14.招待報酬の謎
山里さんとDDTについて話し合った後…結局、アプリの使用は継続している。
あの後、すっかり冷静になった俺達は今後について話し合った。
…DDTは得体が知れない。
だが、現状実害が出ていない。
むしろ減量・筋力強化など、健康面で利益になる効果しか無い。
…結果、様子を見ながら使用を継続する事となった。
俺はまだDDT初心者の山里さんに使用についてのアドバイスをし、山里さんは気が付いた点を随時俺と共有する。
…そして、少しでも害がある事態になったら、その時点で使用を中止する。
そういう事で話はまとまった。
俺は早速、最近追加された「トレーニングバトル」と「ARダンジョン」の機能について詳細な解説をした。
…それを聞いた山里さんは、頭を抱えておおいに困惑していた様子だった。
「…僕達は、何かとんでもない意志に巻き込まれているような気がしてならないよ…。」
別れ際に言った山里さんのこの言葉が、帰ってからも頭から離れなかった。
…DDTは、俺達に何をさせようとしているんだろうか?
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「夢野先輩…最近マジヤバくないですか!?体格なんて逆三角形になってきて…もう完全にマッチョじゃないっすか!」
昼休み、自分の席で昼食を食べているとサンドイッチを持参した大島が隣の机に腰掛け、そんな事を言ってきた。
「ああ…トレーニングアプリがすごく調子良くってな。自分でも成長を実感してるよ。」
「いやいやいや…ダイエット目的で初めてましたよね?なんでマッチョになっちゃうんですか!?今だって結構ガッツリ昼食食べてますし…俺なんて気を使ってサンドイッチ一個に抑えてるってのに…。」
…確かに、俺の今日の昼食はコンビニのカツ丼大盛り。
ダイエットしてるヤツの食事じゃあ無いよなぁ…。
…大島もちゃんと体に気を使って、食事量制限してるんだな。
そんな事を考えていると、ふと頭にある考えが思いつく。
…どうしよう、コレって俺の一存で決めちゃっていいのかな?
視線を山里さんの席へ向けると、俺達の話が聞こえていたのか山里さんと目が合った。
…彼は無言で、一度頷いた。
流石山里さん、俺の考えなんか言葉に出さずとも分かっちまうんだな。
「…大島、良かったら俺の使ってるトレーニングアプリ、使ってみるか?」
DDTを他人に勧めてダウンロードされると、俺の所に招待報酬が入る。
以前山里さんに勧めた際も、招待報酬として20ポイントものTPを貰えた。
…この辺の検証をしたいと考えたワケだ。
二度目でも20TPが貰えるのか?そもそも報酬はTP固定なのか?
もしTP固定で毎回20TPが貰えるのなら、招待報酬は貴重なTPの供給源となりうる。
…なんか、ねずみ講みたいで少しばかり気が引けるんだが…背に腹は代えられない。
「…そんなに効果があるんなら、ちょっと興味あるっすね…。」
「それじゃあメールでURL送っておくよ。」
「あ、一応手書きのURLも貰っておいて良いっすか?最近メールの調子が悪いんで…。」
…なんか面倒臭いこと言ってきたよコイツ。
仕方が無いので机の上にあった付箋メモに、ボールペンでURLを書きなぐって渡した。
それを受け取った大島は「アザース!」と軽く返す…なんかムカつくなお前。
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終業後、スーパーに寄って帰宅。
簡単な夕食を作って食べ終えると、いつものように「DDT」を起動した。
『お友達招待の報酬が届きました!』
お、来た来た!大島の奴、早速ダウンロードしたんだな。
…って、え?
▼お友達招待報酬 TP:+40
…40!?なんで!?
前回貰ったTPの倍なんだが!?
…え、まさか招待する人数が増える度に、貰えるポイントも倍々に増えるとか?
それは流石にやり過ぎじゃないですかね、DDTさん…。
…とか考えてたら、画面下部に追記されている情報に気が付いた。
▼あなたのこれまでの招待人数…3人
…はぁ?
…いやいや、俺が今までに招待したのって、山里さんと大島…二人だけなんだが?
DDT側のミスだろうか?…こんなミス珍しいな。
…まぁ、こっちはTPが沢山貰えてありがたいんだが…後になって文句言われても嫌だなぁ。
「やっぱTP返して?」とか言われてもな。
…うん、とりあえずこの件は俺の心の中に留めておこう。




