しながら『世界全土・即時快適移動回廊構築陣(魔導ポータルターミナル)』と手帳を黒く塗りつぶす勢いで書き殴った。
「ふぅ、これでどこへでも一瞬で移動できるし、各地の名産品もすぐ手に入るようになったね!」
タクミが爽やかに笑うと、聖王国の交易商人や迷宮都市のギルドマスター、天翼族とドワーフたちがポータルを通じて行き交い始め、各都市は未曾有の賑わいと笑顔に包まれるのだった。
世界中に広がる「DIYネットワーク」の完成。
だがその時、世界の境界線の彼方から、全ての環境を不快な混沌へと巻き戻そうとする巨大な『世界の歪み』が静かに動き出しつつあった――!
第84話をお読みいただきありがとうございました!
これまでに訪れたすべての都市を繋ぐ『超快適魔導ポータル&移動回廊』が完成いたしました!
ドノヴァン親方も一瞬で天空都市へやってきて、世界規模の「快適DIYネットワーク」が爆誕です!




