9.『禊の森』攻略①
結局、土曜日は夕方まで「禍津日森林公園」で探索を続けた。
その甲斐あってレベルは4まで上がり、『禊の森』の探索も大詰めといった所まで来ている。
【亡者】共を撃退しつつ先へ進むと、現実の方の「禍津日森林公園」で歩道脇にたたずむ園内MAPを発見。
どうやらこの先には石段があり、更に行くと無人の神社があるらしいのだが…そこで行き止まり。
つまりは、その神社がBOSS部屋って事なんだろう。
罰当たりなゲームだなぁ~…いや、無論行くけどさ。
とりあえず今日は帰って日課のトレーニング。
で、一夜明けて日曜日。
地図にあった石段に辿りつき、いざ昇り始めたら道中出現しなかった新たな敵が湧き始めた。
【ケガレ】Lv.5
なんとも曖昧な名前だが、見た目は半透明の骸骨といった感じだ。
手には何か長い棒…いや、どうも青銅の剣を握り締めているようだ。
どうやらガイコツさんは古代の人らしい。
そんな古代ガイコツが石段の上からおりてくる…って、結構早いぞコイツ!
【亡者】は老人並のスピードだったけど、コイツは駆け足の老人並に早い!
…まぁ、結局老人は老人。早いと言ってもその程度だ。
画面をタップして「フレアアロー」を発射!!
よし直撃!!…って、殺れて無いだとっ!?
慌てて追加タップすると、振り抜いた手斧が【ケガレ】を頭から真っ二つに両断した。
『10ポイントの経験値を獲得しました。』
…っぶねぇぇぇぇっ~!!
まさか一撃で仕留められないとは…迂闊だった。
…そうだよ、良く考えたら俺、魔力の値はあまり高くないんだった。
【亡者】が一撃だったからと言って、他の敵も同様とは限らないよな。
流石に舐めすぎてたわ…これはマジの反省案件だ。
…そしてマジで装備してて良かった、手斧。
今回のMVPはお前だ、手斧。
素手よりも僅かにリーチが伸びていたおかげで、【ケガレ】が攻撃モーションに入る前に先制出来た。
助かったぜ…やっぱ持つべきは斧だな。
…あっ。
『【青銅の長剣】を入手しました。』
…さよなら手斧、君の事は忘れない。
いやいやマジで、時代はリーチ最強の長剣っしょ!?
なんせ名前に「長」って入ってるからね!「長」って!
それに比べて…「斧」ならともかく、「手斧」って(笑)
ハンドアックス(笑)
…と、一人でバカやってる場合じゃ無かったな。
ちゃんとアイテムの詳細を見ると、【手斧】は攻撃力:6、【青銅の長剣】は攻撃力4だった。
…つまり、攻撃力なら【手斧】、リーチなら【青銅の長剣】ってコトだ。
ごめんな【手斧】、お前やっぱ強かったわ。
って事で、一応【手斧】はサブアームに。
え?【手斧】の方が攻撃力高いなら、そっちを使えって?
…いいか諸君、レベル4に達した俺のステータスは、こんな感じになっている。
■氏名:夢野 新作
■性別:男 ■年齢:35歳
■身長:175cm ■体重:77kg
□LV:4(+2!!)
□HP :30(+8!!) □MP:15(+4!!)
□力 :35(+4!!)
□知恵:11(+4!!)
□魔力:6(+2!!)
□体力:36(+4!!)
□速さ:9(+4!!)
□運 :8(+2!!)
□TP :0
□SP :4(+3!!)
▼Login Bonus (デイリーボーナス)TP:+1
〔所持スキル〕
〔所持魔術〕
◆【火魔術】─フレアアロー:消費MP2
上記の通り、力の値は35に達している。
【手斧】と【青銅の長剣】の攻撃力の差は2。
…もうね、誤差のレベル。
だったらリーチで勝る【青銅の長剣】一択でしょうよ。
気を取り直し、石段を登って行く。
神社が近づくにつれて、【ケガレ】とのエンカウント率もどんどん上がっていった。
先程の反省を生かし、遠距離からの「フレアアロー」二連撃を主体で倒していく。
稀に耐えきって接近を許した奴には【青銅の長剣】を叩き込んだ。
…これ、MP大丈夫かなぁ?
一応、時間経過で回復するみたいだけれど…目算した感じだと一時間で全快ってペースだ。
…連戦が長引くとかなりキツいな。
園内MAPを見た感じだと、そろそろ上に着いても良い頃なんだけど──
そんな心配をしていると、赤い鳥居が視界に入った。
おお、アレだアレ!やっと到着したぞ!
ホッとしてスマホの画面を見た俺は──自分の眼を疑った。
そこに表示されていたのは、禍々しいオーラを放つ「黒い鳥居」。
…そしてそこから溢れ出る様に這い出して来る、【ケガレ】【ケガレ】【ケガレ】【ケガレ】…!!
──雪崩の様な量の白骨の山だった。
なんだこの数!?ムリゲー過ぎるだろ!!
撤退撤退っ!!




