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プロローグ ―始まりの愚痴―
ああ、異世界転生・・・。
俺は異世界転生もののアニメが好きで昔はよく見ていた。主人公は何故かチート級の力を持って、あっという間に世界を良くしていくというご都合主義なストーリーはいつだって頭を空っぽにして楽しめた。まぁ、今にして思えば、なぜあそこまでハマったかと考えると、それだけ以前の世界が修復不能なまでに複雑で困難な世界だったからだろう。
税金は高いわ
生活は良くならないわ
友達さえ出来ないわ
仕事はきついわ・・・
そう言った問題から目を背け、チートよろしくトントン拍子で上手く事が進む物語に憧れを抱いていたのかもしれない。
――そんな俺が、本当に異世界へ転生した。
そして俺は今、一人でに黙々と街のはずれで煎餅を作っている。
「はぁ、異世界転生ねぇ・・・」
気づけば毎度このため息をついている。
この世界は確かに剣と魔法の世界。
だが、そう。誰もが異世界での英雄になれるはずなど、ないのである。




