012 大森林2
「タツヤっ! 木は任せたわよっ!」
「了解です!」
先輩と二人で大森林を進み、エリア2へと侵入した。
エリア1と同じ木のモンスターに加え、動物系モンスターが出現するようになった。
先輩は例の蔦攻撃がトラウマになったらしく、俺がツリーモンスターを、先輩が動物系モンスターを処理するようにしている。
「裁きの雷よ、我が敵を穿け! 【電撃】!」
「ガゥッ!?」
フゴフゴと突進してくる猪型モンスターと違い、動きの早い犬型モンスターを棍棒で捉えるのは大変だったが、先輩の雷系呪文は着弾が早く、簡単に倒すことができる。
犬型モンスター同士の連携攻撃は面倒だが、そこは俺の腕の見せ所。
先輩には指一本触れさせない。
俺もいつかは魔法を使ってみたいものだ。
いっそ、余っているステータスポイントを全て魔法系ステータスに振ってしまおうか。
ネトゲだとそんな前衛職は、地雷って言うんだよな。
「ふー、狩って狩って狩って狩りまくったわね!」
「大森林に入ってから三時間くらいですか? ずっと狩ってましたもんね」
インベントリーと念じると、半透明のアイテムが浮かび上がってくる。
「丸太が五十に、動物の皮が二十、動物の骨は十五ってところですか」
「時間の割に少ないわねっ! それだとスケルトン一体しか増やせないじゃないの」
「動物の骨でもスケルトンは作れるんでしょうか……。丸太も五十本程度だと、とても要塞なんてものは作れそうにないですね」
「もっと深いエリアにいけば、人型のモンスターが出るかもしれないわっ! よーし、もう一狩り行くわよっ! めざせスケルトン百体っ!」
「それもうどっちが魔王軍かわからないじゃないですか」
「私達のスケルトンは善いスケルトンだから、魔王軍とは違うわよっ」
スケルトンに善いも悪いもあるんだろうか。
そもそも悪いスケルトンだって魔王さんサイドから見れば善いスケルトンのような気がする。
「アンタ、めんどくさいこと考えてるでしょ? 顔に出てるわよっ! 」
「えっ、そ、そんな馬鹿な」
「スケベな事考えててもすぐわかるんだからねっ!」
スケベと言われてドキっとしてしまう。先輩まだスカートの事を根に持っているんだろうか。
先輩の意地悪そうな顔に何も言い返せなくなる。
「さ、タツヤを虐めるのはこのくらいにしておいてあげようかしらっ! 目指すはエリア3よっ!」
そう言って先輩は進もうとするが、その時だった。
「キャアアアー!!」
森に悲鳴が響き渡る。
「先輩、今のは……?」
「わからないわ! とりあえず、向かってみるわよっ!」
先輩と悲鳴の聞こえた方向へと向かった。




