表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
STYRACOS  作者: 旦児
20/20

離別

◆参考

・スティラコサウルス

http://webzukan.uh-oh.jp/スティラコサウルス・アルベンテンシス

 町は元に戻った。

 スティラコス・デストロイとアンキロX・地砕きとの戦いから5日。

 一瞬の出来事だった。

 スティラコス・デストロイとアンキロX・地砕きの戦い、結果的にはスティラコスが勝った。

 そこからの事は詳しく知らないが、真央の父親・天満鎧が研究していたナノマシンで町を修復。

 被害が嘘だったように町は元に戻った。

 両親とも再開し、元の生活に戻るのは一瞬だった。

 学校も明日から再開である。

「ただいまー」

 コンビニから戻って直った家の扉を開ける。

「お帰りなさい!ご飯にします?お風呂にします?それともア・ル・バ・―・ト?」

「最後の選択肢なんだよ。」

 そう言うと足元から『ヴォ』と声がした。

 5日しか離れてなかったのに随分と久しぶりに感じる相棒の

「アル!?いや、なんでここにマオがいる!」

 足元には小さいスティラコサウルス型ロボットがいた。

 そして家の中にはいないはずの真央がいた。

「今日は両家顔合わせに来ました!」

「両家顔合わせ?」

 知らない言葉だ。

 いや意味は知っているが今ところ必要な言葉ではない。

「皆さんリビングでお待ちですよ!」

 真央に言われるままリビングの扉に手をかける。

「どうしたんですか?」

「いや・・・なんか圧が・・・」

 この扉、それを開けるとすべてが終わる気がする。

「何言ってるんですか?」

 真央が扉を開いた。

 地獄絵図。

 リビングは地獄と化していた。

 なまはげのような顔の父、般若の母、修羅の天満鎧、笑っているのは天満彩香のみ。

「烈斗・・・このロリコンが!」

「あなたをそんな子に育てた覚えはありません!」

「死ね。」

「婿殿元気だったかね?」

 身に覚えのない言葉が全身に突き刺さる。

 いったん扉を閉じる。

「帰りの飛行機は何時なんだ?」

「バードケラトプスで来たのでいつでも大丈夫です。」

「そうか・・・」

 時間稼ぎは無駄なようだ。

 仕方がないので扉を開く。

「よりにもよって・・・小学生に手を出すとはな!」

「おかしいと思ってたの!ベッドの下、本棚の中、system32・・・いくら調べても何も出てこないから!」

「死ね。」

「まあ座りたまえよ。」

 その前にトイレ、そうトイレに行こうとしたが『ヴォ』と声がする。

 アルバートお前もか。お前もこの部屋に入れというのか。

「まず父さん、母さん。」

 よし一区画ずつ崩していこう。

 まずは両親、最も信頼が置ける人物だ。

 話せばわかる。

「誤解なんだ。」

「やったやつは皆そう言うんだ!」

「あなたのスーツの内ポケットに入っていたスク水喫茶の名刺は?」

「誤解なんだ!あれは部下のイタズラで・・・」

 ダメだ。話にならない。

「鎧さんは・・・捕まったんじゃないのか?」

 直したとは言え甚大な被害を出した人物。

 それがどうしてこんなところにいるんだろう?

「父様は政府の監視下に置かれています。」

「刑務所じゃなくてか?」

「ナノマシンの平和利用を条件に逮捕は免れました!」

「ようは政府の犬だ死ね。」

 むすっとしたまま鎧が罵声を飛ばす。

「それで博士、これは何の集まりなんですか?」

「だから両家顔合わせです!」

 真央の発言で空気という空気がピリッという音を立てた。

「烈斗、さすがにまだ早いと思う。まずはちゃんと成人して、自分で生活を成り立つようにして、相手がちゃんと成人してから手順を踏んで」

「ふざけるな!可愛い娘をこんな奴にやれるか!」

「こんな奴でもうちの息子!だがお前の・・・それも小学生の子供に手を出した事は謝る!すまん鎧!」

「謝るな!出してねえ!」

「レットさん、いったい何でもめてるんですか?」

 両家顔合わせ。

 文字通りなら二つの家が顔合わせをする事だ。

 だがそこには別の意味がある。

 結婚するカップルの家同士の挨拶だ。

「博士!」

「まあ私はどっちでも良いんだけどね。」

「そういう事言ってんじゃねえよ!俺の尊厳の問題なんだよ!」

「母様に酷い事言わないでください!」

 この場で状況を正しく理解している大人は一人だけだろう。

 天満彩香、その人だ。

「今回は状況説明とお詫びに来たんだよ。」

「詫び?」

「君とご家族には多大なご迷惑をかけただろう?」

「まあそうだな。」

「だから謝りにね。」

「現状迷惑が追加されてるだけなんだが・・・」

 両親に小学生に手を出したロリコンと勘違いされ、母親が何かを探すためにsystem32まで調べている事と、父がスク水喫茶とかいう謎の喫茶店の名刺を持っていた事が判明した。

「お詫びの品にアルをあげよう。」

 足元から『ヴォ』と声がする。

「そういやなんで小さくなったんだ?」

 元は人が乗れる大きさだったはずのアルバート。

 それが抱きかかえられる大きさになっている。

「スティラコスは封印処理になった。」

「なんで?」

「個人が持つには強力すぎるだそうだ。」

「まあそうか。」

 骸竜に自衛隊は通用しなかった。

 それをあっさり倒すスティラコスは色々と面倒な存在なのだろう。

「でもそれだとアル君が可哀そうじゃないですか。」

「そうだな。」

 政府は特に成果を上げず、アルバートは骸竜を倒した。

 頑張ったのにその結果が封印は可哀そうだ。

「なのでコアブロックを抜き出して、ミニラコスに移植した。」

 アルバートが『ヴォ』と声を上げる。

 これはミニラコスというらしい。

「いらないかね?」

「いらない・・・とは言えねえなあ。」

 アルバートを軽く撫でる。

 不思議と心が落ち着くのは、一緒に戦った相棒だからだろう。

「これでお詫び終了だな!」

「まあ良いけど。」

「アル君をよろしくね。」

「よろしくなアル。」

 それに『ヴォ!』と力強い声が返って来た。

「状況説明ってのは?」

「まずさっきも言ったがスティラコスは封印された。」

「言ってましたね。」

「次はこのバカだが」

「なんだとパワハラ女!」

「うるせえ!ギリ犯罪者回避!」

 それはお互い様な気がするが置いておこう。

「こいつは政府の預かりになった。」

「そんな事言ってましたね。」

「しばらくは政府の監視下で世界平和支援奉仕義務が課せられる事になった。」

「へえ。」

「しばらく日本に戻る事もないだろう。」

 天満鎧は人格に問題があるが発明品は一級品。

 特にナノマシンは破壊された町を一日で直す超技術だ。

 求めるところはたくさんあるのだろう。

「それで真央の件で両親に挨拶したくなったら早めに言ってくれたまえよ。」

「俺は認めんからな!」

「・・・」

 面倒だからスルーしよう。

「レットさん。」

「なんだ?」

「ありがとうございました。」

 真央が頭を下げた。

「急にどうした。」

「短い時間でしたけど、一緒に生活出来て楽しかったです!」

「・・・そうだな。」

「あと助けに来てくれて嬉しかったです!」

「そうかい。」

 まあその前に負けたこっちが悪いのだが言わないでおこう。

 別れ際は美しくだ。

「なので・・・また迎えに来ますね!」

「・・・は?」

「今度は野菜を収穫できる時期に呼ぶので・・・あ、アル君も連れてきてくださいよ!」

 そう言えば畑はどうなったのだろうか?

 すっかり忘れていた。

「じゃあ今度はボーウイングで誘拐するなよ。」

「はい!バードケラトプスでやります!」

「そういう問題じゃねえよ!」

 今は別れても、また会えばいい。

 寂しくなる必要はないようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ