6.TPの使い道
突如としてやってきた「Different Dimension Training Ver.2.0」リリースのお知らせ。
ゲーム的な数々の追加機能に歓喜した俺は、この週末をDDTで遊び倒すことに決めた。
さて、コンビニのおにぎりで朝飯を済ませながら、俺は「スキル」について調べていた。
新たに追加された「スキルの取得」という項目をタップすると、スマホの画面一杯にスキルの一覧表が表示される。
『取得可能スキル一覧』◇パッシブスキル ◆アクティブスキル
《戦闘スキル》
◇【徒手空拳】:消費TP2
◆【パリィ】:消費TP4
◆【投擲】:消費TP4
◇【格闘術】:消費TP3
◇【柔術】:消費TP3
◇【棒術】:消費TP2
◇【短剣術】:消費TP2
◇【細剣術】:消費TP3
◇【剣術】:消費TP3
◇【大剣術】:消費TP5
◇【双剣術】:消費TP5
◇【槍術】:消費TP3
◇【斧術】:消費TP3
◇【弓術】:消費TP3
◇【盾術】:消費TP4
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あ、アカン。
これスキル見てるだけで一日終わるヤツだ。
…つーか、どんだけあるんだよスキル!!
これマジでゲームがメインになってきてるな…何があった、DDT運営。
…よし、これはザっと見て必要最低限のスキルだけ取ろう。
んで、後は必要に応じて取得する…こんだけスキルがあるなら、それが良いだろう。
今の俺の所持するTPは…
■氏名:夢野 新作
■性別:男 ■年齢:35歳
■身長:175cm ■体重:77kg
□LV:1
□HP :18 □MP:0
□力 :30
□知恵:5
□魔力:0
□体力:31
□速さ:3
□運 :5
□TP :16
うん、16ポイントか。
なんか最近体重の減りが少なくなってきて、代わりにTPが報酬になってる事が何回かあったんだよな。
そのおかげでTPはそこそこ溜まっている。
…使い道が不明だった時は不満だったけれど、こうなってくると幾らでも欲しいぞ、TP。
…あ、そういえばステータス強化にもTPを使うんだったな。
力や体力はトレーニングで増やせるし、HPはログインボーナスで稀に増えることがある。
しかし現状、MP、知恵、魔力、速さ、運は増やす手立てが無い。
バトルやダンジョンにどの項目が重要になるのか現状じゃ判断出来ないな…。
…うん、こりゃTPを使う前に、一度バトルとダンジョンだな。
「スキルの取得」の項目を閉じると、新たに「トレーニングバトル」の項目をタップした。
すると突然、壮大なファンファーレと大音量の歓声がスマホから流れ出す。
『DDTコロシアムへようこそ!!新たな挑戦者の誕生を心より歓迎します!』
お…おう、ずいぶんと派手な演出だな。
画面にはドット絵で描かれたコロシアム…掲げられた旗がはためき、砂埃が渦巻いている。
俺は画面下に表示された「入場する」という文字をタップした。
ザッザッという足音と共に画面が上下に揺れ、映像がコロシアムの門をくぐる様に進んで行く…無駄に凝ってるな。
『準備が終了したら「戦闘を開始」をタップして下さい。』
画面に映るのは暗い石造りの部屋に、俺のドット絵。
そして俺のステータスと、「アイテムを使用する」「戦闘を開始」の二つの項目。
…なるほど、察するに戦闘前に使用できるアイテム類が存在するんだな。
まぁ今の俺はそんな物持っていないから、「戦闘を開始」一択なんだがな。
文字をタップすると再び足音と共に暗転…次に映し出されたのは、コロシアムのアリーナだった。
画面中央に映し出されたのは緑色の粘性生物…スライムだな。
…背景はドット絵なのに、なんでモンスターはこんなにリアルなんだ?
画面内でゆっくりとではあるが不規則に動く姿は、実写にも見間違えるクオリティーの映像だ。
『ROUND1 FIGHT!』
お、始まった…コレどうやって戦うんだ?
…とか思ってたら、画面下部に見慣れたコマンドが表示される。
▶攻撃
スキル
魔法
アイテム
防御
降参する
ここは古き良きコマンドバトル方式なのか…なんかミスマッチやな。
スキルも魔法も持っていないので「攻撃」をタップする。
すると視界はスライムへと飛び掛かる様に動き、打撃音と共にスライムにダメージエフェクトが表示され…うわっ!?スライムが弾け飛んだっ!?
スライムが弱すぎたのか、俺の力が高すぎたのか…いや、「クソ雑魚スライム野郎」なんて揶揄する位なんだ、コイツがマジで弱いんだろう。
床や柱に散乱する粘液…さっきまでスライムだったソレを背景に、画面中央には『WINNER!』の表示。
これは…嫌な予感。
今のはスライムが相手だったからこの程度で済んでるけど、「クソ雑魚スライム野郎コース」から始まった俺のDDT…たぶん次のお相手は──
『ROUND2 FIGHT!』
「ぐるがぁっ!!」
スマホのスピーカーから野獣の様な叫び声が聞こえる。
そして画面には…緑色の、醜悪な面構えをした小人。
…やっぱりゴブリンじゃないですかーヤダー!!
▶攻撃
スキル
魔法
アイテム
防御
降参する
…しかし無情にも、俺が選べる選択肢は現状「攻撃」しか無い。
…許せゴブリン、慈悲は無い!
打撃音と共に飛び散る血と肉片…。
いやグロいなっ!!
レーティングとか大丈夫なのかよコレ!?
しかし、何だ。
今の所全てワンパン勝利なんだが…。
俺は世紀末の拳法使いか何かか?
指先一つでダウンさ!…的な意味で。
その後数戦するも、ほとんどの敵をワンパンの元に下していく俺。
…だったのだが、いかにもスピード特化型という見た目をした「ゴブリンレンジャー」戦で初めて敵に先手を取られ、飛来した矢が画面に直撃。
血しぶきとひび割れるガラスのエフェクトと共に…俺はあっけなく死亡した。
『結果発表…5連勝!以下の褒章が授与されました。』
TP:+1 HPポーション×1
お、なんか貰えた。
HPポーション…ああ、これを戦闘中に使えばHPが回復できるのか。
…いや、今の所ワンパン勝負なんだよ、コッチもアッチも!
ポーション使う場面なんか無かったわ!
…まぁTPが貰えると分かっただけヨシとしよう。




